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新美 和寛 院長の独自取材記事

かみいけクリニック

(半田市/亀崎駅)

最終更新日:2021/10/12

新美和寛院長 かみいけクリニック main

亀崎駅より車で7分ほどの住宅街に、2015年4月にリニューアルオープンした「かみいけクリニック」がある。同院は日本泌尿器科学会認定の泌尿器科専門医である院長の新美和寛先生が、両親のクリニックを引き継ぐ形で開業。それまで総合病院に12年勤務し、泌尿器がんを中心とした泌尿器科全般の治療に取り組んできた。院内は木目を基調とした明るく広々とした空間で、バリアフリーで車いすでも楽に入ることができる。10台以上の駐車スペースを確保し、自家用車でも通院可能だ。迅速かつ正確な診断を行うため、CTと血液検査機器を導入。内視鏡検査や小規模の手術にも対応しており、身近な町のクリニックでありながら、高い水準の医療が受けられる。日々の診療や泌尿器疾患について、新美先生に話を聞いた。

(取材日2017年3月25日)

迅速かつ正確な判断ができるようにCTを導入

2015年4月にリニューアルオープンされたそうですね。

新美和寛院長 かみいけクリニック1

ここは私の両親が開業したクリニックで、父は泌尿器科、母は眼科の医師でした。父が引退して、泌尿器科は2009年12月にいったん閉科し、眼科のみ続けていました。私が半田に戻ってくるのをきっかけにリニューアルオープンしたんです。私は大学卒業後、名古屋に戻り、初期研修を経て父が所属していた名古屋市立大学の大学院で博士号を取りました。父は私にクリニックを継げとは面と向かって言わない人でした。なので、将来自分がこのクリニックを継ぐのかどうかあまり深く考えていませんでした。しかし、父が亡くなったことがきっかけに、継ぐことを考えるようになりました。

リニューアルにあたってこだわったポイントはありますか? 

以前はトイレに段差もあって暗くて狭かったんです。車いすの方はいったん車いすから降りてスリッパをはきかえてお連れする必要がありましたから、リニューアルを機にトイレを明るく広くし、院内もバリアフリーにしました。設備面ではCTを新たに導入しました。CTは泌尿器科の病気の診断において非常に有用なツールで、レントゲンではわからない疾患等がその場で診断できます。CTは泌尿器科の特性上、必要なものと判断して導入しています。また、腎機能をきちんと評価することが泌尿器科診療には必要なので、すぐに結果がわかる血液検査機器を採用しており、緊急で必要な血液検査項目はすぐに判明します。

患者層や主訴などを教えてください。

新美和寛院長 かみいけクリニック2

全体的に年齢層は高めですが、若い女性では膀胱炎、小児であればおねしょの相談や包皮炎などで来院する方が多いため、幅広い年代が来院していると思います。女性は泌尿器科という名前だけで入りづらいと感じることもあるでしょう。堅苦しさを感じさせず、入りやすいような外観にし、院内全体を明るいイメージにして、安心して受診もらえるように工夫しています。やはり、泌尿器科の診療の主軸は、がんの診断と治療だと思っています。前立腺がんの治療や、腎がん膀胱がんの手術後の経過観察で通院されている方もいらっしゃいます。最も多い症状は排尿のトラブルですが、尿路結石・男性不妊・小児泌尿器疾患の患者さんの受診もあります。

説明は要点を伝えてわかりやすく

日々の診療で心がけていることはありますか? 

新美和寛院長 かみいけクリニック3

患者さんの年齢が高く、いわば人生の大先輩にあたる方ばかりです。お付き合いする上でフレンドリーに接していても、礼儀はわきまえてお話しするよう心がけています。医師の説明や検査内容・結果に不安を抱えられている患者さんは多くいらっしゃいますので、説明には十分気を配っています。説明はこまかすぎてもわかりにくいため、肝となる部分を伝えるようにしています。患者さんが「説明されてもどうしたら良いかわからない」「迷ってしまう」ではいけませんから、治療の選択肢を提示することが大切です。病気を治すのは患者さん。ご本人にしっかりと考えてほしいと思っていますし、その機会を設けるのが私の役目。医師任せにせず一度自分でしっかりと考えてもらうことで、より良い関係を患者さんとつくりたいですね。

