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許勢 文誠 院長の独自取材記事

このせ眼科

(大阪市天王寺区/玉造駅)

最終更新日:2025/07/08

許勢文誠院長 このせ眼科 main

玉造駅改札の目の前という抜群の立地にある「このせ眼科」。許勢文誠(このせ・ぶんせい)院長が30年以上この町で愛されてきた眼科クリニックを継承し、2025年開業した。温かみある院内は継承前のまま。「前院長である脇本先生が築いてきた信頼関係を大切にしながら、新しい医療も取り入れていきたい」と語る許勢院長。大学病院での診療経験が豊富であり、小学校と高校の校医も務める院長は、増加する子どもの近視に強い危機感を抱き、近視矯正についてのアドバイスも送っているという。「何でも気軽に相談してください」と優しく語る姿からは、地域のかかりつけ医として歩み始めた決意が感じられる。継承への想いとかかりつけ医としての挑戦について話を聞いた。

(取材実施日2025年6月12日)

30年以上の歴史ある医院を継ぎ、新たな一歩を

地域に愛されたクリニックを継承・開業されたそうですね。

許勢文誠院長 このせ眼科1

2025年4月に継承させていただきました。前院長である脇本先生は兵庫医科大学の大先輩で、30年以上この地域の眼科医療を支えてこられた方です。地元の玉造で開業したいと考えていたところ、ご縁があってお話をいただきました。脇本先生の考えをしっかり引き継ぎ、先生と患者さんが築かれてきた信頼関係を大切にしていきたいと考えています。患者さんが慣れ親しんだ環境を変えないよう、院内はほとんど改装していません。山小屋風の天井もそのままです。継承というのは単に場所や設備を引き継ぐだけでなく、30年間培われてきた地域との関係性、近隣の先生方との連携、そして何より患者さんとの信頼関係を引き継ぐことだと思っています。

先生が医師になったご理由や開業までのご経歴を教えてください。

祖父が開業医だったので、小学校高学年の頃から医師になりたいと思っていました。兵庫医科大学を卒業後、大阪医科大学病院の眼科に入局し、2年間の研修を経て高槻病院に2年、その後、市立ひらかた病院に5年間勤務しました。大学病院では重篤な症例も多く経験させていただきました。難しい症例を診てきたからこそ「これは大丈夫、これは専門機関に紹介したほうががいい」という判断ができるようになりました。開業医として大切なのは、自分で診られる範囲と専門的な治療が必要な範囲を的確に見極めることです。幸い、この近くには大阪赤十字病院や大阪けいさつ病院、大阪医療センターなど連携できる病院が多く、西眼科病院の西先生も大阪医科大学の先輩なので、必要に応じてすぐに紹介できる体制が整っています。

継承前と変わらないという院内の雰囲気も居心地が良くてすてきですね。

許勢文誠院長 このせ眼科2

ありがとうございます。入り口も広く、山小屋のような丸太模様の天井は2フロア分の高さがあって開放感がありますよね。この雰囲気を患者さんも気に入っていらっしゃるようです。バリアフリーにも配慮していて、車いすに乗ったままでも、ベビーカーを押してでも余裕を持って診察室まで入れます。待合室には子ども用の絵本も置いてあります。私自身4歳と3歳の子どもがいるので、親子連れの方が通いやすい環境は大切だと思っています。また、あえて予約制にしていないのも特徴です。多少お待ちいただくこともありますが、予約制でない分、急に症状が出た時にもすぐにお越しいただけます。かかりつけ医として、受診の障壁を低くすることを心がけています。

眼科医として親として子どもの近視を防ぎたい

現在の患者層についても伺いたいです。

許勢文誠院長 このせ眼科3

脇本先生の頃から来られている患者さんも多く、60代から80代の患者さんが中心です。「30年間ずっと脇本先生に診てもらっていて、やめられるのは寂しいです」とおっしゃる方も多く、その信頼関係を大切にしていきたいと考えています。一方で、学校健診で引っかかった小学生も多いですね。この辺りは学校が多いので、春と秋は特に子どもの患者さんが増えますね。また、コンタクトレンズ処方をご希望される方もいらっしゃいます。最近は、ショッピングモールなどでコンタクトを購入する方も多いですが、3〜4ヵ月に1回きちんと定期検査を受けるなど、適切にコンタクトレンズを使ってほしいと考えています。このほか糖尿病の患者さんも多く、近隣の内科の先生から紹介いただいて定期的に眼底検査をしています。

