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利川 寛実 院長の独自取材記事

としかわこどもクリニック

(京都市山科区/山科駅)

最終更新日:2025/07/14

利川寛実院長 としかわこどもクリニック main

山科駅から徒歩約9分の「としかわこどもクリニック」は、小児神経学を専門としてきた利川寛実先生が2025年に開業した。利川院長は、「困っている人を助けたい」という思いで医師を志し、大阪母子医療センター、大阪医科薬科大学病院、京都大学iPS細胞研究所などを経て地域医療の道へ。温和で優しいと親しまれている利川院長は、子どもを一人の人間として尊重し、何歳であっても本人に治療の必要性を説明することを大切にしている。てんかんや発達障害などの専門的な相談が可能な一方、地域のかかりつけ医としての役割も重視。副院長であり同様に小児神経学を専門とする利川マリ先生と連携しながら、専門性と親しみやすさを両立させた診療を行っている利川院長に話を聞いた。

(取材日2025年6月27日)

人を助けたいという原点から地域医療へ

医師をめざしたきっかけと、小児科を選んだ理由を教えてください。

利川寛実院長 としかわこどもクリニック1

はっきりと覚えているのは、高校生の時にターミナル駅で人が倒れるのを目撃したことです。周りの人は誰も近寄ろうとせず、むしろ避けているような状態でしたが、その時「人が倒れて苦しんでいる時は手を差し伸べなければいけないんじゃないか」と強く疑問を感じたんです。困っている人に手を差し伸べられる、そんな自分でありたいと思ったことが医師をめざすきっかけになりました。小児科を選んだのは初期研修医時代です。いろいろな診療科を経験する中で、子どもたちが笑って退院していく姿を見るのが、自分の中で最もやりがいを感じました。診療を通して、元気になって成長していく様子を見守れることが小児科の魅力だと感じたんです。

専門施設や大学病院、京都大学iPS細胞研究所など多彩な経験をされていますね。

大阪母子医療センターや大阪医科薬科大学病院では、てんかんや発達障害などたくさんの難病の子どもたちと出会い、そこで小児神経の基礎をしっかりと勉強させてもらったので、今の専門分野の土台ができたと思っています。京都大学iPS細胞研究所は所属していた当時の教授に勧められて従事することになったのですが、世界的な研究者たちの中で研究をすることは非常に良い経験になりました。幹細胞が分化していく過程は、発生、発達を診療する小児科医として非常に興味深い研究でした。ただ、そうした先進の世界にいながらも、地域で困っている人の役に立ちたいという思いは常にあり、義父のクリニックで1年間勉強をさせてもらってから開業に至りました。

クリニックの特徴と、患者層について教えてください。

利川寛実院長 としかわこどもクリニック2

3階にありますがエレベーターでアクセスでき、院内はゆとりある広さで子どもの好きなキャラクターの壁紙を採用しています。発熱している子どものために隔離室を3室用意し、うち1室は特に空気循環にも配慮しています。患者さんは地域の方が多いですが、私が小児神経学を専門としていることを聞き、発達障害や起立性調節障害などの症状を抱えて遠方から来られる方も結構いらっしゃいます。また、病院よりも気軽に小児神経分野を相談できるクリニックとして来院される方もいらっしゃいます。何より心がけているのは、当院の副院長である利川マリ先生も小児神経学が専門なので、2人で情報を共有しながら診療にあたることです。同じ患者さんを診て「こうかもしれない」「でもこうだよね」と意見交換することで、より適切な診断や治療につながっていると感じています。

小児神経の専門家として幅広い悩みに対応

小児神経分野では、どのような疾患を診ていますか?

