祖父江 康司 院長の独自取材記事
そぶえ整形外科弥富
(弥富市/近鉄弥富駅)
最終更新日:2025/08/27

2025年5月にリニューアル開業した「そぶえ整形外科弥富」。外観を生かしながら内装を大幅にリフォームし、レンガ調と木目調を取り入れた温かみのある院内に生まれ変わった。さらに、リハビリテーション室のウォーターベッドと施術用ベッドを増床。急性期から慢性期まで、これまで以上に患者の痛みに対応できるクリニックになった。先代院長の祖父江直久先生が開業して30年の節目に、祖父江康司(やすもり)先生が継承。クリニック名に地名を入れ、「弥富の整形外科といえば、そぶえ」をめざし、直久先生とともに診療している。実は、祖父江院長も長年肩凝りに悩まされているとか。患者の痛みに共感しながら、さまざまなアプローチで痛み解消と患者の笑顔を追求している祖父江院長に、リニューアル内容や診療方針、今後の展望について聞いた。
(取材日2025年7月28日)
院内を一新し、より弥富に根差したクリニックへ
クリニックを継承とリニューアルされた経緯を教えてください。

父である先代院長が開業して30年の節目にクリニックを継承し、リニューアルしました。父が開業したのは44歳、私も今年44歳になったこともあり、節目が重なった気がしてこのタイミングで受け継ぐことにしたのです。これまでのクリニック名「そぶえ整形外科」に地名の弥富を入れたのは、私の弟が東京都日野市で開業した「そぶえ整形外科日野」と区別するためです。「地域に根差したクリニックにしていこう」という決意も込めています。これから弥富市の皆さんのために、医療で貢献していきたいですね。現在は父が金曜と土曜、それ以外の診療日を私が担当しています。私にとっては、長く通われている患者さんも「初めまして」の方ばかり。これから関係性を築いていきたいと思います。
リニューアルでこだわったことはありますか?
玄関に屋根をつけ、雨の日でも車からぬれずに乗り降りできるようにしました。その他には内装を大幅にリフォームし、広々とした開放的な空間になったと思います。バリアフリーで車いすでも楽に移動ができますので、患者さんからは「すごく広くなったね」と褒めていただきました。デザインは建築士にお願いしたのですが、レンガ調と木目調を取り入れたデザインが理想どおりで気に入っています。廊下の壁には、リニューアル開業のお祝いにいただいた印象派絵画を飾っています。この絵を描いたフランスの画家は、関節リウマチを患いながらも作品を描き続けた画家。私がリウマチを専門としていることもあり、お祝いに贈ってくれました。また、リハビリテーション室のベッドを増やし、より多くの患者さんが施術を受けられるようにしました。
リハビリテーションの設備を強化されたのですね。設備や施術について教えてください。

リハビリテーション室には、ウォーターベッドや温熱低周波治療器などを備え、温熱療法と運動療法を行えるようにしています。リハビリテーションに通われる患者さんが多いため、リニューアルを機にベッド数を増やし、一度に多数の患者さんに対応できるようにもしました。患者さんには、わかりやすいようにパンフレットをお渡ししたり、ご自宅で実践できる運動療法をお伝えしています。症状が長引く場合は、痛みの変化を見極めながら超音波検査やエックス線検査などを再度行い、治療方法を見直しています。
急性期~慢性期まで、気軽に相談できる診療がモットー
どのような患者さんが訪れていますか? 診療内容も教えてください。