子どもの近視抑制のための働きかけをしていきたいとお考えだそうですね。

はい。小児の近視対策のためのアドバイスや治療に力を入れていきたいと考えています。私は小学校と高校の校医をしているのですが、最近、子どもたちの近視が増えているんです。学校に行くと、休み時間にタブレットを見ているお子さんも多く、目が悪くなる原因になっていると思います。学校健診で引っかかったお子さんが来院された時は、親御さんにも丁寧にご説明して、生活習慣の改善も含めたアドバイスをするようにしています。例えば、「1日2時間外で過ごすのが有用」という近視抑制の研究結果もあります。私も休みの日は子どもと公園で遊んでいますが、それも目のためになっているんです。また当院では今後、低濃度アトロピン点眼薬やオルソケラトロジーなどの近視の治療法を順次取り入れていく予定です。これらの近視の治療は自由診療になるので費用面にも配慮しながらご提案していければと考えています。

診療で心がけていることは何でしょうか?

許勢文誠院長 このせ眼科4

優しく丁寧に、わかりやすい言葉で説明することです。お子さんの診察では特に「丁寧に優しく怖がらせないように」を意識しています。私にも小さな子どもがいますので、お子さんとのコミュニケーションには慣れていると思います。一方で、高齢の方には大きな声で話すよう意識していますね。また、必要に応じて眼球模型を使って説明します。「かゆいな、痛いな、乾燥するな、緑内障は大丈夫かな、白内障が心配だな」といった、どんな些細なことでも相談していただきたいです。「こんなことで受診していいのかな」と思わずに来てください。駅から徒歩1分、夕方6時まで診療していますので、学校帰りや仕事帰りにもふらりと立ち寄っていただければと思います。

視能訓練士も在籍するチームで「心が軽くなる眼科」へ

スタッフ体制について教えてください。

許勢文誠院長 このせ眼科5

私以外にスタッフは5人です。そのうち視能訓練士が2人、眼科検査も対応できる受付が2人、事務長が1人の体制で診療しております。脇本先生時代から経験を重ねたスタッフがそのまま勤務してくれているので、患者さんも安心してこれまでどおり通院していただけるかと思います。お昼休憩や患者さんの少ない時間を使って、スタッフミーティングをすることもあり、「診療で困っていることはないか」「もっと効率的にできることはないか」など、その都度話し合っています。医療はチームで行うものですから、スタッフ全員が同じ方向を向いて、患者さんのために何ができるかを考えることが大切です。この体制があるからこそ、予約なしでも患者さんをあまりお待たせすることなく運営できているのだと感謝しています。

今後の展望についてお聞かせください。

継承した脇本先生の想いと、30年以上かけて培われてきた患者さんとの信頼関係を大切にしながら、プラスアルファで新しい医療も提供していきたいです。具体的には、先ほどお話ししたような近視の治療を充実させていきたいと考えています。医療は常に進歩していますから、新しい治療法も積極的に取り入れていきたいですね。月1回は医局の勉強会に参加し、学術的な場での情報収集も欠かさずに行っています。ただ、新しいことを始める時も、今まで通ってくださっている患者さんが戸惑わないよう配慮は必要です。「継承プラス革新」というバランスを保ちながら、地域の皆さんに必要とされる眼科でありたいと思っています。

読者へのメッセージをお願いします。

許勢文誠院長 このせ眼科6

玉造駅から徒歩1分、看板も見えていますので迷うことはないと思います。予約は不要ですから、何か気になることがあれば気軽にお立ち寄りください。緑内障も糖尿病も定期的な検査が大切です。「40歳以上の方の20人に1人は緑内障」というデータもありますし、自覚症状がないことも多いので、年に1回は検査を受けることをお勧めします。お子さんの視力低下も早期に対応すれば進行を抑えられる可能性が望めます。今まで来ていた方も安心して、そして初めての方も遠慮なくお越しください。ここに来て少しでも気持ちが楽になった、心が軽くなったと思ってもらえるような、そんな眼科をめざしています。

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