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中川 芳樹 院長の独自取材記事

中川医院

(大阪市阿倍野区/美章園駅)

最終更新日:2025/08/20

中川芳樹院長 中川医院 main

昔ながらの家々が多く残りつつも、近年、高層マンションが次々と建てられている美章園駅周辺。かつては高齢化地区といわれていたこの辺りにも、若い世代が移り住み、子どもが増えつつある。美章園駅から歩くこと5分、3階建ての「中川医院」は、どんな症状で駆け込んでも受け入れてくれる懐の広いクリニックだ。「地域の人々が病院に行く前にまず足を運んでくれるかかりつけ医でありたい」と語る院長の中川芳樹先生は、患者にとって、頼もしい友人のような、優しい親戚のおじのような存在。朗らかな笑顔を目の前にすると、誰もが心を開いてしまいたくなる中川院長に話を聞いた。

(取材日2017年7月28日)

専門に偏らず、幅広く診られる「かかりつけ医」に

いくつもの科を標榜していますが、専門は内科でしょうか?

中川芳樹院長 中川医院1

主たるものは内科でしょうね。でも、専門というものは考えていないんです。当院の場合は専門家をめざすのではなく、幅広く、どんな症状でも診ることを第一に考えています。高齢者から子どもまで、眼科や耳鼻科、婦人科などの特殊な領域を除いて幅広く、全部診るというスタンスですね。病院に行く前にかかってもらえる医療機関としては、いろいろな診療科を幅広く診察できるほうがいいだろうと思っています。例えば、当院にはもともと小児科はなかったんですよ。この辺りは高齢化地区で、開業当時は子どもが少なかったんです。それが、近年になって若い世代が住みついて、子どもの数が増えてきました。小児科の医師が不足しているという話を聞くようになったので、では小児科もやろうかなということで、途中から追加した次第です。

どんな症状を訴える方が多いのでしょう?

内科では、糖尿病、高血圧、高コレステロール、風邪、下痢という症状の方がよくいらっしゃいますね。今の時期に特に多いのは皮膚科でしょうか。あせもや湿疹、虫刺され、水虫……。子どもから若い人まで、幅広くいらっしゃいます。アレルギーやアトピー性皮膚炎の方も多いですね。それから、整形外科も需要が高いですよ。膝が痛い、腰が痛いという高齢の患者さんがよくいらっしゃいます。当院の整形外科は機器を使ってのリハビリテーションの他にマッサージも受けていただけます。

「膝が痛い、腰が痛い」という症状は、「そのうち治るだろう」とやり過ごしてしまう人も多いのでは?

そうですね。ただ、痛いという症状が病気から来ていることもありますから、原因については私が見極めなければいけません。例えば、「何だか痛い」と思って受診してみたら帯状疱疹を発症していた、ということもあり得ますので。高齢の方では、老化が原因で骨が変形してしまって膝や腰に痛みが出ているケースが多いですね。こういった症状は、リハビリテーションを行って治療します。また5年ほど前から、マッサージも行っています。

整形外科でマッサージまでしてくれるところは、あまりないですよね?

中川芳樹院長 中川医院2

そうでしょう? 当院はいろいろな診療科を扱っていますが、整形外科ではマッサージを積極的に導入しています。そうは言っても、マッサージが必要か否かは患者さんの状態を診て判断しますので、必ず誰にでも行っているわけではありませんが。マッサージを始めてからは、リハビリテーションの機器しか置いていない頃よりも、整形外科の患者さんが増えました。あまりにも需要が高いので、以前は同じスタッフに不定期で手伝ってもらっていたのですが、彼の独立開業を機に正式に契約を結んで、今は週に2回、来てもらっています。

気兼ねをせず、友達のように接してほしい

子どもから大人まで、患者の年齢層が広いですよね。患者とはどんなふうに接していらっしゃいますか?