スポーツ中や日常生活でのケガ、骨折などの急性期治療から、ひざや腰、肩の痛み、関節リウマチなどの慢性期疾患の治療まで、幅広い世代の患者さんが受診されています。お子さんのケガや交通事故、仕事中の事故によるケガで訪れる方が多いですね。周辺の工場で働く外国の方や、福祉施設に入居している方も昔から当院を利用されています。変形性関節症やスポーツによる外傷、交通事故後のフォローアップ、ロコモティブシンドロームの予防など、さまざまな診療に対応可能です。診察については予約制ではなく順番制ですので、気になる症状や痛みがあれば、いつでもご相談ください。リニューアル前から働くベテランスタッフと連携し、スムーズに診察できるよう努めています。
診療の際に大切にされていることや診療方針をお聞かせください。
「気軽に相談できる整形外科」がモットーです。クリニックや病院には、なかなか入りづらいですよね。痛みを我慢してしまう方も少なくないと思います。気軽に相談してほしいという思いは、先代院長である父の方針でもあります。当院では、このモットーを達成するために、5つの基本方針を掲げています。その中でも1番目に挙げているのが、「親切・丁寧な診療をめざし、患者さま一人ひとりに向かい合って診療いたします」。これも父が大切にしていることであり、私も受け継いでいきたいことの1つです。痛みは変化するもの。最初はひざの痛みで受診したとしても、時間がたつと腰や足の付け根に痛みが出ることもあります。同じ治療をし続けるのではなく、患者さんに症状を確認しながら、変化に応じて丁寧に対応するよう心がけています。5つの診療方針は診察室前の廊下に掲示し、いつでも見られるようにしています。
継承されるまでは、どのような診療に携わっていたのでしょうか?

名古屋大学では、リウマチを専門に学んできました。その後、日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院に勤務し、専門のリウマチの治療や整形外科全般の治療に携わりました。また、大学時代は、開業された先生のもとでアルバイトをしていましたので、病院とクリニックの違いを実感も同じくすることができました。病院の場合、急性期の治療は入院となりますが、通院となると「次の受診はまた明日」というわけにはいかず、状態にもよりますが数週間~1ヵ月後というケースもあります。一方、クリニックの場合、患者さんによっては毎日受診されますので、患者さんも症状の変化がわかりやすく、治療の見直しもしやすいのではと思っています。もちろん、病院に勤務していた時も多くのことを学びました。重症の方が多かったので、患者さんの状態を把握し、状況に応じて対応することが求められました。その経験を現在の診療でも生かしています。
痛みに共感した診療で、患者の笑顔を追求
先生も肩凝りに悩んでいるそうですね。

そうなんです。肩凝りになったのは、デスクワークが増えてからでしょうか。週に1回、スポーツジムに通ってストレッチなどの運動をしています。トレーナーさんに指摘されたのが、歯を食いしばる癖があり、その影響で肩に力が入っているということ。確かに、普段頭を洗っている時に歯を食いしばっていますし、診療も緊張状態といえるので、力が入っているのかもしれません。食いしばりは癖ですので、止めるのはなかなか難しいですね。ですが、原因がわかったことで痛みへのアプローチ方法や運動時の意識が変わりました。電気治療器を使ったり湿布を貼ったりするのは対処療法ですので、根本的な痛みの解消のためには、やはり運動やストレッチが欠かせません。
患者さんの痛みに共感しながら診療されているのですね。
患者さんの痛みに寄り添いたいですね。患者さんから「治ったよ」と言ってもらえたらうれしいですし、笑顔になってほしいですからね。痛みがあると、日常生活にも支障が出ますし、笑顔で過ごすこともできなくなると思うんですよね。私が関わる患者さん全員が笑顔になってほしい……そう願っています。そのためには、診療方針である「親切・丁寧な診療」を実践し、なぜ痛みが出ているのか、どうしたら症状が和らぐのかを毎回考えることが大切だと考えています。
お父さまの診療スタイルから受け継いでいきたいことはありますか? 今後の展望も含めて教えてください。

父は以前、院内でクリスマスパーティーを開いて、地域の方々にお菓子やコーヒーなどを振舞っていました。このような活動が受け入れられるかわかりませんが、父と同じように地域に憩いの場を提供できればと考えています。とにかく気軽に来ていただけるクリニックにすることが、父と私の願いです。リニューアルを機に、居心地が良く、より快適なクリニックに生まれ変わりましたので、お子さんからご高齢の方まで気になる痛みがあればご相談ください。「弥富の整形外科といえば、そぶえ」と思っていただけるクリニックをめざしていきます。