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寺本 誉男 院長の独自取材記事

寺本医院

(三重郡朝日町/伊勢朝日駅)

最終更新日:2020/03/31

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三重県北部に位置し、自然豊かな三重郡朝日町。中心部にある「寺本医院」は、古くからの住人と新興住宅地に住むファミリーが頼りにする街のホームドクター。1981年に先代が開院、現在は2代目の寺本誉男先生が院長を務める。寺本院長は愛知医科大学病院で呼吸器外科、心臓外科の経験を積み、数多くの総合病院に勤務してきたベテラン医師。同院では一般的な内科や外科の診療はもちろん、不整脈・循環器と整形外科・リウマチを専門とする医師による外来も設ける。幅広いニーズに応えるべく精力的に活動しながらも、自身を「何でも屋」と評する寺本院長。その真意について聞いた。
(取材日2019年6月18日)

専門機関を適切に紹介、フォローに努める

お父さまの代から続く、歴史のあるクリニックだと伺いました。

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1981年に父が開院した当院は今年、ちょうど38年目を迎えたところです。私は1993年に愛知医科大学を卒業、同大学病院の第2外科で研修を経た後、勤務医として働いていました。愛知県や岐阜県の総合病院で手術の腕を磨き、多くの経験を積む毎日。その後多くの病院に勤務し、充実した日々を送っていました。ただいつかは実家に戻り、父の築いた当院を守らなければという思いが心のどこかにあったんですね。そこで2006年、当院に戻り、副院長として働くことを決意。クリニックもリニューアルし、新しく建て替えました。そして、6年前に父から院長を引き継ぎ、現在に至ります。

専門の医師による外来の日が別に設けられているのですね。

毎月第1、第3土曜日は不整脈・循環器、毎月最終土曜日には整形外科・リウマチの専門家が診察しています。ニーズも大きく、専門外来の日は患者さんも多く来院されていますよ。不整脈・循環器に関しては、旧知の愛知医大の専門の先生が担当してくれています。実は以前に不整脈の患者さんが来院した際、こちらの意図が連携先にうまく伝わらなかったケースが多々ありました。その苦い経験から、こちらの要望をうまく伝え、患者さんが最適な治療を受けられるようにするためには、大学病院との連携が不可欠だと考えたのです。幸い後輩とはうまくコミュニケーションが図れているので、安心して任せています。

患者層や主訴について聞かせてください。

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この辺りはもともとは4つあった村が合併してできたところ。その後丘陵地の住宅開発が進み、新しい住人が増えました。白梅や向陽台あたりが新しいエリアです。古くからの住人と、新しい住人が交じり合っているところですから、患者層も幅広いですね。内科や外科まで幅広く診察しますが、私の役割はある意味「何でも屋」。もちろん当院で診察もしますが、専門的な治療が必要なケースも多い。そういった場合に、瞬時に適切な診療を受診できるよう、上手に振り分ける役目を果たしていきたいと考えています。医師が「わからんことはわからん」というのは、普通のことだと思っています。その上で「わかる」ところ、つまり専門性の高い病院を紹介し、その後のフォローをするのがかかりつけ医の仕事だと考えます。

患者と本音で話すことを大切に

診療にあたって心がけていることを教えてください。

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患者さんとは本音で話をしたいということです。だから、医師のトレードマークのような、白衣は着ないようにしています。「医師と話している」という状態は、患者さんがリラックスして話ができる場ではありません。「白衣高血圧症」という言葉もあるくらいです。この言葉はご存じの方も多いかもしれませんが、医師の前に来ると緊張してしまい、普段よりも血圧が高くなってしまう状態を指します。患者さんが必要以上に緊張して、本音を言えなくなってしまっては私も困ってしまいます。ですから診察時に着用するのは、胸にロゴマーク、背中にローマ字表記でクリニック名が入ったポロシャツです。白衣よりも気軽に洗濯できるので、清潔感も保てます。

