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安成 春美 院長の独自取材記事

やすなりみどり診療所

(大阪市生野区/南巽駅)

最終更新日:2022/09/29

安成春美院長 やすなりみどり診療所 main

大阪メトロ千日前線南巽駅から徒歩5分。幹線道路沿いにある「やすなりみどり診療所」。院長である安成春美先生の実家跡に、1995年に開業したクリニックだ。「基幹病院と密に連携を取りながらも、先進の医療を追求するためではなく、家族と地域に根差した治療をしたくて開業しました。めざすのはホームドクターです」と語る安成院長。明るく、患者と話すことが大好きなことから、つい診察時間が長くなり、スタッフが診察室をのぞきに来ることもある、と笑う。子どもから高齢者まで家族ぐるみで通う患者が多く、どんな小さな相談にも応じてくれる同院。家族歴を踏まえた診療は患者としても心強いだろう。毎日、あふれる愛情で患者と向き合う安成院長に、クリニックのモットーや診療方針、今後の展望をじっくり聞いた。

(取材日2022年6月23日)

総合病院と緊密に連携しながらプライマリケアを行う

明るくて、患者さんが通いやすそうなクリニックですね。

安成春美院長 やすなりみどり診療所1

当院は1995年の開業時から、総合病院とはひと味違う診療をモットーに、家族ぐるみで通っていただける診療所をめざしてやってきました。おかげさまでお子さんからご高齢の方まで来院いただけるようになり、水曜日以外は二診制で診療を行っています。会社勤めの方は日中お忙しく、仕事を休んで検査を受けるのも大変ですから、夜の19時過ぎまでにご来院いただければ腹部エコーなどの検査が行える体制を整えています。C型肝炎などの専門的な治療は大学病院から、また小児科も非常勤の医師に来てもらっています。私は消化器内科が専門ですが小児科も診察しますし、女性の更年期症状から思春期のお子さんの心の相談にも応じています。女性同士で話しやすいと思っていただけるのはうれしいですね。

クリニック名は先生のお名前ではないのですか?

「みどり診療所」の「みどり」は、樹木の「緑」が由来です。樹木のように地域に根を張り、「患者さんの笑顔」の花を咲かせられるように、という思いを込めて名づけました。これは会社で言うところの社是のようなもので、スタッフにも意識してもらっています。当院はプライマリケアのできるホームドクターをめざす診療所です。病院が行う先進の治療とは別で、普段の生活に根を張った治療がモットー。地元の方々と一緒に成長していきたいと思っています。具合の悪い患者さんが来院されて、「これは」と思う症状であれば、できるだけ早く専門の科へつなぐことを開業時から心がけてきました。幸い当院のある生野区は、総合病院との病診連携がとてもうまくいっている地域で、病院の先生方にFAXやメールでの相談はもちろん、急ぎの場合はホットラインに電話をすれば、すぐに対応してくださいます。

開業当初から病院との連携は緊密だったのでしょうか。

安成春美院長 やすなりみどり診療所2

当初は「こんなことを聞いてもいいのかな」と戸惑いもありましたが、以前、近隣で食中毒が発生したことを機に変わりました。ものすごい下血の患者さんが何人も来院されて、その対応に四苦八苦していた時でした。とある病院の先生から「これは細菌性です。便の顕微鏡検査で確認済みです」と電話をくださったのです。合わせて、大阪市の保健所にも連絡を入れてくださりすべてが解決しました。何かあったら他科の先生に聞く、ということができない開業医は孤独なものです。けれど、このピンチで「病院の先生は、困ったときはすぐに助けてくださる」と実感できましたし、そこから一気にコネクションが良くなりました。今では主に大阪警察病院、大阪赤十字病院、同じ医師である夫の関係から、大阪公立大学医学部附属病院と連携させていただいております。

心を開いて患者に寄り添い、共感して症状や訴えを聞く

なぜ医師という仕事を選ばれたのですか?

