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金子 佳史 院長の独自取材記事

三ケ根クリニック

(額田郡幸田町/三ケ根駅)

最終更新日:2025/07/02

金子佳史院長 三ケ根クリニック main

開院から40年にわたり、地域のかかりつけ医として信頼を集めてきた「三ケ根クリニック」。長年親しまれてきた坂の上から平地へ200メートル移転し、2024年9月より新しいクリニックでの診療を開始した。2012年に、先代院長である父の後を継ぎ、院長に就任した金子佳史(よしぶみ)先生。一般内科から小児科、専門分野である消化器内科・内視鏡内科、さらに在宅医療に至るまで幅広く対応し、地域住民の健康を高齢者からひ孫世代まで支え続けている。「患者さんとの信頼関係の中で得られる喜びは、何ものにも代えがたいですね」と、笑みを浮かべながら語る金子院長。新たに生まれ変わったクリニックのこだわりや診療への想い、そして地域医療における今後の展望について、たっぷりと話を聞いた。

(取材日2025年5月13日)

地域のかかりつけ医として「困った時に頼れる存在に」

このたび、歴史あるクリニックを移転されたとお聞きしました。

金子佳史院長 三ケ根クリニック1

当院はもともと1985年に父が開院したクリニックから始まりました。2011年に父が病を患い、私はそれをきっかけに実家へ戻り、翌年1月から院長を引き継ぐことになりました。今回の移転は、建物の老朽化に加えて、診療スタイルの変化が大きな理由です。特に、新型コロナウイルスの流行以降、駐車場や動線の見直しが必要となり、元の場所での改修では限界がありました。幸い、旧クリニックから200メートルほどの近くに良い場所が見つかり、診療を続けながら無事に新築移転することができました。2024年9月からは新しいクリニックで診療をスタートし、地域の皆さんにより快適な環境で医療をお届けできるようになったと思います。

すてきなクリニックですね。こだわりをお聞かせください。

設計のこだわりは「極力シンプルに」という点です。外観も内装も、直線と四角を基調とした無駄のないデザインにしました。動線もできるだけシンプルにし、待合から診察室まで直線的につながるレイアウトにしています。旧クリニックの頃からかなえたかったのが、駐車場の大きな雨よけです。バリアフリーで駐車場から玄関へとスムーズに移動でき、雨の日でも濡れずにご来院いただけます。また、土地も南向きの真四角という理想的な形で、採光にも恵まれている点も気に入っています。地元でいくつか候補地を探した中で、最終的には複数の地権者の方々が快くご協力くださり、移転がスムーズに進みました。皆さんが当院を信頼してくださったことに、心から感謝しています。

改めて、クリニックの特徴をお聞かせいただけますか?

金子佳史院長 三ケ根クリニック2

当院は「地域に根差したかかりつけ医」として、風邪や腹痛、生活習慣病、予防接種などさまざまな疾患に幅広く対応しております。地域柄、ご高齢の方が多いですが、小児科の診療や学童期のお子さんの受診も多く、年齢に偏りなく地域の皆さんにご利用いただいています。また、私は消化器内科を専門としているため、内視鏡や超音波などの検査体制も充実させています。加えて、院長就任当初から力を入れている在宅医療では、通院が困難になった患者さんを対象にご自宅での診療も積極的に行っています。発熱者専用の外来や感染症対応も継続しており、地域の皆さんにとって「困ったときに頼れる存在」でありたいという思いを胸に、日々診療にあたっています。

迅速な内視鏡検査で、不安な日々をできる限り少なく

消化器内科がご専門とのことですが、貴院ならではの強みを教えてください。

金子佳史院長 三ケ根クリニック3

日本消化器病学会消化器病専門医および日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医としての経験を生かし、腹痛や胃腸の不調など、消化器全般の症状に専門的な視点で診断と治療ができることが強みではないでしょうか。中には、炎症性腸疾患など指定難病の患者さんも来院されています。当院では、胃や大腸の内視鏡検査はもちろん、大腸ポリープの切除などの処置も院内で行える体制を整えています。また、日本肝臓学会肝臓専門医として、脂肪肝やウイルス性肝炎といった肝疾患の診療にも力を入れており、超音波検査やエラストグラフィーといった専門的な検査も実施しています。

内視鏡検査は専用の時間を設けているのですか?

