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浅川 順一 院長の独自取材記事

浅川医院

(名古屋市守山区/小幡駅)

最終更新日:2021/10/12

浅川順一院長 浅川医院 main

名鉄瀬戸線・小幡駅から北に向かって徒歩10分ほど。守山区の静かな住宅街の中にある「浅川医院」。1974年3月、現院長・浅川順一先生の父が開業して以来、地域医療に貢献してきたクリニックだ。たたずまいも院内もノスタルジックな雰囲気で、医院が長い間地元の患者たちにいかに親しまれてきたのかがにじみ出ている。「何よりもまず、親身になって患者さんのことを考えたい」と浅川院長。そのよく通る低い声と穏やかな口調は、聞いているだけで安心感がある。リウマチをはじめとする膠原病の専門家として、地域の健康を守る街の医師として、日々まい進する浅川先生にその胸の内を語ってもらった。

(更新日2020年8月31日)

育った地域に対する愛情。患者への想い

お父さまの代から続いていらっしゃる医院なのだそうですね。

浅川順一院長 浅川医院1

はい。私が中学校3年生の時に父がこちらで開業をしたんです。それ以前は勤務医でしたから、休みの日にはよく研究をしているところなどに連れて行ってもらいました。私が医師になったのは、父の影響が大きいですね。真面目な人で、私は長男なので特に厳しくしつけられましたね(笑)。医院を継いだのは2004年の3月です。東京の大学に進み、その後、東京で勤務していたのですが、父がパーキンソン病を患いだんだんと動きが悪くなってしまい、外来を続けることが難しくなってきたので名古屋に戻ることにしました。今も父は闘病中でして、当院の目の前の老人ホームに通いながら治療を続けています。

ずっとこの地域でお育ちになられたんですね。

この辺りは企業の社宅が立ち並んでいるのですが、私の父が大学に勤務していた頃、同企業の矢田の診療所に勤めていたんです。その関係で社宅に住まわせていただいていたので、小学校6年生までここで育ちました。その後、少し離れたところに引っ越しをしたのですが、父の開業をきっかけにまたこちらに。社宅の中に地域の方たちのための診療所があり、そこの医師も父がやっていたのでこの辺りの患者さんをよく診ていました。私を育ててくれた街なので、当然とても愛着がありますしなじみがあります。ご高齢の方が多いということもありますが、この辺りは穏やかな方ばかりですね。父の代から通っていただいている患者さんや親子3代で通われている人も多く、よく昔のお話を聞かせていただいています。

診察の際に心がけていらっしゃることはどのようなことでしょうか?

浅川順一院長 浅川医院2

何よりもまず、親身になるということです。患者さんの一人ひとりとゆっくりとお話しをして、その方の立場に立って考えることですね。地域の医療ですから、足が痛い、腰が痛いと言ってみえるご高齢の方も多いので、ただ湿布を出すだけではなく、少しでもその方の役に立てればとストレッチのアドバイスなどもしています。ほんの少しのことで痛みが取れたりもしますからね。また、私が専門とする自己免疫疾患、なじみのある言い方ですと膠原病という分野は、本当に全身を診なければいけない病気です。例えばリウマチの場合なら骨に症状が現れ、SLEという病気なら皮膚や腎臓、肺といった具合に症状が現れるんです。ですから、まずは全身を診てきちんとした診断をしてから治療にかかるということが私の中の基本にあります。

専門的な知識と豊富な経験が裏打ちする診断・治療

自己免疫疾患を専門的に勉強され、ニューヨークでの研究留学のご経験もあるとお聞きしました。

浅川順一院長 浅川医院3

私が通っていた順天堂大学は膠原病の治療のパイオニア的な存在でして、塩川優一先生という方が日本で設立した膠原病内科があるんです。大きな科でしたから良い環境で勉強ができそうだと思ったのと、研修の際についてくれた膠原病内科の指導医師がとても良い方だったので専門に選びました。ニューヨークへは主に基礎の免疫学を学びに3年ほど行っていましたね。日本とはまったく違う環境でやはりとても自由でした(笑)。ひたすら自分の仕事に没頭していれば良く、楽しかったですね。免疫学を国内外でしっかりとやったことで、病気と向き合う際に基礎に即して考えられるベースができたのかなと思います。

