篠田 繁博 院長、篠田 和宏 副院長の独自取材記事
しのだクリニック
(名古屋市千種区/本山駅)
最終更新日:2026/01/13
覚王山の南、田代本通に立ち、60年近く地域に親しまれてきた「しのだクリニック」。2025年11月現在、敷地内での建て替えが完了し、2025年秋に新築開院された。現在は、2代目である篠田繁博院長と、その息子である篠田和宏副院長の二診体制で、地域住民のニーズに応え、外科、内科、皮膚科、整形外科と幅広く診療を行っている。特に和宏副院長は特定の領域にとどまらず総合的に医療を提供する分野を専門に学んできたドクターだ。「患者さんがどの科にかかろうかと迷うことなく最初に相談できる場所として、お困りの症状をすべて受けつけています」と両先生。在宅医療も行っており、「どなたも気軽に何でも相談してほしい」と話す表情には親子共通の優しい笑みが浮かんでいた。
(取材日2025年11月26日)
患者の困り事に対し総合的な診療を
2025年秋から新しい建物にて診療されているんですね。

【和宏副院長】はい。新しいクリニックは清潔感のある白を基調に、院内には木目調も取り入れて、やわらかく、温かい雰囲気になるよう考えました。患者さんから「楽しみにしています」とお声をかけていただくこともありましたね。新クリニックの待合室は広くして間隔を開けて座れるように意識しました。また、待ち時間も手持ち無沙汰にならないように、病気の情報などをわかりやすく伝えてくれるモニターも設置しました。入り口はスロープに、内部はバリアフリーにして、車いすの方もそのまま入れるようにしました。新しい設備として院内血液検査装置を設置し、一部検査について当日に検査結果が出ることで早期治療につなげるように心がけてまいります。体調の悪い患者さんに「結果は後日です」と言わなくても済み、迅速に治療に結びつけられるようになります。お薬の院内処方もそのままですので、患者さんのご負担が増えることはありません。
長い間、地域医療に貢献されてこられたのですね。
【繁博院長】標榜は内科、外科、皮膚科、整形外科ですが、実際は総合的な診療を行っています。地域のかかりつけ医として、地域の方のお困りの症状をすべて受けつけます、というスタンスで開院当初より診療しています。地域で誰かが担うべき役割として、孤独死された高齢の方など警察からの依頼があれば検視も行っています。
【和宏副院長】私は2024年に当院に着任しました。特定の臓器や疾患にとどまらず、総合的に医療を提供することを専門に学んでおり、救急科外来での経験もありますので、「どの科を受診すれば良いかわからない」といった方は、まず当院に来ていただければと思います。地域の患者さんがいつでもすぐに行ける、最初の相談先になることが、地域のかかりつけ医としての役目だと考えています。
患者さんはどのような方々が来院されていますか。

【繁博院長】長く住まわれている方が多い地域なので、昔から来院されていて高齢になられた方が多くなりましたが、近くに保育園や小学校がありますので、お子さんの定期的なワクチン接種や、働き盛りの方の体調不良や生活習慣病の予防・治療など幅広く対応しています。地域の患者さんが安心して暮らしていけるよう、赤ちゃんからお年寄りまでどなたでも受け入れて診療しています。
最初に相談しやすい身近なクリニック
診療時に心がけていることを教えてください。