中川芳樹院長 中川医院3

友達同士が話すような雰囲気で接しています。私が先生だからと言って、気兼ねは一切いりません。開業当時から、患者さんに友達のような感じで接していただけることをめざしています。当院では患者さんとの距離が近いんです。私のほうでも、患者さんの名前を「ちゃん」づけで呼んでいますよ(笑)。特に、お子さんの場合は、自分がその子のことを心の底から好きにならないと診ることはできませんよね。心の中で「嫌な子どもだなあ」と思っていたら、診療になりませんから。そんな気持ちが伝わっているのか、子どものほうでも私のことを気に入ってくれます。困らされることはほとんどありませんね。私は子どもに人気があるんです(笑)。

大人と接するときに気をつけていることはありますか?

職業は必ず確認しています。患者さんがどんな仕事をしていて、普段はどんな状況で働いているのかを把握しないことには、今抱えている症状の原因がどこから来ているのかを予測することができませんから。外に出て炎天下で働いている人なのか、クーラーの効いた涼しい部屋で一日中パソコンを打っている人なのか。それによって、話の進め方や話す内容が変わってきますね。また、自分の症状や治療に対して感じているストレスを和らげてあげたいので、患者さんに向かってよく冗談を飛ばしています(笑)。

在宅医療もなさっていますね?

中川芳樹院長 中川医院4

開業当時から行っています。高齢の患者さんが多いので、訪問診療や往診が必要とされているのではないかという思いがありました。また、外来の診療は午前中と夕方から夜にかけてですし、昼間の時間帯が空くのだから、その時間を利用して外来ではないことでも地域に貢献できるのでは、と考えたんですね。一時期は数多く受けていましたが、最近は近隣に在宅医療のみを扱う医療機関ができてきたので、かなり減っています。以前は夜中に呼び出されることもありましたし、体力的につらくないこともないのですが、やめようと思ったことはありません。地域の役に立ちたいという思い入れが強いのでしょうね。

何でも相談に乗れる、役に立てる医療機関でありたい

医師を志したきっかけは?

中川芳樹院長 中川医院5

家族を手術が必要となるような大きな病気で亡くしたことですね。私が高校1年生だった15歳の時に、家族が、病気で余命半年との宣告を受けました。そして、2年生の16歳の時に亡くなりました。その病院が、この近くのJR大阪鉄道病院なんです。当時、家族で奈良県に住んでいたのですが、学校が終わると毎日のように病院に通っていました。だんだんと弱っていく家族の姿を見ているのは本当につらかったですね。それで、将来はこういう人を助けよう、と心に誓ったんです。その時から、医学部への進学をめざして猛勉強を始めました。そんな事情でしたから、病院に勤めている時は外科の医師としてメスを握っていたんですよ。家族と同じ病気の人を助けたければ、病巣を切除しなければならない、というのが頭にありましたから。

病院で働いている頃と開業してからでは、意識に変化がありましたか?

意識は大きく違いますね。勤務医の頃は、外科専門の医師として手術に専念していればよかった。でも開業してからは、地域に貢献していこう、というのが一番大事ですね。開業するにあたって、患者さんに一番求められているものは何か、ということを自分で真剣に考えてみたら、地域医療だなと思い当たりました。そこで、地域に住んでいる人にとって役に立つ医師にならなければいけない、この地域に住んでいる人の役に立つ医療機関でありたい、と意識を変えたんです。患者さんにとって、何でも相談に乗ってもらえる、役に立てる医療機関をめざしています。必要があれば大規模病院や専門的な医療機関を紹介しますが、一番最初にかかってもらえる医療機関、かかりつけ医でありたいですね。

開業以来、長い間ずっと地域に携わってきて、いかがですか?

中川芳樹院長 中川医院6

地域に貢献できたんじゃないかなと思います。病院に勤めていた頃はその頃で、外科の医師として手術をし、それなりに喜びがあったでしょう。でも、今もとても充実していますし、やりがいをものすごく感じています。内容は違うけれども、社会に貢献していることに関してはまったく同じですから。患者さんの症状・病気が改善につながり、感謝の気持ちを聞けたとき、心の底から充実感を覚えますね。自分のことのようにうれしいです。年齢的に、これから新しいことに挑戦していこうという気にはなれませんが、クリニックをできるだけ長く続けて、できるだけ地域に貢献していきたいと思っています。そのためにはまず、自分が健康でないといけませんね(笑)。

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