膠原病のひとつである、リウマチの治療にも力を入れていらっしゃるのですね。

ウイルスやばい菌など体に害になるようなものが体に入って来た時に、まず異物として認識してそれを攻撃して排除するのが免疫の働きです。しかし、異物ではない自分の体の中の成分を異物であるというふうに認識して攻撃し、体に炎症が起こってしまうのが自己免疫疾患です。リウマチの場合ですと、それが骨の周りの滑膜という膜に炎症が起き、最終的には関節を壊してしまいます。また、女性が罹患することが多いのも特徴です。症状は幅広く、すごく軽微で自然に治ってしまうような人もいれば、寝たきりになってしまうほど悪くなってしまう人もいます。家族歴のある方や、検査でリウマチ因子が出た人など予備軍の方も少なくありませんが、因子に関してはリウマチとはまったく関係がなくても出る方もいます。大きなストレスや疲れ、睡眠不足などが発症のきっかけになりやすいので、あまり闇雲に心配せず伸びやかに毎日を過ごしていただきたいですね。

生活習慣病の患者さんも多くみえるそうですが、指導などをする際に気を使われていることはありますか?

浅川順一院長 浅川医院4

やはり地域の医療なので、高血圧や糖尿病など生活習慣病の患者さんが大半です。私はこちらに来る前、東京の柳橋病院で部長をしていたんですが、そこは糖尿病の患者さんがとても多かったんです。たくさんの臨床経験をさせていただいたので、それが今に生かされていますね。患者さんに指導する際には、あまり難しいことを言わないようにしています。実践ができなければ意味がありませんからね。人によっても意識や生活リズムが違うので、その人の生活のリズムに合わせた運動習慣を取り入れていただけるようにお話しています。無理強いはせず、患者さんの背景を考慮してその人に合ったアドバイスをするようにしています。

地域に根差し、患者と距離のない診療所をめざして

先生のリフレッシュの方法や、健康のためにされていることを教えてください。

浅川順一院長 浅川医院5

最近、住まいの近くにあるスポーツジムに通い始めました。週に2回ほどは行って、ルームランナーでウォーキングをしたりしています。できることからコツコツとやっています。あとは、歌舞伎が好きなので休みの日には東京や大阪、京都に観劇に行っています。歌舞伎を初めて観たのは、実はニューヨークに留学していた時の米公演なんですよ。その時はまったく歌舞伎を知らず、一切の準備をせずに観たらまったく意味がわかりませんでした(笑)。それから10年ほどたって、今度はちゃんと筋書などを調べていったら、見事にハマってしまいましてね。それ以来は毎月恒例です。普段とは違う世界に触れてリフレッシュしています。

今後取り組んでいきたいことなどはありますか?

私もいくつかの老人ホームの嘱託医師をしていまして、今は予防接種をしたり簡単な検診を行っている程度なのですが、徐々に在宅で診るということを視野に入れて医院づくりをして行きたいです。患者さんの中には、高齢のため通えなくなってしまう方も多くなっていくと思いますから。この医院を継いでから、特例的に在宅で最期を看取らせていただいていた末期の直腸がんの患者さんがいるのですが、今もずっと心に残っている1件です。大きな病院の場合、入院患者さんは重篤な方が多く亡くなることも珍しくない。しかしこういったクリニックですと、そこまで重い方はあまりいないでしょう? ご自宅ということもあって、その方の人生の重みや歩まれてきた道のりなどを身近に感じ、生命の重みをより実感しました。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

浅川順一院長 浅川医院6

ちょっとしたことでも、気軽に相談しに来てほしいですね。当院は小児科もやっていますので、お子さん連れの方にももっと来ていただければなと思います。また糖尿病に関して、働き盛りの男性の中には、検査で数値に表れていても実感がないので、放っておいてしまう方も少なくない。せっかく検診を受けたのですから、要精査と出たら必ず診察を受けるべきです。気づかないうちに進行してしまうと厄介ですから。体重が減った、やたらと喉が渇くようになった、尿意が近くなったといった症状があらわれた方は、すぐにお近くのクリニックへ行ってください。糖尿病の治療は早めに始めることが重要です。

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