溝上 雅也 院長の独自取材記事
知立南クリニック
(知立市/知立駅)
最終更新日:2025/11/14
皮膚科として先代院長が開業して以来、35年以上にわたり地域医療を支えてきた「知立南皮フ科」。先代院長の息子である溝上雅也(みぞかみ・まさや)先生が継承後は「知立南クリニック」へと院名を変更。内科・消化器内科を立ち上げ新たなスタートを切った。先代の頃から取り組んできた美容皮膚科については、溝上和加(みぞかみ・わか)副院長が担当。風邪や生活習慣病、皮膚疾患の治療から、胃内視鏡検査、美容の相談まで幅広く対応し、患者の「美しく健やかな暮らし」を多角的にサポートしている。診療理念は「世の為、人の為、共に幸せ」。先代から受け継いだ理念を現代においてどのように深め、実践しているのか。診療に対する考えやクリニックの未来について尋ねた。
(取材日2025年11月7日)
医療・美容を通じて、生まれ育った地域に貢献
クリニックの変遷と継承の経緯について教えてください。

当院の始まりは1987年に、母である先代院長が「知立南皮フ科」を開業したことにさかのぼります。2020年までは別の場所で、自宅兼診療所という形で診療していました。移転後しばらくは介護部門もあり、今も建物にその名残りがあります。2017年に母が他界し、そこから3年間は皮膚科の医師である私の姉が診療を担っていました。そして2020年9月、私が院長としてクリニックを正式に継承することになったのです。院長就任を機に、私の専門である内科と消化器内科の診療も始めました。それに伴い、2021年2月にクリニックを改装し、胃内視鏡検査の設備を導入。名称も「知立南クリニック」へと変更しました。院内にピンク色を取り入れているのですが、これは先代からのイメージカラーなんです。昔は外壁もピンク色で、地元では「ピンク色の病院」として知られていたんですよ。外壁は白に変えましたが、内装の一部に残しました。
診療内容と診療体制について教えていただけますか。
内科と消化器内科、先代から続く皮膚科、そして美容皮膚科の三本柱で診療を行っています。内科では、腹痛などの消化器疾患はもちろん、高血圧や糖尿病といった生活習慣病、風邪のような日常的な症状まで幅広く対応しています。皮膚科では、かゆみや湿疹、けがの処置など、昔から多くの患者さんに来ていただいています。美容皮膚科ではしみ治療の相談が特に多いですね。私が内科と皮膚科の診療を行い、美容皮膚科は妻である和加副院長が担当。その他に非常勤の皮膚科専門の医師も加え、連携して診療にあたっています。
皮膚科と内科、そして美容皮膚科を一つのクリニックで提供するメリットは何でしょうか?

一番のメリットは、患者さんにとっての利便性と包括的なケアがめざせる点だと思います。例えば、高血圧で定期的に通院されている患者さんから「最近、かゆみがある」と相談されたら、その場で診察し処方することも可能です。皮膚に現れる症状の中には、内科の疾患が原因となっているケースもありますので、内科と皮膚科の両面からアプローチすれば、より精密な診断につながりやすくなります。また、保険診療のニキビ治療などで通院されている方が、治療が進む中で「もっと肌をきれいにしたい」と思い、美容皮膚科に興味を持たれることもありますよね。そんな時、気軽に美容の相談ができれば、患者さんにとって安心感があるのではないでしょうか。
安心できる医療提供のため高水準の設備と丁寧な説明を
クリニックの診療理念についてお聞かせください。

