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柳瀬 幸子 院長の独自取材記事

ヤナセクリニック

(津市/津新町駅)

最終更新日:2020/03/31

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三重県津市の中心部から車で南東に約10分。南国の雰囲気漂うフェニックス通り沿いに立つ医療モール、フェニックスメディカルセンター内に「ヤナセクリニック」はある。院長を務めるのは優しく穏やかな笑顔が印象的な柳瀬幸子先生。「女性のかかりつけ医」をめざして、20年以上にわたり地域に根差した診療を続けてきたベテランドクター。産科の診療では「良いお産、楽しく子育て」をモットーに掲げ、出産後の子育て支援にも注力。地域の病院や行政と連携しながら、安心して妊娠・出産・子育てができるようにサポート。一人ひとりの患者に常にこまやかに寄り添う柳瀬院長に、診療にかける思いを語ってもらった。
(取材日2019年8月1日)

患者とその家族を理解し、信頼関係を築いていく

先生が医師を志されたきっかけを教えていただけますか?

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医師になろうと思ったのは、私の父も医師だったことからです。女性が働き続けるのには良い職業だと父からアドバイスをもらい、同じ医学の道をめざしました。とはいえ、当時は女性の医師がまだまだ少なかったので、そういう環境の中で「女性であるということを生かせる科は何だろう」と考えた時に、産婦人科が良いのではと思いました。出産といううれしい部分に関われるだけでなく、女性の一生を診られるというのも魅力的でした。このクリニックを開業しようと思ったのも、自分の患者さんとずっと関わっていきたいという思いが強かったからです。例えば、総合病院などでは出産が終わると私の役目もそれでおしまいですが、開業医であれば妊娠前から出産後も一貫してサポートすることができます。そういう思いもあって、義父がここで開業していた「柳瀬病院」という産婦人科を医療ビルに建て替える時に、テナントとして入るというかたちで開院しました。

クリニックの強みは何だと思いますか?

妊娠から出産までを同じ先生に診てもらえるということではないでしょうか。大きな病院だと健診と出産が別の先生になってしまうことも多いので、なかなかそういうわけにはいきません。医療という部分では安心感があっても、自分自身のことをきちんとわかってくれているのだろうかと不安を感じる患者さんも多いです。その点、当院では患者さんがどういう人なのかということをきちんと理解して私もスタッフも関わることができていると思います。1人目を当院で出産し、2人目も再びここでという方が多いのも当院の特徴で、患者さん本人だけでなくご家族のことも知っているので、患者さんにとって安心感につながるのではないかと思っています。

設備面でのこだわりはありますか?

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上のお子さんも含めて家族全員でお産に立ち会いたいという方のために、和室の部屋を設けました。通常の分娩台での出産では高さがあるので、どうしても上のお子さんとお母さんとの距離ができてしまいます。畳の部屋であれば、お兄ちゃんやお姉ちゃんもお母さんのそばにいられ、ご主人に支えてもらいながら出産をすることができます。もちろん、選択するのは患者さん自身で、家族と近いかたちでお産に臨みたいという方に利用してもらっています。親御さんの中には、立ち会わせたことを正解だったのか悩む方もいるのですが、子どもというのは意外と出産を間近で見ることで、自分がどうやって生まれてきたのかを素直に理解するものです。年齢が上のお子さんの中には、お母さんのお世話をしている子もいるんです。家族みんなで赤ちゃんを迎えられたという満足感から、和室でのお産を良かったという方は多いです。

患者一人ひとりの人生に丁寧に寄り添い見守る

先生が日々の診療で大切にしていることは何ですか?

