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西山 幸江 院長の独自取材記事

西山産婦人科

(津市/津駅)

最終更新日:2019/08/28

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全国で成功例が報告される中、三重県でも1990年に体外受精による新生児出産に成功した「西山産婦人科」。1984年の開院以来、県内で先駆的に分娩や不妊治療を行ってきた西山幸男前院長を継ぎ、2017年に西山幸江先生が院長に就任。津駅徒歩5分の地に新築移転した。前院長が大事にしてきた安全・安心のモットーを守り、日本生殖医学会認定生殖医療専門医として不妊治療に臨む一方、藤田保健衛生大学分子遺伝学教室大学院で研究を深めた遺伝子解析の知識を生かし「日本人類遺伝学会認定の臨床遺伝専門医としても対応します」と話す。「不妊期間が3ヵ月でも、子どもができずにお悩みであれば気軽に来院してほしい」と、わが子を抱きたいと願う夫婦の良き相談相手として尽力する院長に話を聞いた。
(取材日2018年8月30日)

培養室の環境や新たな機器を整えて不妊治療に注力

新施設に移転され、内装もすてきですね。

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昨年6月に津市栗真中山町の旧病院から今の場所に移り「ホテルのロビーのよう」などと言ってもらえることもあるのがうれしいです。品の良い病院にしたいと願って、内装や家具にもこだわりました。不妊治療はどうしても通院の回数が多く、場合によっては毎日通わなければいけないこともありますので、できる限り居心地良くリラックスできる場にしたかったのです。津駅から近く交通の便も良いので、患者さまは津市内はもちろん四日市や松坂、尾鷲などの三重県内はじめ、他県からもお越しになっています。車で来られる方のため23台の駐車スペースも用意しています。

治療設備にもこだわったのですか?

妊娠の成功率を高めたいので、設備への投資は積極的に行っています。例えば培養室だけでもかなり力を入れています。前の病院にも培養室はもちろんあったのですが、移転後は培養室全体を「クリーンルーム」とすることによりさらに清浄度の高い環境を整えました。また、良い機械を入れることは、当院のモットーである「安全・安心の実現」にも結びつきます。超音波診断装置(超音波エコーの機械)や各種モニターも異変の見逃しのないよう、より良いものに入れ替えています。とりわけ新型の超音波診断装置を入れたことにより赤ちゃんがクリアに見えるのはもちろんですが、子宮や卵巣さらに腸や血管までもが実にクリアに見えるので、子宮外妊娠の診断もしやすくなったとともに体外受精に伴う処置にも威力を発揮してくれています。女性の健康を守るための安全に配慮した医療を第一に考えています。

こちらではどのような治療を受けられますか?

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タイミング法および人工授精の一般不妊治療、体外受精および顕微授精の生殖補助医療を行っています。初めての患者さまがいらしたら、まずは不妊の原因を調べることから始め、結果を踏まえて治療方針を決めていきます。原因がはっきりわかって体外受精や顕微授精が必要な方もいれば、年齢が若く原因不明でタイミング法からステップアップしていく方も。ご自身の考え方を聞きながら、妊娠成立に最適と思う方法を助言して相談しています。体外受精に進む場合は、月に1度開催している説明会に夫婦そろって参加してもらっています。大きな決断ですのでしっかりと説明を聞いていただき、終了後には個人面談を行ってご夫婦の意志を伺っています。

低刺激法で採卵するのは女性の健康を守るため

体外受精での卵巣刺激について教えてください。

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卵巣過剰刺激症候群を避けるため、必要最小限の排卵促進剤による低刺激法をとっています。まず卵巣刺激について説明します。自然周期で育つ卵胞は1つで、中には1つの卵子が入っています。ところが、生理後早い段階で投薬することで複数の卵胞を育て、卵子を回収することが期待できます。卵子を複数取れれば良いものを選ぶことができますし、凍結して次回に使うストックにすることもできます。ただし、卵子をたくさん取ろうとして排卵促進剤の量を増やすと、副作用の危険が高まります。

どのような副作用が懸念されますか?

