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竹内 直秀 院長の独自取材記事

竹内クリニック

(名古屋市北区/上飯田駅)

最終更新日:2023/05/19

竹内直秀院長 竹内クリニック main

地下鉄上飯田線上飯田駅より徒歩12分。住宅街の一角にある「竹内クリニック」は1961年開業の歴史あるクリニック。現在、院長を務める竹内直秀先生は日本糖尿病学会糖尿病専門医。1階は内科と小児科、2階は眼科となっていて、網膜症など糖尿病特有の症状が出た時にも他の病院まで行かなくても治療できる。「患者さんとは何でも言い合えるフランクな関係でありたい」と話す竹内院長。父である前院長の竹内直道先生の時代から、何世代にもわたって通院している患者もいるというクリニックでは、診療に関する話はもちろん、子どもや孫のこと、飼っているペットの話や世間話まで、いつも明るく患者と話す竹内院長の笑い声が響く。そんな竹内院長に地域医療に対する思いを聞いた。

(取材日2016年7月20日/情報更新日2023年5月16日)

60年以上もの歴史がある地域密着型クリニック

たいへん歴史のあるクリニックだとお伺いしております。

竹内直秀院長 竹内クリニック1

前院長である父が開業したのが1961年です。父は呼吸器内科で、結核を専門としていました。小さい頃から父の姿を見てきたので、医師になった時から後を継いでいくという思いはありました。私はずっと勤務医をしていたのですが、父の年齢も考えてこのタイミングだと思い、2002年に院長職を継ぎました。父が長く地域に根差してきたので、その頃からの患者さんはもちろん、そのお子さん、お孫さん、ひ孫さんまで家族全員でかかりつけ医にしてくださっている方々もいらっしゃいます。

糖尿病をご専門にされた理由は何ですか?

生活スタイルの変化、ライフスタイルや食生活の欧米化などの影響で、糖尿病人口が増えました。そして今後も増え続けるであろうと考え、より多くの患者さんのためになりたいという思いからです。実際に糖尿病の患者さんは増加しています。糖尿病は症状を落ち着かせて、コントロールすることはできますが、残念ながら現代の医療では完治することはありません。どのように糖尿病と向き合って、生活習慣を整えていけるか、とても大変ですがやりがいもあると感じています。最近はインターネットの普及やメディアなどで取り上げられることも多いので、以前と比べると糖尿病に対する知識も浸透していますが、まだまだ知らない方も多く、自覚症状が出るまで悪化させる方もいます。啓発活動の必要性も感じています。

糖尿病治療の難しさはありますか?

竹内直秀院長 竹内クリニック2

食事指導や運動療法、生活習慣の改善については、医師がどうにかできることではないので本当に難しいと感じます。特に中高年の方々ですと皆さんお仕事をされていますので、どうしてもお仕事が優先になってしまいます。薬だけは飲んでいただいてもそれ以外の部分が疎かになってしまいがちなので、そのあたりが治療の課題ですね。あまり口うるさく、「運動しなさい」「食事制限しなさい」と言っても、日々の生活の中では付き合いなどがあるし難しいですよね。ですから、患者さんそれぞれの生活背景にあった指導やアドバイスというのが難しいところだと思います。あまり言いすぎても逆にやる気をなくしてしまいます。とにかくよく話を聞いて、どんな内容であれば治療を続けられるのかを患者さんと一緒に考えています。

医師と患者ではなく、人間同士の付き合いをしたい

糖尿病治療は長期間の通院が必要になりますよね。

竹内直秀院長 竹内クリニック3

そうですね。継続して通院していただくためには、患者さんのモチベーションアップのための工夫も欠かせません。ただただ強い口調で言い聞かせても患者さんは嫌になってしまうだけです。皆さんお一人お一人性格も生活の環境も違いますので、会話の中でそれらを掴み、その方に合う指導方法を提案しています。強めの口調で言わなくては来ていただけない方、逆に強めの口調で言ってしまうと来ていただけなくなるであろうという方。経験を積んでいくうちに見極められるようになってきました。治療を中断することは何よりも患者さんのためになりません。いかに治療を継続していただけるか、その結果、より良い状態を維持できるかが大事ですので、患者さんが頑張って治療を続けよう! 続けてよかった! と思えるようにしていきたいです。