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良いお産にすることはもちろんですが、その後の子育てを「孤独にさせない」ということです。これは勤務医時代からずっと考えていたことなのですが、総合病院では出産とその後の1ヵ月健診が終われば、その後そのお母さんがどうしているのかということまではわかりません。でも実際に出産をした方に聞いてみると、結構育児が大変だったという話が多かったです。相談をしたいけれど、誰に相談をしたら良いのかわからずに一人で苦しんでいる方が少しでも減るように、そういうところもしっかりとサポートしていきたいと思っていました。今、産婦人科では「妊娠・出産・子育ての途切れない支援」というものを大切にしていて、当院も「良いお産、楽しく子育て」をモットーにしています。スタッフもそういう部分を大切に考えてくれているので、なるべく地域に根差しながら途切れなく関わっていきたいと思っています。

地域のクリニックならではの役割は何だと思いますか?

私たちのクリニックでは、いわゆるハイリスクという医療的に高度なものには対応できません。「普通」と言われている妊婦さんの中にもいろいろな悩みを持っている方は多いです。そこをケアしていくのが私たちの役割だと思っています。医療的に高度なことができなくても、ちょっとした悩みや不安に寄り添って出産に前向きになれるようにサポートをしたり、陣痛時に腰をさすってあげたり、そばについているだけでも患者さんの安心につながるのです。そういうこまやかなお産のお手伝いをしていきたいと思っています。

これまでに印象に残った患者さんはいますか?

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当院で里帰り出産をされた女性の赤ちゃんがダウン症だったということがありました。不妊治療の末に授かった赤ちゃんだったので、当初ご主人はその事実をどうしても受け入れることができなくて、お子さんと向き合えないまま退院をしてしまったことがありました。私はその家族のことがずっと気になっていたのですが、2年ほどたった頃にその女性が訪ねてきてくれて。小児科の先生などからいろいろなアドバイスをもらって、以前は仕事人間だったご主人が今ではたいへんな子煩悩になって、家族で幸せに暮らしていることを教えてくれました。赤ちゃんという存在を通して親が変わっていくという部分を見させてもらい、私自身にとっても大切な経験となりました。

安心して出産や子育てができる環境づくりに注力

病院との連携についてお聞かせください。

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三重大学医学部附属病院や三重中央医療センターといった三重県の周産期医療を担う医療機関と連携をしています。こういった医療機関ではハイリスク出産や帝王切開などがほとんどなので、そこで働いている助産師が正常な分娩の経験を積めないということで、2年ほど前からこれらの病院の助産師さんが当院に手伝いに来てくれて、反対に当院の助産師が向こうに勉強に行っています。これは三重県が行っている「助産師出向制度」というものなのですが、この取り組みのおかげで、地域の病院との連携もうまくいっています。

地域の行政と連携した子育て支援にも力を入れているそうですね。

地域の中には「特定妊婦」と呼ばれる経済的な問題や精神疾患などさまざまな問題を抱えた妊婦さんがたくさんいます。例えば、医療的なハイリスクであれば周産母子センターなどが引き受けてくれますが、医療以外の面に関しては出産後も継続して見守ることが大切だと思っています。とはいえ、退院して地域に戻っていった後に、その方の家を私たちが訪ねていくことは難しいので、その場合には地域の保健師さんにお願いして訪問していただいています。お母さんの様子で気になることがあれば当院の助産師から保健師さんに連絡したり、年2回は地域の保健師さんと産後ケアをしている施設とのネットワーク会議を行ったりもしています。行政としっかり連携をすることで、産後のお母さんが安心して地域に戻り、不安なく子育てができるようにサポートしていけたらと思っています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

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悩んでいたり困っていたりする時、インターネットなどで情報を探す方も多いと思いますが、インターネットに書かれている言葉というのはその方に向けて書かれているものではなく、あくまでも一般的なことについて書かれています。いろいろ調べているうちに特定の病名を目にして「もしかして自分もそうなのでは」と不安になっている方も少なくありません。そのように自分の体のことで正常なのか異常なのかわからないことがあったり、いろいろな不安を抱えたりしているときには、一人で思い悩まずに、気軽にクリニックを利用していただけたらと思います。

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