【繁博院長】患者さんとコミュニケーションを取り、いろいろなお話を聞くようにしています。高齢の方の独居も多いので、普段の食事など生活状況をお尋ねすることも大切です。可能であれば息子さんや娘さんの連絡先を伺って、いざというときに備えることも必要と考えています。また、薬を複数服用する高齢の方に起こりがちなポリファーマシーの対策としても、処方する薬は必要最低限にと心がけています。
【和宏副院長】患者さんの価値観や健康観、人生観を大切に考えています。症状が同じだから同じ薬・同じ治療方法がベストとはなりません。家族構成や経済状況、お仕事のサイクルなどによりお薬を継続して飲むことが難しいこともあります。目標は健康的な生活を送ること。そのため患者さんとよく話をして調整し、納得していただいた上で治療方針を決めています。その方に合わせたオーダーメイドの医療が提供できるようにと思っています。
副院長は、総合診療がご専門と伺っています。
【和宏副院長】はい。総合診療では、特定の分野ではなく地域のかかりつけ医として幅広く疾患にふれることができました。BPSモデルという考え方で、生物学的な病気からだけではなく、必要な場合には患者さんの考え方などの精神的な部分や、経済状況や家族、社会的な事柄などの側面からも総合的に診療するというものです。病気だけを診るのではなく、その人全体を診る、ということですね。「体に良い薬」というより、その3つの観点から「患者さんの人生にとって良い薬」を患者さんと相談しながら選んでいきます。ある意味、専門分野にとらわれない、幅広い視点で診療しますので、患者さんにも相談しやすいと思っていただけると幸いです。
相談しやすいクリニックが身近にあると安心です。

【和宏副院長】例えば「咳が出る」といっても、原因が肺にあることもあれば、逆流性食道炎、心不全、腎不全、あるいは副鼻腔炎によって出ることもあります。幅広く考えながらアプローチし、診断の上、当院で対応可能であればそのまま治療に入りますし、難しい場合は近隣の高次医療機関や専門クリニックにご紹介します。また、緊急応需と往診応需が当院の特色です。急な体調不良の患者さんから連絡があった場合は可能な限り、時間外でもクリニックを開けたり、通院患者さんが自宅で動けなくなった場合など緊急での往診対応も行っています。急な体調不良ですと、かかりつけ医であれば患者さんも安心するでしょうし、救急患者さんをかかりつけ医がまず診ることで、急性期病院の負担も軽減できます。これは私が病院で救急科外来に勤務していた頃から考えていました。
「来て良かった」と思われるクリニックに
先生方は在宅医療も熱心にされているそうですね。

【和宏副院長】私は急性期病院に勤務後、さまざまな医療機関で在宅医療の経験も積んできましたので、地域の皆さんの力になれると思っています。昔からの患者さんも高齢になられ、病気によっては通院が難しくなりますので、訪問に対応しています。在宅医療で大事なのは、病院とは違う限られた資源の中で最大の成果を出すこと。それが一番の難しさであり、やりがいにもなっています。医師だけでなく訪問看護師やヘルパーさんなど多職種と力を合わせて、どうしたら患者さんやご家族にとって最も良い方法で在宅医療が継続できるか考えます。在宅医療は社会的な制度との兼ね合いもありますので、それも含めて患者さんにとって良い方法を考えていきます。
クリニックのスタッフの方々についても教えてください。
【和宏副院長】スタッフがいないと当院は回りません(笑)。大事な存在ですね。昔から長くいてくれるベテランが多く、ほんわかした雰囲気も当院の特徴かもしれません。自画自賛になりますが、自分がこれまで勤務してきた医療機関の中で患者さんに一番ほっとしていただける医療機関ではないかと思います。スタッフには心の余裕を持って伸び伸びと働いてほしい。心の余裕がないと、患者さんへの態度や言葉もきつくなってしまうと思うのです。ありがたいことに、結婚など個人の事情以外で辞めた人はいませんので、そうした職場環境が実現できているのなら、これからもそうあるよう努めていきたいです。
今後の展望についてお聞かせください。

【繁博院長】これまでと変わらず地域の皆さんのために頑張っていきたいです。これからも地域医療に貢献し、地域の皆さんの健康を見守らせていただきますので、どうぞよろしくお願いします。
【和宏副院長】建物も新しくなりましたし、これまでの良いところは残しつつ、ICT化など時代に合わせた変化は取り入れていきたいと考えています。昔から通ってくださっている患者さんは変わらず通えるように、新しく受診される方にも利用しやすいようなクリニックづくりをしていきたいです。当院の患者さんの年齢層は広いのですが、どなたにも来やすく、「受診して良かった」と言ってもらえるクリニックをめざします。