泌尿器疾患以外が原因となっている症例もあるそうですね。

排尿トラブルの原因には内科疾患が絡んでいる場合があります。糖尿病や高血圧から頻尿を来すことも多くあります。夜間の頻尿には、睡眠時無呼吸症候群や生活習慣病で夜間尿量が増えてしまうものもあります。また、睡眠障害で眠りが浅くなると、ちょっとした尿意で目が覚めてしまい頻尿となることもあります。本来、こうした症例では内科的治療が必要で、泌尿器科治療だけでは症状の改善が得られないことがあります。内科的因果関係からくる症状であることを患者さんに理解してもらい、適切な治療を受けてもらいたいと思っています。

内科疾患が絡んでいる場合、他院とはどのように連携されていますか? 

新美和寛院長 かみいけクリニック4

クリニック間での情報共有が大事だと思っています。患者さん自身に、他の病院ないしクリニックでどんな治療をされて、どんな状態なのかと聞いても、詳しく説明することは難しいです。ですから、私は治療方針や治療内容などを、担当している医師に積極的に聞くようにしています。他科の先生方に話を聞くことをためらう先生もいらっしゃいますが、私は問い合わせの手紙をよく書きますし、自分が行っている治療についても報告しています。この地域はクリニック同士のつながりが深く、私も先生方と個人的な付き合いがあり、呼吸器内科と消化器外科の先生と、月に1回カンファレンスをしています。

排尿トラブルには病気が潜んでいる可能性がある

泌尿器科の医師になろうと思ったきっかけを教えてください。

新美和寛院長 かみいけクリニック5

両親の影響はもちろんあります。父も泌尿器科の医師でしたから、選択肢の一つとして自然に選んだと言っていいと思います。泌尿器科は、診断から治療まで一貫してできるところが魅力です。他科では、例えば手術を要するがんの場合は外科に送ります。そして手術後にまた戻る。泌尿器科ではがんを見つけて治療し、手術や抗がん剤も自分たちで行う。私たち泌尿器科医が全面的に患者さんをサポートできるわけです。この付近で大きな病院といえば半田市立半田病院になります。こうした大きな病院には、地域の基幹病院の役割として、前立腺がんや膀胱がんの手術など、総合病院でしかできない手術を担当してもらいたいと私は思っています。それ以外の手術や治療については、われわれクリニックが担当する。設備も充実させ、当院でも小さな手術などにも対応できるように体制を整え、大きな病院とのすみ分けがきちんとできるようにしたい、というのが私の思いです。

排尿トラブルを抱えている人に伝えたいことはありますか? 

排尿の悩みで来院された患者さんの中には、もっと早く相談すれば良かったと言われる方もいます。受診せず、年のせいと諦めている方も多くいらっしゃいます。排尿トラブルは感じ方に個人差があり、病気という概念でくくるのは難しいです。夜間に2回起きても何とも思わない方や、漏れてもパッドをしているから気にしない方もいます。一方で、夜1回でも起きれば苦痛と感じる方もいる。気を付けなければならないのは、そこに病気が隠れている可能性がゼロではないということ。健康診断がてら、今の状態をチェックしてみようかという気持ちで受診されるのも良いと思います。

今後の展望や読者へのメッセージをお願いします。

新美和寛院長 かみいけクリニック6

私は、日本泌尿器科学会の泌尿器科専門医として日々の診療に責任を持って取り組んでいます。診療していく中で気がかりなことは、健診などで尿潜血を指摘されてもそれを放置してしまう方が多いこと。よくあることだろうと思ってしまうんでしょうね。年齢に関係なく1回きちんと調べたほうが良いと思います。調べても何も異常がないことのほうが多いのですが、何か病気が見つかることもあります。前立腺がんや膀胱がんと診断した方が、「実は以前から健診で尿潜血を指摘されていました」と言われるケースもよく経験します。検査をして、患者さんご本人の安心につながれば良いのではないでしょうか。どんなことでも良いので、私が窓口になれれば良いなと思います。

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