「世の為、人の為、共に幸せ」という理念は、先代院長から受け継いだ当院が最も大切にしている想いです。正直なところ、私が院長に就任する際、理念を新しいものに変えることも考えました。しかし、この言葉と改めて向き合う中で、やはり「これ以上の理念はないかな」と感じたのです。この理念には、患者さんや地域社会はもちろんのこと、ともに働くスタッフ、当院に関わるすべての人々が幸せになれるように努力するという、普遍的で非常に深い意味が込められています。この素晴らしい理念を変えるのではなく、「自分がさらに深めて、しっかりと受け継いでいこう」と決意しました。
診療理念を実現するために、実践していることはありますか?
スタッフ全員と理念を共有し、チームとして実現していくことを何よりも大切にしています。具体的な取り組みの一つが、スタッフとの勉強会です。当院では、年に数回ある第5火曜日をあえて休診日とし、勉強会にあてています。もう一つは、患者さんとの対話の時間を確保するための工夫です。ウェブ問診を導入したり、看護師が診察前に患者さんから丁寧にお話を聞いたりすることで、私がカルテを入力する時間をできるだけ減らせるようにしています。そうして生まれた時間を使って患者さんとお話ししたり、患部に触れて診察したりすることを意識しています。患者さんから「治らない」「薬の塗り方がわからない」などの、不満の声があがることのないようにするには、きちんとした説明や対話が不可欠だと考えたのです。
質の高い医療を提供するために、クリニック一丸となって研鑽を積まれているのですね。

はい。診察時間内で医師が患者さんにすべてを詳細に説明するには限界があるため、スタッフによる丁寧な説明が不可欠です。当院には20人以上のスタッフが在籍しており、どのスタッフが対応しても一定水準以上の対応ができるように訓練しています。内科、皮膚科の垣根を越えて患者さんに説明ができるよう、クリニック全体で知識レベルの底上げを図っています。レーザーに精通したスタッフが在籍していますし、医療機器の安全性にもこだわっています。
患者とスタッフに「幸せ」を提供する医療を追求
院内の設備や環境づくりでこだわっている点を教えてください。

医療設備については、できる限り院内で診断が完結するように体制を整えています。血液検査や尿検査、ピロリ菌検査などは、主な項目であれば院内で迅速に結果をお出しできます。また胃の内視鏡検査は、経鼻・経口での検査、鎮静剤を使用して受けていただくことも可能です。院内環境については、2021年のリニューアルの際、和加副院長が「すっきりと落ち着いた空間をめざしたい」と内装を考えてくれました。こだわったのが、保育士がいる託児室の設置です。美容施術など、少し時間のかかる治療を受けたくても、子どもいるからと諦めてしまうお母さんも少なくありません。私たち自身も3人の子どもを育てる親であり、「子育て中でも、自分のための時間を諦めないでほしい」という強い想いがあります。
消化器内科を専門に選ばれた理由は何でしょうか?
私が消化器内科、特に内視鏡の道を選んだのは、もともとカメラが好きだったことが原点にあります。先輩医師が内視鏡手術で早期胃がんの切除を行っていたのですが、その光景は、まさに衝撃。何時間もかかるのが当たり前だった早期のがんの切除が、内視鏡によりわずか1時間足らずで終えることも可能になりました。この画期的な治療法は、患者さんの未来のために大きな力を発揮すると実感し、技術を身につけたいと考えたのです。内視鏡治療の最大の価値は、データに基づいた安心を患者さんにお届けできること。早期発見であれば、データに基づいて治療の見通しをお伝えできます。われわれの一言で患者さんの表情が和らげばうれしいですし、その瞬間こそ、医師としての何よりのやりがいだと感じています。
最後に、クリニックの今後の展望をお聞かせください。

まずは今提供している内科、皮膚科、美容皮膚科という三本の柱を、さらに深く、質の高いものにしていくこと。目の前の患者さん一人ひとりのお悩みに誠実に向き合い、ご満足いただける治療をめざしていく。その積み重ねが最も重要だと考えています。そして、ともに頑張ってくれるスタッフと一緒に成長し、その努力をきちんと還元できるような、働きがいのある組織であり続けたいですね。診療を通じて、皆さんが抱える体や肌のあらゆる悩みにお応えし、健やかで心豊かな生活を送るためのお手伝いをしていきたいと考えています。生まれ育った知立市で、「ここに来て良かった」と思っていただけるようなクリニックをめざしていきます。
自由診療費用の目安
自由診療とはしみのケア/5500円~