先生のポリシー、医師として大切にしていることとは。

「患者さんのため」ということをあえて強調はしません。なぜなら、医師が患者さんのために働くのは、当たり前のことだからです。それが仕事なんです。人気ドラマで「私、失敗しないので」という医師が出てきたけれど、あれはフィクションの世界のお話です。そんな当然のことを患者さんに言うわけがないし、失敗されたら困りますよね(笑)。当たり前にやることを当たり前にこなしていれば、「患者さんのため」とあえて言わなくてもいいはずです。そもそもが大前提のことなんですから。そして、医師も患者さんもどちらも人間です。人と人はぶつかり合って、初めて理解しあえるわけだし、逆に合わないことだってありえます。きれいな言葉ばかりだと、本当のところが見えない気がするんですよね。

高齢の患者さんには薬を減らす工夫もされているとか?

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高齢になると、不調を訴える箇所が増えてきます。一方、「ここが痛い、あそこの具合が悪い」と話すことで、安心する方もいらっしゃるんです。問題は、そういう患者さんに対して「とりあえず」薬を出してしまうこと。そして高齢の患者さんは、複数のクリニックにかかっているケースも多い。当院では内科、外科どちらも診察可能になっていますから、他のクリニックへの通院をやめる患者さんもいます。薬をまとめるにあたって、これまで服薬していた内容を聞くのですが、本当に多くて。確認すると、皆さんそろって「処方されたから飲んでいるだけ」と答えるんですね。だから私は、必要最低限に。思い切って少なくするようにしています。

情報だけに頼らず、まずは医師に相談を

例えば咳が止まらない場合、どのタイミングで受診すべきでしょうか。

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咳が止まらないという症状を心配して、インターネットなどで検索する人が少なくありません。「止まらない咳イコール肺がん」のように、悪い情報に偏って判断してしまうのが人間です。でも実際は、初期の肺がんで咳が止まらないケースはそう多くはないのです。初期はむしろ無症状のことが多い。それでも症状を調べて、「私は肺がんに違いない」と思い込んで来院する方が少なくない。世の中にはたくさんの仕事がありますけれど、それぞれが他の人にはまねのできない、専門性のある仕事です。医師の仕事もそうです。専門家である私たちが判断するまで、決めつけるのではなく、できれば私たちに任せてほしいと思うんです。知識や情報だけに頼りすぎて、心配性になってしまっている人が増えたように感じています。

情報過多になってしまっているということでしょうか。

病気そのものについて調べるのは、専門的な知識を持った人でないと、不安やストレスをもたらし、それが病気につながることもあります。そして、病気やその症状が皆に同じく出るとは限りません。食生活や生活スタイルが異なるのに単純に比較はできないからです。診察してみないとわからない。ですから、まずは医師に話を聞きにきてほしいのです。100%答えが出ないかもしれないけれど、ある程度の不安は解消できると思うんです。感染症にしても、メディアではインフルエンザのことばかり取り上げられがちで、偏った伝え方をされることもある。企業でもインフルエンザなら出勤停止が当たり前になりつつありますが、他にも感染力の強い病気はたくさんあるのです。情報は使い方によって、メリットもデメリットもあるということをもっと知ってほしいと考えています。

今後の展望、読者へのメッセージを。

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これからも「医者らしくない」医師でありたいと思っています。患者さんを笑って帰してあげたいという気持ちは強くあります。結局は人と人、ぶつかることもあると思うんですね。けれども、医師を信用して、ついてきてくれたらと思っています。イメージは「昭和の医師」でしょうか。今より情報も少なく、機器やツールも少ない中で信念を持って患者を救うことに専念した医師がたくさんいた時代。人と人としてぶつかり合うことで、医師と患者の信頼関係が築かれると思うんです。実際父も、医師として患者さんと時には衝突したこともあったと聞いています。それでも、プロとしての矜持を貫いていました。もしかしたら誤解されることもあるかもしれませんが、私を信頼してついてきてくれたらうれしいですね。

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