河本 英恵 院長、河本 政一 副院長の独自取材記事
かわもと医院
(大阪市旭区/城北公園通駅)
最終更新日:2025/06/11

おおさか東線・城北公園通駅から徒歩5分、城北公園通り沿いのビルの1階に位置する「かわもと医院」。河本英恵院長の「いかにも医療機関という雰囲気にしたくなかった」という言葉どおり、広々とした院内は清潔感があり、待合室に飾られた絵画や間接照明がぬくもりを感じさせる。同院では英恵院長と夫の河本政一副院長のほか、常勤医師と非常勤医師が在籍し、幅広い診療科目に対応している。また、非常に充実した検査機器を用いて、地域の病院でありながら先進的な検査も受けられる。優しい雰囲気で日々患者と向き合う英恵院長と政一副院長に、2026年で開業30周年を迎える同院の特色や地域医療への思いについて話を聞いた。
(取材日2025年5月19日)
幅広い診療科目で0歳から101歳まで対応
院長のご経歴と開業までの経緯を教えてください。

【英恵院長】兵庫県出身で1990年に愛知医科大学を卒業し、同大学付属病院の皮膚科で勤務した後、結婚を機に夫の地元である大阪市・旭区に移りました。出産を経ても医療の現場に携わり続けたいという思いが強く、出産から4日後には診療に復帰しました。育児と仕事の両立を見据えた結果、より柔軟に働ける開業という選択に至りました。そこで、子どもの幼稚園入園後に大学院で血液内科学を学び、博士号を取得。1996年に現在地から程近い場所に「かわもと医院」を開業しました。間もなくして夫も副院長として加わり、開業から10年ほどで規模を拡大し、現在地へと移転してきました。医師が2人在籍していること、私が女性であること、子育て中の母であることが地域の方々の安心感につながっていったのではないかと思います。
旭区は副院長の地元なのですね。
【政一副院長】当院は妻が開業しましたが、私自身も学生時代から母校の校医になるのが夢で、地元に貢献したいという思いが長年ありました。専門に消化器外科を選んだのも内科と外科の両面に幅広く対応できる医師になりたかったからです。現在、当院には地域の0歳から101歳までのさまざまな年齢層の患者さんが来られます。ご家族でいらっしゃる患者さんも多く、子どもの頃から診てきた患者さんが成長していく姿を見られるのは、町のかかりつけ医としてうれしく思います。
こちらではどのような診療が受けられるのでしょうか?

【英恵院長】当院の一番の特徴は、内科・外科・皮膚科・肛門外科・小児科・リハビリテーション科と幅広い診療科目に対応している点です。そのため、受診理由もさまざまですが、内科では生活習慣病、皮膚科ではアトピー性皮膚炎、皮膚腫瘍、白癬など、小児科では風邪、湿疹、皮膚炎、感染症など、肛門外科では痔の治療などが多い印象です。また、外科ではほくろやイボなどの除去手術も行っています。診療科目が豊富なので、例えば皮膚科に来られた患者さんが「子どもが風邪気味だから一緒に診て」と希望されることもよくあります。患者さんから「どんな不調もここに来たら安心」と思っていただけるような存在でありたいですね。
精密な診療と検査を地域住民へ提供していく
在籍しているスタッフについて教えてください。

【英恵院長】私は皮膚科と血液内科、副院長は消化器外科が専門ではありますが、私たち以外にも常時2人から4人の医師が診療を行っています。また、一般診療だけでなく、曜日ごとに糖尿病や心臓病、甲状腺、乳腺外科、放射線科などを専門とする医師による外来も実施しています。複数人の医師が在籍していることで、患者さんに安心感を提供できればと思っています。私は、医師を含むすべてのスタッフと「患者さんは誰もがつらい気持ちを抱えて来られるので、笑顔を大切にしよう」というモットーを共有しています。日本では、困り事を抱えている人に対して手を差し伸べることに躊躇してしまう風潮があるように思います。でも、ここは親切心を大いに発揮する場所。ベビーカーや車いすを押したり、荷物を持ったり、どんなに小さなことでもスタッフ全員がためらうことなく患者さんの役に立てることをしようという気持ちでいます。
予防や健康診断、在宅医療にも力を入れているとお聞きしました。
【政一副院長】病気になる前に予防すること、病気を早期発見することに勝るものはありません。私は校医も務めてきて、予防や定期的な健康診断の重要性を感じてきました。当院は予防接種や定期健康診断のほか、企業健診や全国健康保険協会の健診などにも対応しています。地域のクリニックでありながら精密な検査も受けられるので、ぜひ気軽に来ていただきたいですね。また、さまざまな事情で通院ができなくなった方に向けて在宅医療にも対応しています。特に皮膚科は地域の中で診療を行っている病院が少ないため、他院の医師からの依頼を受けることもよくあるんですよ。
検査機器やリハビリテーションの設備もたくさん備わっていますね。

【英恵院長】例えば、頭を打ってしまった時、遠方の大きな病院には行きづらくて受診を後回しにしてしまったという話も耳にします。そんな患者さんのために気軽に精密な検査を受けられるよう、CTやMRI、マンモグラフィ、内視鏡、超音波、生化学検査などの検査機器を備えています。また、リハビリテーション科ではスリッパを脱いで安全に、そしてリラックスしてリハビリに取り組んでいただけるように床暖房を導入しています。リハビリテーション科の機器は、特に脚の筋力向上をめざすマシンを充実させています。パワーリハビリに力を入れているので、「スポーツジムみたい」と思われる患者さんもいらっしゃるかもしれませんね。まさにスポーツジムのような感覚で楽しんで通っていただけたらうれしいです。
患者目線に立ち、気軽に通えるクリニックでありたい
院長が患者さんと接する際に心がけていることはありますか?

【英恵院長】一つは、患者さんと同じ目線に立って接することです。小さなお子さんと話す時には椅子から降りてしゃがんでお話しすることもありますし、年配の患者さんの場合は人生の大先輩にあたるのでリスペクトを持って接しています。もう一つは、患者さんの年代に応じてわかりやすい説明をすること。医療用語はなじみのない言葉も多いので、耳で聞くだけではピンとこないことも多々あるかと思います。そんなときは、イメージしやすいように紙に漢字で書いて説明するなど工夫しています。患者さんから教わることも多く、「医師と患者」や「診察する側とされる側」である以前に、「人と人」であることを忘れずにコミュニケーションを取るようにしています。
今後の展望を教えてください。
【政一副院長】当院では、待合室に会計順や医療情報を表示するモニターを設置したり、自動精算機を導入したり、新型コロナウイルス感染症が流行する前から発熱した患者さんの診療スペースを用意したりとより良い医療を提供するため、さまざまな工夫をしてきました。当院に来られる患者さんは皆さんご縁があって来られた方々だと思っています。地域の中で良質な医療を提供し続けることで、患者さんたちが健康で、また、心も気持ちも元気でいてくださることが今後の一番の展望です。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

【英恵院長】私たちは当院を表現するときによく「家族みんなのかかりつけ」、「コンビニクリニック」というキャッチフレーズを使います。めざしているのは、コンビニのように身近で何でもそろうクリニック。患者さんの中には「こんなことで医療機関に行っていいのかな?」「医師からどうしてこんなことで来たの?と言われないかな」と不安に思われる方もいるかもしれません。けれど、私たちはどんな困り事や不安にも真摯に向き合います。心配なことがあったら、いつでも気軽にお越しください。スタッフ一同、笑顔でお待ちしています。