北川 周太 院長の独自取材記事
北川眼科
(丹羽郡扶桑町/扶桑駅)
最終更新日:2025/02/13

名鉄犬山線扶桑駅より徒歩およそ9分の「北川眼科」は、長年地域に親しまれているクリニック。北川周一名誉院長が開院してから今年で30年を迎える。2024年に北川周太先生が院長を継承し、現在は北川名誉院長と北川院長の二診制を取る。北川院長は、昭和大学医学部を卒業後、名古屋大学医学部大学院で博士号を取得。その後、大学付属病院や総合病院で、眼科を専門として研鑽を積んできた。地域に寄り添う治療をめざし、生まれ育った扶桑町にある同院で、一般的な眼科症状の治療をはじめ、硝子体手術など幅広く対応する。インタビューでは、患者思いで温かい人柄の北川院長に、医師2人体制となってからクリニックで対応可能になったことや、診察で大切にしていることなどを詳しく聞いた。
(取材日2024年9月6日)
症状改善に尽力し、患者の喜びの瞬間に立ち会いたい
眼科医をめざされた理由や、院長に就任された経緯を教えてください。

名誉院長である父が眼科の医師として尽力する姿を見て育ち、父のような医師になりたいと憧れていたんです。医学部生になってからは、目の症状から不安を抱えている患者さんの役に立ちたいと思いましたし、症状の改善が図れた時の患者さんの喜びが他の科よりも大きく感じ取れたんです。そのような経験から、患者さんの喜ぶ瞬間に立ち会っていきたいと思い、改めて眼科を専門とする医師をめざそうと決意しました。実際に「良くなったよ」と喜ぶ患者さんの顔を見れたら、医師をしていて良かったなとすごく思います。また、総合病院でもやりがいを感じていましたが、より地域の方と関わり、安心していただけるような存在でありたいというのが、私がめざす患者さんとの関わり方でした。「北川眼科があるから安心」と思ってもらえるような存在でありたいと思いますし、信頼していただけることにやりがいを感じています。
どんな患者さんが多くいらっしゃいますか。
いろんな症状の方を診させていただいていますが、自然の多い地域ですので、花粉による目の症状で来られる方が多いですね。この辺りは工場も多いため、仕事中に異物が入るなどのトラブルで受診される方も。また、子育て世代も多く、お子さんをはじめ若い世代の方、お年寄りまで幅広く来院されています。患者さんの紹介でご家族の方がいらっしゃることもありますね。高齢の方で、ご兄弟で来院される方もいらっしゃいます。名誉院長が開院から長年積み上げてきた信頼があってこその当院であると思っていますので、今後も名誉院長の意志を学びながら、患者さんとの関わりを大切に受け継いでいきたいと思っています。
医師2人体制となったことで、変わられたことはありますか。

曜日にもよりますが、できる限り名誉院長と2人体制で診察させていただくことで、患者さんの待ち時間を減らすことが可能となりました。名誉院長も私も、一般的な目の症状に対応できますので、基本的には医師による違いはなく、順番に診させていただきます。もし医師のご希望がありましたら、来院時にスタッフにご相談ください。また、私が担当する硝子体手術は時間を必要とする手術なのですが、その時間帯には名誉院長が外来を担当していますので、できる限りお待たせしないよう配慮させていただいています。
硝子体手術を日帰りで受けることのできるクリニックに
得意な治療を教えていただけますか。

