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木村 哲郎 院長の独自取材記事

木村耳鼻いんこう科

(桑名市/星川駅)

最終更新日:2019/07/16

20190712 bana

桑名駅から車で15分ほど、住宅が立ち並ぶ広い通り沿いに「木村耳鼻いんこう科」はある。落ち着いたベージュのたたずまいのクリニックで、中に入ると温かみのある照明に黄色のソファー。キッズスペースもあり、アクアリウムが癒やしの雰囲気を演出している。木村哲郎院長は「来てくださった患者さんに、何か一つでも得てもらい、来て良かったと思っていただければ」と穏やかに語る。耳鼻咽喉科の医師だった父の背中を見て育ち、自身も「内科的治療から外科的治療まですべて診られるところが魅力」と同じ科の医師になった。地域に根づき、近隣の内科や小児科との連携体制がしっかりしていることも強み。誰もが来やすい身近なクリニックをめざす木村院長に、診療姿勢や今後の展望などを聞いた。
(取材日2019年6月25日)

父の医院を引き継ぎ、地域の患者を中心に診る

開業の経緯について教えてください。

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当院は、亡くなった父が、1973年に桑名駅前のビルで耳鼻咽喉科を開業したのが始まりです。耳鼻科医院が少ない時代で、子どもの頃に遊びに行くと、大勢の患者さんがいたことを覚えています。私が勤務医をしていた頃に閉院し、数年の休止期間を経て、2004年、新たに私がこの場所で開業した次第です。医院名も看板の緑色も、父の時代と同じにしています。たまに「お父さんに診てもらっていたよ」という患者さんが来てくださることもあるので、そういう方には懐かしく感じていただけるのではないでしょうか。父については「厳しい先生だった」とおっしゃいますね(笑)。

こちらはソファーの色も優しく、院内も広いですね。患者さんはどのような方々が来られていますか?

院内は、患者さんにくつろいでいただけるように明るくしたくて、設計士さんにアドバイスしてもらいました。開業した2004年当時は、周りに住宅が増え始めた頃で、近くの小学校は市内でも特に児童数が多い学校だったので、当院もたくさんのお子さんが来てにぎやかでした。現在もお子さんには来ていただいていますが、高齢の方が増えてきたという印象です。ここは私の地元ですので、同級生や小中学校時代の先生が来てくださることもあり、ありがたいですね。

どんな症状で来られているのでしょうか?

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お子さんは鼻風邪、耳掃除、中耳炎、アレルギー性鼻炎など。赤ちゃんだと、よく耳を触るから中耳炎ではないかとお母さんが連れて来られることもあります。高齢の方は、難聴や耳掃除、補聴器の相談が多いですね。春は花粉症の患者さんが増えます。お子さんではプール前の学校健診で指摘され、耳掃除をしたら中耳炎があったということも。高齢の方では、「耳垢が詰まっているから聞こえないのではないか」と来られて、掃除後、聴力検査をすることもあります。耳垢は、よほどガチガチに固まらない限り、特に問題はないのですが、自分で掃除して逆に押し込んでしまったり、耳の中を傷つけてしまったりすることが心配です。耳垢栓塞(じこうせんそく)という状態ですので、どなたでも気軽に来ていただければと思います。掃除の頻度はたいてい3ヵ月に1度ですが、人によってたまり具合が違うので、次はいつ掃除すればよいのか一人ひとりにお伝えしています。

「来て良かった」と思ってもらえる診療を

先生が得意とされている治療は何ですか?

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最近ですと、数年前からスギ花粉舌下免疫療法を始めています。ただ、1年の治療で十分な方もいれば、3~5年続けても変化につながらない方もおられます。ですので、こちらから積極的に勧めてはいないのですが、希望される患者さんにはきちんと説明しています。自宅で薬を服用する治療ですので、軽い気持ちではなく、「絶対治そう!」という意志を持った方に向いているかもしれませんね。ほかに、検査設備では内視鏡を新しくしましたので、より鮮明な画像で診断できるようになりました。学校の先生など普段大きな声を出す方や、喉が詰まる感じがするという方に対し、喉頭がんなど腫瘍を見つけるのに役立ちます。挿入する管は非常に細く、小児用では径が1ミリメートルほど。大人でも敏感な方に適用できます。検査時間は1分前後です。

先生は医学博士でいらっしゃいますが、三重大学大学院ではどんな研究をされていたのですか?