安成春美院長 やすなりみどり診療所3

人と話すことが好きで、人とコミュニケーションできる仕事がしたくて選びました。弁護士も念頭にあったのですが、国語が苦手科目で。高校時代の先生に「文章のセンスがない。弁護士では成功しないぞ」と言われたこともあり諦めました。両親とも医師ではありませんが、小さい頃に入院した経験があったので、医師という職業のやりがいを想像できましたし、男女の格差なく対等に働けるというイメージもありました。この仕事は、人と腹を割ってしゃべらないといけない、という感覚が私にはあります。こちらが心を開いて話せば、患者さんも本当のことを言ってくれます。だからやりがいがありますし、人と一番密接に関われる仕事だと思っています。つい話が長くなってしまい、スタッフが診察室へ時間を知らせに来てくれたりしますね(笑)。

開業までの経緯を教えてください。

神戸大学医学部を卒業して放射線科を希望したのですが、「ゼネラル(総合的)に、いろいろな科を診られるようになったほうがいい」と言われまして。消化器内科で診察をしながら、腹部エコーや胃カメラを学び、放射線科のカテーテルも担当するというかなりハードな毎日を過ごしました。その経験が、今の私の糧になっていると思います。その後、結婚して子どもが生まれ、子育てしながらのハードワークで体調を崩しかけたのを機に、病院を辞めて開業医の先生のところへ移りました。数多くの会社と産業医契約を結び、オフィスも2つあるような大きな医院でしたので、とても忙しかったのですが、開業医としてのノウハウが身につきました。そして、子どもの小学校入学に合わせて、自分が生まれ育った南巽に戻ったんです。地元に密着しゆっくりと患者さんを診られる医院にしたいという思いで、開業しました。

先生はどの患者さんとも距離が近いように感じます。

安成春美院長 やすなりみどり診療所4

ある患者さんから、「先生、この前うちの息子がちょっと調子悪いから『みどり』行ってくるわ、と出ていったよ」と教えていただいてうれしかったですね。困ったときや、体調がいつもと違うと思ったときに、気軽に相談に来ていただけるホームドクターをめざしています。診察するときに心がけていることは、「シンパシー(同情)よりもエンパシー(共感)」。Face to Faceで正面に座るのではなくて、横に並んで共感するようにお話をします。人間関係もそうですけれど、相手の立場に立つことが大切。最近は、医学教育にも取り入れられているようです。医師として客観的に疾患を診るのは非常に大事なことですが、隣に座るように患者さんに寄り添って症状や訴えを聞くように心がけています。

短い人生だから、やりがいのある仕事で豊かに生きる

患者の病気を早期発見するために行っていることはありますか?

安成春美院長 やすなりみどり診療所5

採血や心電図などの検査も重要ですが、当院では定期的に患者さんの身長、体重、脈拍を測りカルテに記録しています。身長が急に2cmほども縮んだら圧迫骨折を疑いますし、体重の急な増減も「ちょっとおかしいぞ」と病気を疑うサインになります。当院では家族ぐるみで通っていただける方が多いので、その家族歴も病気の早期発見に役立ちます。血糖値の検査で数値が高ければ、「お母さん、糖尿病だったよね。気をつけて見て行こうね」と早い段階からお声かけしたりもしています。病気や慢性疾患に対する意識が変わるので良いと思います。

スタッフさんについても教えていただけますか?

長く勤務してくれるスタッフが多いですね。私は女性の雇用を生み出すためにも、主婦の方が働きやすい環境づくりに気を配っています。私も子育てをしながら働いてきました。スタッフにも「子どもを生んでゆっくりして、また復帰してくれたらいいからね」と言っています。人生の時間は短いです。どうせなら女性もやりがいのある仕事をして、限られた人生を豊かにするのは大事なことだから頑張ろうね、と話しています。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

安成春美院長 やすなりみどり診療所6

新型コロナウイルス感染症で私が感じたのは、高齢の方でも若い方でも、一人暮らしの方が多いことです。そういう方が病気になって自宅待機などが続くと、人に会えませんしすごく精神的につらい。この感染症がきっかけで、当院もオンライン診療を始めました。患者さんにもたいへん好評をいただいております。来院してから問診票を記入していただく時間を短縮するために、ホームページ上で問診票をダウンロードできるようにも改良しました。これからは人口動態も変化していきます。今まで以上に高齢の方への診療にも配慮し、時代と社会の変化に対応しながら、当院らしい診療を皆さんに提供できるように勉強してまいります。

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