卵巣過剰刺激症候群といって、卵巣が腫れて腹水がたまったり血栓症になったりと非常に怖い副作用が考えられます。私たちがめざすのは妊娠ですが、その先には出産と長く続く育児があります。不妊治療で女性の健康を損なうことがあってはなりません。ですから当院では体への負担が少ないよう最小限の薬で採卵しています。少数の卵子で勝負するだけに、妊娠の確率を上げるための設備投資は惜しみませんし、培養士も積極的に学会や他施設で学びながら技術の向上に努めています。

では先生が治療の中で大切にされていることはどのようなことでしょう?

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まずは何よりも「女性の健康を守るための安全に配慮した医療」を第一に考えています。前院長の時代からの当院の理念「安心・安全」をこれからも守っていきたいです。もう一つ、前院長から受け継いだ姿勢として「患者さまの目線に合わせた診療」を心がけて、決して上から目線にならないことを注意しています。そうして少しでも頼ってきてくれる方がいるならば、微力でも力のかぎり力になりたい、少しでも妊娠に早くたどりつける方法で手助けしたいという気持ちで患者さまと向き合っています。

不妊治療はつらい気持ちも乗り越えていくことも多いです。

そうですね、精神的に疲れてしまうことはあると思います。生理が来るたびに落ち込んでしまう方は少なくありません。患者さまがつらいときには、その気持ちに寄り添いたいと思いますし、また頑張りましょうと励ますこともあります。旦那さまとの関係も大事ですね。夫婦2人で治療に向かえるように寄り添うことも私の仕事です。相談しやすさ、話しやすさは大事にしていて、看護師、事務員含めて患者さまと一緒に妊娠に向けて取り組んでいこうと思います。スタッフの中には1984年の開業当時から30年以上勤めている人もいてくれます。患者さまから見ればお母さんのような年齢ですよね。その年代だからできる心遣いもあるなと感じる場面は多いです。

流産を繰り返す不育症のケアも行っていきたい

医師をめざされたのはやはりお父さまの影響ですか?

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ええ、保育園の頃にはすでに「お医者さんになる」と言っていたのを覚えています。当時父は三重大学に勤めて不妊症を専門とする外来を担当していて、私が小学校1年生の時に開業しました。その後1990年に体外受精の赤ちゃん、1994年に凍結胚移植による赤ちゃんと顕微授精による赤ちゃんの誕生に成功しました。父の姿を見て、私も医者になるなら産婦人科だと思っていました。医学部を卒業してからはたくさん勉強して早く帰ってこようと、東京の聖路加国際病院や名古屋第二赤十字病院での研修医を経て、シドニーの病院や藤田保健衛生大学病院でも学びました。父は地域の生殖医療に率先して取り組んできた存在なのでプレッシャーではあるのですが、背中を追いかけてまっしぐらですね。この道に進むことに迷うことは何もなかったです。

今後より尽力したいことを教えてください。

不育症や流産を繰り返す人のケアをしていきたいです。残念ながら流産した後すぐに次の自然妊娠ができるとは限らないのですが、期間が空いてしまうとその分歳を重ねて妊娠しやすさが下がってしまいます。ですので、不育症の検査で原因を探った上で、私たちの知識や技術を活用して治療を進めることで次の妊娠につなげ、流産しないようなサポートをしていきたいです。それで卒業していってくれるとうれしいですね。あとは両親のどちらかに病気の素因があると、流産をくり返したり、生まれたお子さまがすぐ亡くなってしまうケースがあります。日本人類遺伝学会の臨床遺伝専門医として、着床前診断にも力を入れていきたいと思っています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

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不妊に悩む皆さまに気軽に来てもらいたいです。日本生殖医学会の定義では、不妊とは1年以上赤ちゃんを授からないこととされていますが、結婚年齢次第ではたとえ3ヵ月でも来ていただければと思っています。子どもが欲しいと望む人にとって、期間が短くても悩みであることに違いはありませんから、まずはご相談ください。お仕事している方は不妊治療と両立できるか心配かもしれませんが、時間ぎりぎりまでお待ちしていますので18時半までに来ていただけたら大丈夫です。また、2人目不妊の方だと3階のキッズスペースでお子さまをあやしながら待っておられる方もいますよ。いろいろな状況の患者さまがいらっしゃると思いますが、少しでも気軽にご来院いただけるようにこれからもサポートを続けていきます。

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