当院では、胃の内視鏡は午前中の外来の合間に、大腸は検査専用の時間に実施し、できるだけお待たせしないよう配慮しています。タイミングが合えば、翌日や翌週など早期の対応も可能です。総合病院のように紹介状や予約の手間が少なく、また普段から通っているクリニックで迅速に検査を受けられるのは、地域に根差したクリニックならではの強みかもしれませんね。人間ドックや検診などの二次検査で来られる方の多くは不安を抱えていらっしゃいます。ですので、できるだけ早く結果がわかり、必要な治療につなげられることは大きなメリットだと感じています。日帰りのポリープ切除や投薬治療などは当院で対応し、症例によっては近隣の医療機関と連携して紹介も行っています。

日々の診療の中で心がけていることや診療方針をお聞かせください。

金子佳史院長 三ケ根クリニック4

患者さんは、何かしら不安や悩みを抱えて受診されることが多いと思います。そのため、私自身が感じている問題意識と患者さんご自身が感じている「困り事」がきちんと一致しているかを常に意識しながら診療にあたっています。そこにずれがあると、治療方針にも影響してしまいますので、患者さんのお気持ちやご希望をできるだけくみ取れるよう、丁寧にお話を伺うようにしています。また、どんな症状の方でも基本的にはお断りすることなく、まずはしっかりとお話を伺うことを大切にしています。もちろん、専門的な検査や治療が必要な場合は、速やかに適切な医療機関にご紹介しています。地域のかかりつけ医として、安心して相談していただける存在でありたいと思っています。

顔の見える関係の中で続いていく、地域医療の大切さ

在宅医療もなさっているということで、お付き合いの長い患者さんも多いのでしょうか?

金子佳史院長 三ケ根クリニック5

そうですね、在宅医療では、長年通院されていた患者さんがそのままご自宅で療養され、最期まで寄り添わせていただくことも少なくありません。地域密着の診療をしているため、私が子どもの頃から知っている方やご近所の方、同級生の親御さんなど、顔の見える関係の中で医療を行っているのが特徴です。在宅ではご本人やご家族の不安や希望を丁寧に受け止めることを大切にしており、訪問時は時間が許す限りしっかりお話を伺うように心がけています。突然の痛みや食事が取れないなど、日々の細かな変化に対しても柔軟に対応できるように努めています。そして、最も大切なことは患者さんやご家族のお気持ちだと思っています。私の考える医療の方向性が患者さんやご家族と一致しているかどうかを常に意識しながら診療にあたるように心がけています。

医師としてやりがいを感じるのはどんな時ですか?

一番のやりがいは、患者さんやご家族から「ありがとう」と感謝の言葉をいただけた時ですね。もちろん、お叱りの言葉をいただくこともありますが、医師という職業は、それだけ責任が大きい仕事であると思っています。その中でも「先生で良かった」と言っていただけると、やはり励みになりますし、気持ちも前向きになりますね。忙しい日々の中でも、その一言が明日への力になりますね。患者さんとの信頼関係の中で得られる喜びは、何ものにも代えがたいものだと感じています。

最後に、今後の展望も含めて読者へメッセージをお願いします。

金子佳史院長 三ケ根クリニック6

今後については、医師を増やすとか、事業を拡大するというよりも、この地域で持続可能な医療体制を築いていくことを大切にしたいと思っています。私がいなくなったら終わってしまうような形ではなく、信頼できる次の世代にきちんと引き継いでいけるような仕組みづくりを考えていきたいですね。地域医療は、一度リセットされてしまうと、次に整うまでに時間がかかってしまいます。だからこそ、継続性のある医療をめざしたいと思っています。そして、健康のことで何か少しでも不安なことがあれば、どんなことでも気軽にご相談いただけるような、そんな身近なクリニックであり続けたいと考えています。

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