田中 健一郎 院長、田中 陽子 副院長の独自取材記事
たなけん脊椎・眼科クリニック
(一宮市/名鉄一宮駅)
最終更新日:2025/03/17

圧迫骨折や椎間板ヘルニア、狭窄症などの手術経験が豊富な整形外科医師の田中健一郎院長と、眼科医師としての実績を積み上げてきた田中陽子副院長が2024年3月に開業した「たなけん脊椎・眼科クリニック」。名鉄一宮駅と尾張一宮駅から徒歩すぐの場所にある6階建てのビルを前身の「松浦眼科」から受け継ぎ、内装をすべてリニューアルした。白を基調とした院内は広々としていて落ち着いた雰囲気だ。ビルの裏手には広い駐車場を備える。健一郎院長も陽子副院長も明るい性格で、患者一人ひとりに寄り添ってじっくりと話を聞き、それぞれに適切な治療を提供することを信条としている。そのような2人に診療で心がけていることや同院の特徴などを話してもらった。
(取材日2024年12月16日)
脊椎・背骨の疾患が専門の整形外科と眼科の診療に対応
開業に至った経緯を教えてください。

【健一郎院長】私も副院長も開業したいとは考えていませんでした。ところが2023年1月、前身の「松浦眼科」に勤務していた副院長から「松浦先生がクリニックを継いでくれる人を探されているみたいよ」という話がありまして。詳しく聞いてみると手術室があるし、病床も19床あると。開業する際、病床の許可を取るのはなかなか難しいのです。手術もできるし病床数も十分にあるという話を聞いて、そういう環境なら開業できるのではないかと考えるようになりました。
【陽子副院長】私は子どもが4人いるため、それまでは非常勤で勤めていました。最初は開業の話に少し抵抗をしていたのですが、子どもがそれぞれ社会人になったり大学生になったりして子育てがひと段落していたので、今から開業するのも面白いかなと思うようになって。それで松浦先生に「後を継ぐ方は決まりましたか」と尋ねたところから、とんとんと話が進み開業に至りました。
クリニック名に特徴がありますが、どちらが考えられたのですか?
【健一郎院長】私が考えました。最初は、背骨や脊椎にまつわる疾患に特化した専門的な診療を提供していることを表現したいと考え、英語で背骨という意味の「スパイン」を入れた「一宮スパインクリニック」にしたかったのです。東京や大阪ではスパインをクリニック名に使っているところが多かったもので。しかし副院長と、何のクリニックか理解されにくい可能性がある事を相談し、仮称にしていた「たなけんクリニック」をそのまま生かし「脊椎」と「眼科」を入れました。クリニック名に驚かれる方もいて最初はちょっと恥ずかしかったのですが、珍しいからか結構皆さまが覚えてくださるので、結果的に良かったです。実は今まで「たなけん」と呼ばれたことはなかったのですが、親しみやすさもあるのかなと思っています(笑)。
クリニック名に「脊椎」を入れられたことで、どのような影響がありましたか?

【健一郎院長】背骨や脊椎にまつわる疾患の方が多く来られますね。「脊椎」を入れたメリットは、当院が専門性に特化したクリニックというのがわかりやすくなることや、それによって脊椎に関するお悩みについて、お一人お一人のお話をじっくりとお聞きできることです。将来的には「背骨、脊椎といったら、たなけん」と言っていただけるようなクリニックをめざしています。ただ、脊椎はどんな症状のときに相談するのか、わからないという方もいらっしゃると思います。例えば、腰痛や肩凝り、首の痛みなども背骨や脊椎に原因があることもありますので、まずはなんでもご相談いだけるようなクリニックにしていきたいです。
患者一人ひとりに寄り添い、話を聞いて不安を取り除く
院長が診療で心がけていることは何ですか?