利川寛実院長 としかわこどもクリニック3

小児神経は本当に幅広い分野ですので、てんかんはもちろん、発達の遅れや発達障害、頭痛なども診ています。最近は頭痛を訴える子どもが増えていて、幼稚園くらいから症状を訴える子もいます。昔は「ちょっと我慢すれば治るよ」と放っておかれることも多かったのですが、今はしっかりと診断して治療することが大切だと考えられています。てんかんについては、当院では脳波が検査できないので近隣の病院と連携して検査を行っており、専門病院や大学病院で診ていたような変性疾患や脳の病気など、神経にまつわる幅広い疾患の知識を生かして、地域で困っている方々の力になりたいと思っています。特に小児神経の相談をできるところは多くはないので、気軽に相談していただけたらと思っています。

発達障害についての相談も多いと聞きました。診療方針を教えてください。

「うちの子、発達障害かもしれない」という相談は確かに増えています。ただ、発達障害は非常に裾野が広く、昔なら「性格」といわれていたものも含まれるようになりました。私は病名をつけることが目的ではなく、その子の特性を理解して、過ごしやすい環境を整えることが大切だと考えています。まずは周りの環境を整えるアドバイスから始めます。その子に応じた対応を考え、必要に応じてカウンセリングを継続したり、ADHDの傾向が強い子には内服薬を処方したりします。大切なのは、発達障害という色眼鏡で見るのではなく、その子の個性として捉えてあげること。病名がついてもつかなくても、その子が生きやすくなるようサポートすることが私たちの役割だと思っています。

一般的な小児科診療やアレルギー、予防接種についても教えてください。

利川寛実院長 としかわこどもクリニック4

専門は小児神経ですが、やはり一番多いのは風邪などの一般的な症状です。地域のかかりつけ医として、発熱や風邪症状にもしっかり対応しています。アレルギーについてはガイドラインに則った治療を行い、可能なものは食べていけるよう、疑わしきは排除という昔の考え方ではなく、食べられるかなという前向きな姿勢で診療しています。必要に応じて血液検査を行い、重症の場合は専門病院と連携します。小児の予防接種はすべて対応可能で、予約システムを使って漏れなく接種できるようサポートしています。私は予防接種を推奨しており、おたふくで精巣炎になった子や、水痘で脳炎になった子も診てきましたので、予防できるものは予防したほうがいいというのが私の考えです。

気軽に相談できる地域の小児科として

診療で大切にしていることや、患者さんへの接し方について教えてください。

利川寛実院長 としかわこどもクリニック5

「これも聞きたかった」という疑問などをできる限りピックアップしたいので、話しやすい雰囲気づくりを心がけています。それに加えて特に大切にしているのは、子ども本人への説明です。治療を受けるのは本人ですから、1歳でも2歳でも、その子に向けた話をすることが重要だと考えています。もちろん理解度に応じた説明になりますが、「今からこういうことをするよ」と伝えることで、子どもも納得して治療を受けられます。嫌がる子もいますが、必要な治療はしっかりと説明した上で行いますし、スタッフは前院から在籍しているベテランばかりで患者さんとも顔なじみのため、特別何かを指示することもなく、スムーズに診療が進められています。

今後、どのようなクリニックをめざしていきたいですか?

小児科の疾患は本当に多岐にわたるので、「うちは専門じゃないから」と言うのではなく、ある程度幅広く対応していきたいと思っています。特に私が専門としてきた小児神経分野については、知識も経験もありますので、しっかりと受け入れていきたいですね。今は一般小児科としての風邪などの診療が主ですが、子どもの問題は、どこにかかればいいのか本当にわからないことが多いんです。だから「とにかく小児科に来たらいいんだよ」と言えるような、そんなクリニックにしていきたいと考えています。育児相談も外来の中で対応していますし、学校の先生と連携することもあります。子どもと家族を総合的にサポートできる存在でありたいですね。

地域の方々へメッセージをお願いします。

利川寛実院長 としかわこどもクリニック6

何か子どものことで困ったことがあったら、本当に気軽に来てもらえたらと思います。医療機関はハードルが高いと思われがちですが、私のことを知っている患者さんは気軽に来てくれるんです。些細なことでも、育児の悩みでも、病気のことでも、何か困ったことがあったらとりあえず聞きに来てみようという感じで捉えてもらえたらうれしいです。地域のかかりつけ医として、子どもたちの健康と成長を見守っていきたいと思っています。

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