目の奥の疾患を治療する「硝子体手術」や、眼球に直接お薬を入れる「硝子体注射」です。愛知県内で対応できるクリニックはまだまだ少ないのですが、硝子体手術を日帰りで受けていただけるように、院内設備や機器を新たに整えました。硝子体手術専用の機器を導入し、細かなところまでしっかり見ることのできる顕微鏡などを導入しました。硝子体手術は、一般的に術後1週間程度入院が必要です。日帰りで受けていただけることで、患者さんのご負担も軽減されるのではないかと思います。もともと繊細な作業が得意なこともありますが、日本眼科学会眼科専門医の資格や博士号を取った2017年から硝子体手術の経験を積んできましたので、自信を持って治療にあたらせていただきます。硝子体手術は高度な技術が必要で、白内障の手術が当たり前にできることが必要とされます。経験がとても重要な手術でもあるんですよ。
硝子体手術後の患者さんへのケアはどのようにされていますか。
術後1週間程度は、毎日受診していただく必要はありますが、医師が散瞳検査を行い、術後の経過を十分に診させていただきますので、ご安心ください。1週間毎日の通院が大変な方もいらっしゃるかもしれませんが、入院する必要はないですし、患者さんにとって負担がかからないように、可能な範囲で日程調整させていただくことも可能ですので、気になることがありましたらご相談ください。また、お仕事にもよりますが、1週間以内に勤務を再開していただけます。長期間お休みが取りにくい方にも、治療を受けていただきやすいのではないかと思います。硝子体手術の他、白内障や緑内障の手術、眼瞼手術も日帰りで受けていただけます。気になる症状があるにもかかわらず、忙しいからといって症状が重くなるまで無理をされる方も少なくありません。患者さんに気軽に受診していただけるよう工夫を重ね、早期治療につながればと思います。
その他、患者さんのために取り組まれていることがありましたら、教えてください。

当院の手術室は2階にあるのですが、階段がご負担な方には手術を受けていただけない場合がありました。そのため、階段に昇降機を新たに設置し、椅子に座った状態で2階まで移動していただくことができるようにしました。目に症状がある場合は、特に階段の上り下りに不安を感じる方もいらっしゃいますし、特に白内障は年配の方が多いですからね。このように、少しでも患者さんにとって安心できる環境で対応できるよう、今後も工夫をしていきたいと思っています。
患者の楽しむ時間を大切にし、治療方針にも工夫
診療で大切にされていることを教えてください。

基本的には、目の状態が悪いからといって、何か特別なことや制限をすることなく、普段の生活を楽しんで過ごしていただきたいと思っています。そのために、私からはうまく症状をコントロールできるようにするための方法をご提案しています。健康には、「楽しむ」ということが何より大切ですので、患者さんにもそのようにお伝えしているんです。私自身も、休暇中に子どもと遊んだり、家族と旅行へ出かけたりとリフレッシュする時間を大切にしています。目は、人生を楽しむための道具の一つだと思っています。例えば、編み物が趣味だという方もいらっしゃいますが、お薬などをうまく使いながら楽しんでいただけるように、患者さんの気持ちに寄り添う姿勢を大切にしています。目の症状の経過を診させていただくだけでなく、日常生活を楽しめたかどうかなども教えてねとお伝えしていますね。
今後の展望を教えてください。
実は、すでに私が理想としているクリニックに近い状態にあると思っていて、これからも大切にしていきたいですね。スタッフに関しても、自ら気づき動ける体制が取れていて、患者さんが安心できるようにと常に気にかけてくれています。例えば、待合から診察室までの移動も、目が見えない方にとっては不安で時間がかかりそうなものですが、スタッフが優しく声をかけながら誘導させていただいており、患者さんも安心した様子で移動されています。今後は、スタッフ間のコミュニケーションも深め、今以上に連携の取れる状態にしていきたいと思っています。患者さんにより一層安心していただけるクリニックをめざしていきたいですね。
最後に、読者の方へのメッセージをお願いします。

目の状態が良くないと、日々の暮らしを楽しむことに不安を感じる方もいらっしゃると思いますが、一人で悩みを抱え込まずにまずはご相談いただきたいです。患者さん自身の目の症状で悩むことは私が引き受けますので、重い症状になってから受診しようとするのではなく、ご自身では些細なことだと感じても、気になる症状があれば、早めに受診していただければと思います。実際に、いつもより見にくいからと不安になり受診してくださる方もいます。「先生の顔を見たら安心した」と言っていただくこともあり、患者さんの笑顔を見ることが私自身のやりがいになっています。また、一般的な症状だけでなく、網膜剥離など緊急性の高い症状まで幅広く対応できるよう、体制を整えてありますので、気になる症状がありましたらご来院ください。