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谷本 吉造 院長の独自取材記事

谷本医院

(大阪市生野区/北巽駅)

最終更新日:2025/08/20

谷本吉造院長 谷本医院 main

国内有数の外国人居住者が多い街として知られ、個人商店や中小企業、工場などが並ぶ大阪市生野区。ここで50年以上、地域住民の健康を守り続けているのが「谷本医院」の谷本吉造院長だ。生まれ育った街に貢献したいと、1971年に開業。多くの患者のかかりつけ医として診療を行う傍ら、学校医として学校保健の向上に努めたり、社会福祉活動を推進したりするなど地域医療にも尽力してきた。患者からの相談には何でも応じてきたという気さくな谷本院長に、自身の若さを保つ秘訣、そして地域に対する思いなどを聞いた。

(取材日2022年7月7日)

地域のかかりつけ医として、あらゆる相談に応じる

開業から50年になるそうですね。医師を志したきっかけや、こちらで開業した背景を教えてください。

谷本吉造院長 谷本医院1

医師を志したのは、闘病中だった父の影響があったと思います。医療を通じて生まれ育った街に貢献したいと思い、1971年に大阪市生野区で開業しました。標榜科目は、内科、外科、整形外科、皮膚科、リハビリテーション科、放射線科と幅広く掲げていますが、現在は、内科と整形外科を中心に診ています。生野区は、区民の4人に1人が外国人といわれるほど外国人比率が高く、個人商店や零細企業の工場が多く、高齢者も多い街なんですよ。患者さんは、外国人や工場で作業中にケガを負ってしまった人のほか、私が校医を務めている学校の生徒など多種多様です。地域のかかりつけ医として、何でも相談を受けてきました。外国人の患者さんともコミュニケーションが取れるように、韓国語も勉強したんですよ。

これまで医師としてさまざまな活動をされてきたと伺っています。

私は、医師の使命は、患者さんの貧富、地位、職業、年齢、美醜などに関係なく生命を守ることだと考えています。この使命のもとでさまざまな活動を行ってきました。例えば、大阪市生野区社会福祉協議会が運営している老人福祉センターや保健福祉センターで、高齢者の健康相談に応じたり、ポリオやBCGの予防接種を行ったりしました。また、大阪市救急医療事業団の休日急病診療所に出務協力するほか、大阪中央地域産業保健センターでは小規模事業所で働く従業員の健康相談に応じるなど、地域医療に尽力してきました。

30年以上にわたって、多くの活動を通じて地域医療に貢献されてきたのですね。

谷本吉造院長 谷本医院2

1990年から大阪府立生野支援学校の学校医を務めているほか、大阪市立北巽小学校と大阪市立生野工業高等学校の学校医なども兼任しています。生野まつりには、毎年、ボランティアとして救護班に参加しています。医療を通じて地域社会に貢献できることを、喜ばしく思っています。

自分の子どもや親、妻であるかのように患者をいたわる

医師としてのあるべき姿を強く持っておられるのですね。

谷本吉造院長 谷本医院3

私は常々、医師としてのあるべき姿を自問自答しながら、診療にあたってきました。医師はまず、円満な人格と豊かな教養の持ち主でなければならないと思っています。性格や置かれている状況がさまざまな患者さんを理解する必要がありますから。また、常に患者さんを思いやり、相手の身になって考えることに加えて、患者さんの気持ちを自分事として実感できることも大切です。医療従事者の使命は、病気を治療するのはもちろんのこと、患者さんの人生まで深く把握し、精神的かつ肉体的にいたわることだと思っています。さらに、日進月歩の医学に立ち遅れないよう、一生勉強を続けなければなりませんね。それが職業人としての良心ではないかと思うのです。

診療時に心がけていることはありますか?

医療は、医師と患者さんとの信頼関係に基づいた共同作業でなければなりません。ですから、まず、患者さんと同じ目線で診療にあたるようにしています。世の中には、患者さんに対して優越意識を持っている医師がいるようですが、病気を治すからといって、立場が患者さんよりも上であるというわけではありません。それから、すべての患者さんを自分の子どもや親、妻もしくは夫であるかのような気持ちで、いたわる心が大切だと考えています。また、必要に応じて、専門の医師や医療機関を速やかに紹介することで、患者さんにとって最もふさわしい治療が受けられるよう心がけています。

どのようなときに、医師としてのやりがいを感じますか?

谷本吉造院長 谷本医院4

私を頼りにしてくれる患者さんがいることは、医師冥利に尽きますね。生野区以外にも、住吉区や浪速区などから、長年、家族で通ってくださる患者さんもおられます。校医を務めている学校では、生徒が声をかけてくれたり、「いつもありがとう」という色紙をくれたりするのもうれしいですね。いただいた色紙は院内に飾ってあります。開業医は、薬の仕入れや税金のことなど、診療以外のこともたくさんしなければならないことがあり大変なのですが、でも開業医をしていて良かったと思いますよ。

医師として、命を燃やしながら残りの人生を送りたい

休日はどのように過ごされているのですか?

谷本吉造院長 谷本医院5

最近は毎日、スポーツジムへ行って運動するようにしています。皆さん、運動なさったほうがいいですよ。運動をしているのとしていないのとでは、年齢を重ねたときに、外見や体力にかなり差が出てきますから。実は、学生の頃から空手をしていて、名誉五段を頂いているんですよ。地域の空手大会に大会ドクターとして参加して、感謝状を頂いたこともあります。他には、昔は時間があれば、ゴルフや旅行に出かけることもありました。長野県の上高地はとてもいい所でしたよ。自分で花や野菜を育てていた時期もあります。今思えば、結構いろいろなことをしていますね。

先生のように若さを保つ秘訣は何でしょうか。

運動をはじめ、さまざまなことに気を使いながら過ごすことが大切だと思います。私は、空手をして体を動かしていたおかげで、今でも体が元気なのだと思っています。一番大事なのは、何かに関心を持ったり感動したりすることではないでしょうか。道端で咲いているきれいな花を見つけて、しばし立ち止まって「きれいだな」と感動するようなことですね。それから、いつまでも仕事をしているほうがいいのでしょうね。定年退職後に、一気に年を取ったように見える人が多いですから。55歳や60歳で定年退職を迎える人がいますが、早すぎると感じます。私は今も気を緩めることなく、一生懸命さまざまな活動に取り組んでいます。そうすることが、若さを保つことにつながっているのだと思います。

今後の展望をお聞かせください。

谷本吉造院長 谷本医院6

少子高齢化が進む中で、かかりつけ医が果たす役割はますます重要になっていきます。今後は、かかりつけ医としての自覚をさらに高めながら、地域社会に貢献していきたいと考えています。私は、人には神から授かった命があると思っています。病気で若くして命を落とす人もいるように、人間の運命は、神様にしかわからないようなところがあります。私も自分の年齢を考えると、いつ何が起こってもおかしくありません。ですから、命ある限りそれを燃やしながら、生きていかなければならないと思っています。これまでいろんな人に支えられて生きてきました。自分が生かされていることや、これからも私を支えてくれる人たちに感謝をしながら、残りの人生を送りたいと思っています。

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