【健一郎院長】これまでの手術実績から得た知見をもとに、患者さん一人ひとりにとってベターな治療方針を立て、丁寧に説明することを心がけています。また、患者さんには不安を与えないようにしたいので、できるだけネガティブなことは言わないよう努めていますね。脊髄や背骨にまつわる疾患は「薬だけ飲んでおけばいい」、「手術をしても良くならない」といった偏見を持たれている方が少なくありません。しかし、実際の手術は悲観されるものではなく、患者さんの痛みを取り除ける可能性があります。もちろん、すべての症状が手術で治療できるわけではありません。たとえ手術が適応とならない場合でも、理学療法士たちと協力し、患者さんが安心して治療に取り組める環境をつくりたいと思っています。ネガティブな感情を抱えることなく、疾患とうまく付き合いながら前向きに日常生活を送れるよう、サポートすることを大切にしています。
副院長が眼科の診療で心がけていることは何ですか。
【陽子副院長】大阪の病院に勤めていた頃の恩師は緑内障を専門にされていて、結婚して岐阜県に引っ越ししてから勤めていた岐阜大学医学部附属病院でも緑内障専門の外来を担当していました。緑内障の患者さんは、将来的に目が見えなくなるのではないかという不安を抱えておられる方が多いのです。なので、患者さんの正面から目をしっかりと見て話をよく聞き、不安を少しでも取り除くということを大切にしています。そうするとお一人お一人の診療時間が長くなることも多いのですが、二診体制を取ってお待ちいただく時間を軽減するようにしているんです。
こちらのクリニックの強みや特徴を教えてください。

【陽子副院長】入院ができるというのが、当院の大きな特徴だと思います。眼科は日帰り手術が多いのですが、高齢の患者さんの中には翌日に眼帯をして通院するのを嫌がる方がいらっしゃるのです。手術後入院して、翌日に診察を受けて帰っていただけるのは、クリニックではあまりないことかもしれません。また、眼科手術に精通する先生がお越しになって、白内障と緑内障の手術をするというのも当院の強みです。
【健一郎院長】眼科に通われる高齢の患者さんの中には、整形外科にも通われる方がいらっしゃいます。逆に整形外科に通っている方が、眼科にも通いたいという場合もあります。一つのクリニックで、眼科と整形外科の治療を受けられるというのも当院の強みですね。またスタッフも、痛みなどからネガティブになりがちな患者さんに寄り添ってサポートをしてくれていて、アットホームな雰囲気があります。
周囲のクリニックと連携して患者を診ていきたい
医院の今後の展望をお聞かせください。

【健一郎院長】先ほども申し上げたとおり、脊椎の手術に対する偏見があるので、まずは患者さんにとって適切な治療を提供し「あそこで治療をしたら良くなった」と言っていただけるようなクリニックをめざしたいですね。また当院にはMRIがあるのですが、周囲のクリニックに「手術で使っていないときは、ぜひ使ってください」と呼びかけています。地域のクリニックの役に立ちたいですし、周りの先生たちと連携して一丸となって患者さんを診ていくことで、より質の高い医療を提供したいと考えています。
先生たちの趣味や休日の過ごし方を教えてください。
【健一郎院長】私の趣味は、ファッションです。スーツにネクタイというスタイリングが好きで、部屋中にスーツがかかっています。シーズンごとに断捨離をしていて、サイズが合わなくなったものなどはスタッフに提供しているのです。
【陽子副院長】週末は息子を連れて、上高地などの低山ハイキングに出かけてリフレッシュしています。わが家は家族で旅行など、外に出かけるのが好きなのです。親も旅行が好きなので、みんなで行くこともありますね。私は基本的にたくさんの人と一緒にいるのが好きなんです。だから当院はいつも、スタッフとともにワイワイとにぎやかでアットホームな雰囲気なのかもしれません。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

【健一郎院長】背骨や脊椎に原因があることが多い症状は、満足していただけるようしっかりと治療をいたします。それ以外の整形外科症状・疾患にも対応しているので、お困り事は何でもご相談ください。服薬やリハビリテーションを続けていて、他にもう治療方法がないのかなと思われている方もぜひお越しいただきたいですね。また、私は全身を診て痛みの原因を探ります。背骨や脊椎だけしか診ないということはないので、ご安心ください。
【陽子副院長】当院は「ここに集うすべての人々に幸福をもたらす病院をめざす」という基本理念があります。患者さんやその家族の皆さんが当院に通って、元気でポジティブな気持ちになって帰っていただけるような治療を提供していきたいです。