全国のドクター9,103人の想いを取材
クリニック・病院 158,819件の情報を掲載(2024年3月29日現在)

  1. TOP
  2. 愛知県
  3. 岩倉市
  4. 岩倉駅
  5. ませきクリニック
  6. 柵木 隆志 院長

柵木 隆志 院長の独自取材記事

ませきクリニック

(岩倉市/岩倉駅)

最終更新日:2021/10/12

柵木隆志院長 ませきクリニック main

名鉄犬山線・岩倉駅の東口から徒歩1分の場所にある「ませきクリニック」。鮮やかな浅葱色の外壁が特徴的で、桜のロゴの看板が目印だ。道路に面した立地で駐車場もあるので、自家用車でのアクセスも便利。院内に足を踏み入れると、吹き抜けがあり開放感のある待合室が広がり、曲線的な内装が印象的だ。院長の柵木隆志先生は十数年、大学病院に勤めた後、1951年開業の同院を引き継いだ二代目。「地域医療ではあらゆる症状を診れなければ通用しない」と、専門の心臓を診る循環器内科、内科、整形外科、リハビリテーション科を標榜している。また他院や専門病院との連携がスムーズであることも特徴だ。インタビューでは、柵木院長に同クリニックの特徴や地域医療への思いなどについて、じっくりと語ってもらった。

(取材日2017年6月6日)

患者と地域医療のことを考え先代の後を継ぐことに

こちらはもともとお父さまが開業されたのですよね?

柵木隆志院長 ませきクリニック1

はい、1951年に父親が開業しました。当時はこのエリアに外科の医院がなかったため、周りから求められて開院したそうです。私はここで生まれて育ちました。当時は今より救急車も少なく、ケガ人が戸板に乗せられて運び込まれてきたり、救急の患者さんが来られたら父が急いで駆けつけたりという記憶があります。父から医師になるようにと言われたことはありませんでしたが、そういった姿を見て、自分も将来は医師になるんだと自然に思うようになりました。つい最近、私が通っていた小学校の校医を務めることになり、大きなご縁を感じましたね。

院長就任までの経緯について教えてください。

名古屋大学胸部外科講師、同附属病院などの勤務を経て、1999年に父の後を継ぎました。大学病院では心臓外科が専門で、ペースメーカーの手術に数多く携わっていました。実は当時、研究の道を進むことも考えていました。しかし、父が高齢になり、長年通って来てくださっている患者さんや地域医療のことを考えて、後を継ぐことを決めました。このクリニックに戻って来てから先代の父と2年間、一緒に働くことができました。最後に親孝行できたかなとも思っています。地域医療の現場で「専門の循環器しか診ない」では、まさに木を見て森を見ずで通用しません。当院に移って来てからは、患者さんの症状は何でも診ることができなければという思いで取り組み始めました。専門以外も幅広く勉強し、診療していくことがホームドクターの務めだと考えています。

内装や設備面でこだわった点は?

柵木隆志院長 ませきクリニック2

自分の発想でクリニックをつくってみたいという思いがあり、2005年にリニューアルしました。院内はどこも土足で移動できるバリアフリーの設計です。2階にはリハビリルームを大きく確保し、エレベーターも設置しました。また当院は予約制ですが、患者さんの症状などによっては待ち時間が長くなってしまうこともあるので、少しでもリラックスして過ごしていただきたいと待合室を吹き抜けにしています。設備面では、患者さんの全身管理ができるようにCTも導入しています。理想としては、例えば患者さんが元気なときにCTで脳の画像を撮影しておいて、もし脳血管などに異常があれば画像を見比べることができればと考えています。

ホームドクターは「門番」として患者を正しく導く

診療で大切にしていることは何ですか?