主に副鼻腔炎の研究に携わっていました。手術で腺細胞を取り、それを培養して上皮粘膜に再生するかどうかを研究していたんです。初期の状態の細胞から鼻の腺細胞にどのように分化していくかを調べる実験をしていたわけです。また炎症性の副鼻腔炎では鼻茸(はなたけ)というポリープ状のものができるのですが、そのメカニズムを調べて、副鼻腔炎の治療の可能性を追求していました。その時の経験は今の診療にも大いに役立っていると思います。現在、副鼻腔炎は、急性の一過性のものであれば薬で治療できますが、難治性だと病院へ紹介し、手術になる場合もあります。手術後は、また通院していただき、症状に応じて薬や吸入器での治療を続けます。

診療で心がけておられることを教えてください。

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患者さんは、来られる目的がそれぞれ違いますので、それが何かをまず見極めることを大事にしています。病気を見つけてほしい方、あるいは異常がないと言ってほしい方、薬を出してほしい方、薬は飲みたくない方など、初診で見極めるのはなかなか難しいのですが、できるだけ対話の中でくみ取り、その方に合った、その方の望む診療をしたいと思っています。患者さんへの接し方については病院勤務医時代に、上司の先生の診療姿勢からいろいろ学ばせていただきました。その時から念頭に置いているのは、せっかく来てくださった患者さんに、何か一つでも得て帰っていただきたい、ということです。「来て良かった」と思っていただけるような診療を心がけています。

地域に根づき、患者のために近隣の内科とも連携

スタッフの方々についても教えてください。

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お子さんの診察では、耳や鼻など特に小さな部位を診ることになりますので、けがをさせないように十分気をつけていますが、中には泣いたり暴れたりするお子さんもいます。そんなときはスタッフに随分助けられていますね。当院の新人スタッフが覚えるのは、まずお子さんへの介助の仕方。それがとても大事なことだからです。体を押さえざるを得ないときも、力加減や声のかけ方などに配慮しています。スタッフたちは自発的に「こうしたほうが良い」といろいろ考えてマニュアルのようなものを作っており、私が意見を求められて答えることもありますね。患者さんへの接し方などもより良くする努力をしてくれています。診察室には、スタッフ手作りの折り紙の人気キャラクターがたくさん貼ってあり、そんな心遣いもうれしいですね。

子どもに鼻水の症状があるとき、小児科に行くか耳鼻科に行くか迷います。

鼻水だけでしたら耳鼻科でもいいのですが、ぐったりしているとか、熱があるなどほかの症状があれば小児科に行かれると良いかと思います。近隣の小児科の先生によくしていただいていますので、当院から患者さんを紹介したり、逆に小児科から「耳も診てほしい」と言われたり、まめに紹介し合っていますよ。小児科で薬をもらいつつ、当院で鼻や耳の処置をしているお子さんも多くいらっしゃいます。どの医院も紹介し合うと思いますので、行きやすいほうに行っていただければと思います。私は昔、自分の子を小児科に連れていった時のご縁だったり、学会で出会ったりで顔見知りになった先生も多いですね。同じ頃に開業した先生方とは、それぞれ科は違うのですが、2ヵ月に1回、10人ほどで集まって勉強会をしています。そうした医師の連携も、地域にあっては重要だと思っています。

これまでを振り返り、今後についてもお聞かせください。

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多くの患者さんを診てきて、やはりお礼の言葉をいただいた時にはうれしく、あらためてやりがいを感じます。かつて私が病院で手術を担当した患者さんで、今も四日市から来てくださる方がいらっしゃるんですよ。また、街でばったり出会ったときに、「先生、喉、良くなりました」と口をぱかっと開けて見せてくれた方もおられました。そんなふうに親しんでいただけて、地域に密着した医院としてこれからも存在していければ。今後ますます高齢の方が増えてきますので、高齢の方に合った治療にも力を入れていきたいです。例えば補聴器は、試して使い方を練習することも大事ですので、いずれ補聴器についてじっくりご相談に乗る時間もできたら、と考えています。

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