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阪野 弘之 院長の独自取材記事

阪野皮膚科

(名古屋市中区/上前津駅)

最終更新日:2025/06/06

阪野弘之院長 阪野皮膚科 main

名古屋市営地下鉄名城線矢場町駅より徒歩で約10分、大通りから少し路地に入ったところにある「阪野皮膚科」は、先代である父の後を継ぎ、阪野弘之先生が2代目院長を務める皮膚科専門のクリニックだ。開業から70年余り、院内処方や紙のカルテなど、昔ながらの雰囲気を残しつつ、患者との会話を大切にするクリニックとして、地域の信頼を集めている。阪野先生が院長に就任して7年ほど。謙虚に誠実に語る阪野先生に、先代院長の話から、自身の診療スタイルなどを語ってもらった。

(取材日2016年7月26日)

父の後を継ぎ、患者との信頼関係を築くクリニック

開院から70年以上、地域になじんでいるクリニックですね。

阪野弘之院長 阪野皮膚科1

先代である私の父が開業し、私は2代目です。私自身は大学卒業後、大学院に進んでいたのですが、父の体調もあって2000年過ぎに当院に入りましたので、先代院長とは5年ほど一緒に仕事をしたことになりますね。院長に就任したのは、父が亡くなった年ですので15年ぐらい前。実は、父の晩年は、入退院を繰り返したりしていましたが、それでも、父はちょっとでも元気が良ければ、なじみの患者さんには顔を出すような人でしたからね。リスペクトする気持ちはありましたし、やりきっていただいて、その後は残ったものが引き継ぐという考えで、亡くなるまで先代は院長でした。当院の看板も、開業時のままですから、父の名前が入っていますね。

後継ぎということで、小さな頃から医師をめざしていたのですか?

医師になるまでに関しては、あまり語れるようなストーリーがないんですよ。父と同じことはやりたくないと思っていた時期もありましたし、医師をめざしていたと言いきることはできません。自分の中でいろいろと葛藤がありながら、気がついたら医師をめざしていたというような……。医師免許を頂いてからは、覚悟を決めて仕事をしていますが、そこに至る経緯は順風満帆というわけにはいきませんでしたね。でも、皮膚科を選んだことは迷いませんでしたよ。学生時代にもアルバイト感覚で、父の雑用などをしていましたので、父がどう仕事をしていたかは知っていましたから。父は、仕事に関しては、一生懸命というか、明確なところがありました。

医師としてのスタンスはどのように考えていますか?

阪野弘之院長 阪野皮膚科2

「医師というものは病気を診るものではなくて、病人を診るものだ」。これが、大学の新入生ガイダンスで聞いた第一声でした。つまり、病気は本で勉強できるけど、人を見る目は机の上だけでは学べません。いろいろな人生の経験で培っていくものです。それを、今も心がけながら、自分の中にもあった葛藤や経験も少しでも仕事に生かせるようにしています。日々具体的に行っていることは、患者さんとの会話ですね。私ができることは限られていますから、どんなに忙しくても、患者さんの目を見て、一言二言はお話しして、あとは必ず症状を診せてもらいます。皮膚科医ですから、皮膚をきちんと、それも一部だけではなく全体を診る必要があります。まずしっかり診せてもらって、そこで会話をして、薬の相談をして、患者さんに納得していただいて、そして治療方針を決めます。

昔ながらのクリニックの風情を残しつつアップデート

院長になって16年ということですが、開業当時に比べると変わってきていることはありますか?

阪野弘之院長 阪野皮膚科3

70年以上やっているクリニックですから、昔からの長い患者さんもいらっしゃいます。ですから、なるべく雰囲気を変えないまま、できることはアップデートをして、踏襲できるところは踏襲する形でやっています。予約制にせず、来られた順番で診察しているのもその一つです。予約にしてしまうと、患者さんが来づらくなってしまうと思うからです。当院は皮膚科専門のクリニックですが、皮膚というのは変化が早いですから、数日前と症状ががらっと変わってしまうことがあります。ですから、思い立ったらすぐに来ていただきたいですね。その時の状態に合わせて治療をする必要がありますので、毎回必ず診させてもらって、その時その時の状態によってふさわしいものを提供するようにしています。ですから、当院では薬だけ出すということはしていません。