柵木隆志院長 ませきクリニック3

まずは患者さんのお話を「聞くこと」。お顔をしっかり見て、しっかり耳を傾けて信頼につなげていきたいと考えています。私は背が高いので、少しかがむようにして「今日はどうですか?」と患者さんと同じ視点でお話しするようにもしていますね。中でも、心臓に不安を抱えておられる患者さんはとてもナイーブですから、心のケアもできないと循環器内科は務まらないと思っています。また心臓の場合は、単に心電図1枚では診断できない複雑なことも多いので、問診がとても重要です。とはいえ胸のことは患者さんも症状を伝える言葉選びが難しいので、私から「ドクドクしますか?」「脈の間隔が空きますか?」など、わかりやすい表現ですり合わせるようにもしています。

患者一人ひとりにじっくり時間をかけておられるのですね。

大学病院に勤めていた頃よりも、ずいぶん気が長くなったと自覚しています。実際、当時の私を知っている看護師さんから「すごく変わったね」と言われたほどですよ(笑)。ホームドクターはゆったりと構えていないと務まらない部分があります。長く通院されている患者さんは顔と脈を診れば体調がだいたいわかりますが、お話を伺いながら聴診器もきちんと使い、全身症状をしっかり診ていきます。お忙しい方にとってはもどかしいかも知れませんが、必要最低限の検査も受けていただきたいという思いがあります。そのためにもコミュニケーションをしっかり取り、私たちの診療方針を理解していただくことを大切にしています。

ホームドクターとして心がけていることは?

柵木隆志院長 ませきクリニック4

ホームドクターは患者さんの症状を診て、ある程度の方針を決めて、それぞれの道に導いていく「門番」のような役割があると思います。例えば整形外科だとリハビリで回復が見込まれる場合は当クリニックに通っていただきますが、そうでなければ専門病院を紹介します。しっかり線引きし、連携をとりながら、患者さんにとって一番良い治療法をご提案していくことが大切です。また慢性の病気を抱える患者さんも多いので、日々の診療を通して信頼関係を築き、私たちの診療方針に賛同していただきながら長くお付き合いしていただけるよう尽力するのもホームドクターの大切な役目だと思います。

健診結果を真剣に受け止め、自分の健康を守ってほしい

他院や専門医との連携もスムーズだと伺いました。

柵木隆志院長 ませきクリニック5

幸いこの辺りは大きな病院が多く、また私自身、岩倉市医師会の会長をしていたことや、名古屋大学時代の同級生が教授になっていたりということもあって、知り合いの頼もしいドクターが多くいます。そういう先生に紹介できることは、患者さんにとっても安心していただける要素になっているのではないでしょうか。どこまでの症状なら当院で診れて、これ以上は診れないという判断は、大学病院などで培った経験が生かされていると思います。そして、大きな病院で患者さんが手術を受けた後のフォローアップは再び当院で行っていきます。

今後の展望について教えてください。

予防医療に力を入れていきたいと考えています。皆さまには健診結果をないがしろにせず、真摯に受け止めていただきたいですね。症状を放置しておいていいのか確かめてみようという気持ちで、健診結果を持って来院していただければと思います。患者さんご自身が受診しようと1歩踏み出していただくことで、私たちはサポートできるようになります。「自分の健康は自分でしか守れない」ことが前提で、私たち医療従事者は治療のお手伝いをさせていただくのです。今は男性は80歳、女性は87歳まで生きる時代です。その年齢まで寝たきりではなく元気に過ごしていただきたいと強く思っています。

読者には女性が多いのですが、女性の健康についてメッセージをいただけますか?

柵木隆志院長 ませきクリニック6

特に中高年の女性の場合、閉経が大きな転換期になります。骨のチカラがどんどん落ち、コレステロールがどんどん上がります。この大きな変化の時期を健康に過ごしていただくために、若いうちから骨を強くしたり、低コレステロールのお食事を心がけていただきたいですね。昔ながらの日本食、つまり青魚、豆腐、みそ汁の伝統和食は本当に素晴らしいと思います。和食を通して、日頃からカルシウムをしっかり摂取していただきたいですね。また女性はきめ細やかな心配りがお上手なので、ご自身のお父さんとお母さん、そしてお子さんの健康の変化に気づきご家族の健康を守ることができると思います。とはいえ、もちろんご自身が健康であることが前提ですから、まずはご自分の心身を大切にしていただきたいです。当院としても、いつも女性の味方でありたいと思っていますので、気になる症状がありましたら、ぜひご相談にお越しください。

Access