2階に眼科を入れた理由をお聞かせください。

糖尿病の代表的な合併症の一つに網膜症があることから、早期発見、早期治療のために眼科を入れました。視力が落ちた、目が見えづらいという症状で眼科に初診でやってきて、そこで糖尿病が見つかることもあります。また、糖尿病の患者さんに、早めに眼科に行ってくださいねと言っても、なかなか足を運んでもらえないことも多く、通院の手間を少しでも減らしたいと考えたためです。悪化してしまってからでは遅いので、すぐ通院できるというのは大きなメリットだと思います。

先生が診療の際に心がけていることは何ですか。

竹内直秀院長 竹内クリニック4

人と人とのつながりを大事にすることです。先ほどの話にもありましたが、患者さんの生活環境も人それぞれです。病気だけを診るのではいけないと思います。その患者さんのバックグラウンドはどうなのかまでを考えなくては、地域に長く根差していくことはできません。ただ病気を診るだけ、というのはどの医者でもできることです。時には治療にまったく関係のない世間話も楽しみ、そういった会話の中から治療のヒントを探り、より良い治療をしていくことも重要だと考えています。それに、患者さんとお話することで私自身も元気をもらっているんです。また説明をする時は、限られた時間で診療室の中でだけになってしまいますので、なるべく要領よく、手取り足取り丁寧に説明をしてるつもりです。専門用語は使わず、わかりやすい言葉で、時には紙に書いて説明もします。

何でも相談できる、よき相談者でありたい

クリニックならではの機器や設備について教えてください。

竹内直秀院長 竹内クリニック5

糖尿病のコントロール指標の一つにヘモグロビンA1Cの数値があります。このヘモグロビンA1Cの1~2ヵ月の平均値をパーセンテージで表す機械を導入しています。1分ほどですぐ測定できますので、身体の状態を知ることはもちろん、患者さんのモチベーションを左右するのにも重要です。結果を見て、今月は頑張ったと自信をつけられる方や、逆に数値が悪いのでもっと頑張らなくちゃと思う方、それぞれですが、結果がすぐわかるとこちらからのアドバイスもしやすくなります。また動脈硬化の検査ができる機械もあります。大きな検査はできませんが、かかりつけ医として幅広い症例に対応できるように必要な機器は用意しています。

ところで、子どもの頃はどんなお子さんでしたか?

ごく普通の子どもでした。特別目立つタイプではなかったですね。いじめっこでもいじめられっこでもない、本当に普通の少年です。中学と高校では陸上で中距離走をしていました。高校に入ってからは音楽が大好きで軽音楽部に入って、ドラムを担当していましたよ。今でも機会があれば叩いて楽しんでいます。本当はバンドを組んでライブをやったりしたいのですが、なかなか難しいですね。今は休日はもっぱら一週間の疲れを取るためにゆっくりしています。

最後に今後の展望をお聞かせください。

竹内直秀院長 竹内クリニック6

父が続けてきたものをそのまま受け継いで、地元に密着したよき相談者として、地域医療に貢献していきたいと思っています。小さい頃から父の姿を見てきて、自然に医師を志しましたが、このやりがいがある仕事を選んで本当によかったと思っています。患者さんからはいつもエネルギーをもらっています。何でも言い合える関係でありたいと考えているので、私も自分のことをどんどん話していますし、患者さんのこともいろいろ教えていただきたいです。病院だからと構えず、遊びに来るような気持ちで気軽に来ていただきたいと思います。病気のことだけではなく、困っていることを何でも相談できるような、人間としてのお付き合いができる医師をめざしていきたいと思います。

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