昔ながらの「お医者さん」という雰囲気があるのですね。

昔ながらということなら、未だにカルテは紙ということもありますね。当院に来る前は電子カルテも使っていたのですが、それはそれでメリット・デメリットがありますからね。必要になれば電子化しますが、今のところは変更する必要がないと思っています。それと、院内処方もそうでしょう。保険適用の薬の場合、特に塗り薬や貼り薬などの外用剤の場合は、同じ成分でも薬局によって、それぞれ違う薬が出ることも珍しくありません。それに、最近はジェネリック医薬品もありますから。しかし、外用剤というのは、成分が一緒でも、期待できる効果は一緒ではないということが結構あります。当院が特別なものを出しているわけではありませんが、どういうときにどういうものを使ったらいいかということを考慮することで、結果が変わることも多いですから、患者さんの状態に合わせて、院内で処方することにこだわっています。

標榜科目は皮膚科のみですね。

阪野弘之院長 阪野皮膚科4

昔からやっている町のクリニックですから、「風邪薬くらい置いているでしょう?」と患者さんに頼まれることもありますが、当院は皮膚科専門でやっています。専門に関しては努力していますし、やれることはやらせてもらいますけど、専門外に関しては、専門の方にお任せしたほうが患者さんのためになりますからね。以前は簡単な手術などもやっていましたが、それも最近では積極的には行っていません。特に女性の方とか、痕が残ってもいけませんし、美容皮膚科とか、専門の先生にお願いしたほうが、ご本人のためになると思いますので。

特別なことをするより、確実にふさわしい治療を

学生時代はどのような分野を専門にしていたのですか?

阪野弘之院長 阪野皮膚科5

大学院時代は、アトピー性皮膚炎の臨床や、皮膚のバリア機能の研究などをしていました。ですが、父が高齢で一人で当院を続けるのが難しくなってきてしまって、大学院の後、本来なら医局に残ったり、他院で勤務医を勤めたりするつもりでしたが、大学が理解を示してくれて、すぐに当院に戻ることになってしまいました。ですから特に専門分野をということではなく、一般的な皮膚疾患の患者さんを診察するのがメインにしています。湿疹、皮膚炎、もちろんアトピー性皮膚炎も。あとは、水虫とか、とびひやニキビなどの感染症も多いですね。

休日など、プライベートはどのように過ごされていますか?

もともとスポーツが好きだったので、今でも月1回はゴルフに行っています。大学時代の教授に声をかけていただいたりしますので。あとはテニス。実は、妻とはテニスで知り合ったので、今でも一緒にやりますよ。また、2〜3年前からウクレレを始めました。50歳を過ぎてから始めた老後の趣味ですね。仕事の時はいろいろと会話をしたりすることが多いので、仕事が終わったらしゃべりたくなくなったりするんですよ。そういうときに、ハワイアン音楽は癒やされます。始めようと思ったきっかけも、テレビを観ていてたまたまウクレレ奏者の演奏を聴いていたら、なんだか波の音が聞こえたような気がして、やってみたくなったんです。休日はもちろんですが、寝る前にちょこっとウクレレを弾くだけで、リラックスできます。ちなみにまったくの我流ですから、自分一人で楽しむだけですよ。

今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

阪野弘之院長 阪野皮膚科6

今できることを、今後も淡々とやるだけですね。私はどちらかというと気が短い性格なんです。ですから、なるべく穏やかな精神状態にして、ニュートラルにして仕事をしたいなと思っています。以前はこの辺りには皮膚科が少なくて、患者さんもとても多かった時がありましたが、今ではいろいろと増えてきていますよね。ですから、患者さんには自分が信頼できるところを見つけて、しっかり診てもらって、必要な薬を選んでいただきたいと思います。できれば、当院もその選択肢の一つになるように努力を続けるつもりです。とにかく、皮膚の場合は特に変化が大きいので、自分が通いやすいところでいいので、根気よく通っていただき、その時の状況によって、ふさわしい処置を受けていただきたいと思っています。

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