若原 和彦 副院長の独自取材記事
若原整形外科
(揖斐郡大野町/モレラ岐阜駅)
最終更新日:2025/12/05
国道303号線と岐阜巣南大野線の交差点「大野交番西」のそばにある「若原整形外科」。広々とした駐車場が完備され、近隣から遠方まで車での通院に便利だ。1985年の開業以来、整形外科全般の診療に対応し、地域住民との関係をじっくりと築いてきた。父である若原和男院長の意志を受け継ぎ、地元大野町で地域医療に貢献する若原和彦副院長は、大規模病院勤務時には整形外科の外科手術にも携わり、術後のケアも含め研鑽を重ねてきた。早期発見と治療をモットーに、骨粗しょう症の治療やリハビリテーションの他、スポーツ障害やデイケアに力を注ぎ、小児から高齢者まで幅広い世代の疾患に対応する。「家族で頼れるかかりつけとして、気軽に広範囲にわたる相談をしてほしい」と話す和彦副院長に、治療や地域医療への思いなどを詳しく聞いた。
(取材日2025年10月20日)
骨粗しょう症の早期発見と治療で、活力ある生活を支援
先生が就任されるまでの経緯を教えてください。

当院は、院長である父が1985年に開業しました。私は日本整形外科学会整形外科専門医を取得し、岐阜大学医学部附属病院の救命センターに1年在籍して外傷を学びました。その後、岐阜県立下呂温泉病院と揖斐厚生病院に合わせて9年間勤務し、整形外科全般、地域医療など幅広く経験を積ませていただきました。総合病院での仕事にやりがいを感じていましたが、やはり自分の育った町で地域に貢献したいという気持ちが強かったものですから、2018年7月に当院に帰ることにしたのです。2019年には、患者さんに快適に過ごしていただけるように昔ながらの部屋を見直し、待合室と診察室を大々的にリフォームしました。例えば、整形外科は腰や足の悪い患者さんも多いので、腰を下ろさなくても休める高い座椅子や、少しだけ高い椅子など、一人ひとりの患者さんが少しでもゆったりと待っていただけるように工夫をしています。
力を入れている治療は何でしょうか。
整形外科全般の症状について診察を受けつけていますが、特に骨粗しょう症の治療に力を入れていますね。骨密度を測定するには、腰と股関節の両方で測る必要がありますので、どちらも測定することのできる骨密度測定器を導入しました。骨粗しょう症は早期発見がとても大切。しかし、かなり症状が進行している状態で発見されることが多いのが現状です。症状が進行している方が骨折してしまうといったん良くなってもまた骨折してしまう、いわゆる「ドミノ骨折」が生じることがあります。勤務医時代には、ドミノ骨折の患者さんを何度も手術させていただきました。その経験から、もっと早く診断し治療をしていれば、重症化せずに済んだだろうということを痛切に感じたのです。重症化する患者さんを少しでも減らすことができればと思い、今の治療に取り組んでいます。
骨粗しょう症を早期発見するために、患者さんが気をつけるべきことはありますか。

例えば、大野町では骨粗しょう症検診を5歳刻みで受けることができます。そういった定期的な検査を受けていただくことが、早期発見につながりますね。あとは、背中から腰にかけての痛みがあったり、身長が低下してきたりといった症状があるようでしたら、一度受診することをお勧めしています。当院では骨密度の検査も行っていますが、50代以降で一度骨折したことのある方には検査を推奨しています。特に、60代以降の女性に非常に多い疾患でもありますので、気になる方は一度ご相談ください。
超音波検査機器を活用し、細かな診断や治療を実施
骨粗しょう症ではどんな治療を行いますか。

以前は薬による治療だけでしたが、最近では薬を飲めないという患者さんが増えています。また、表立った症状が出にくい疾患ですから、治療を中止されてしまう方が多いのです。骨粗しょう症は、いかに長く、しっかりと治療をしていくかが重要です。少しでも治療を続けやすいように、飲み薬だけでなく注射による治療も積極的に取り入れています。注射治療では、ご自宅でご自分で打つ注射からクリニックで打つ注射など、患者さんに合うものをご提案します。当院では、治療を続けて元気になることや、背筋が伸びてきて動けるようになることををめざし、たくさんの患者さんの治療を行ってきました。今後も、患者さんが元気で生き生きと生活できるようにサポートしていきたいと考えています。
エックス線のほか、超音波検査も治療に取り入れていらっしゃると伺いました。
当院では、ポータブルの超音波検査機器を診察室に置いています。エックス線の場合は、どうしても部屋を移動しなければいけません。また、骨軟部組織をしっかり診たい時には超音波での検査が非常に役立ちます。患者さんに痛い場所を確認しながら説明することもできますし、患者さんに納得してもらった上で治療を受けていただくことにもつながります。実際に画像を見ることで治療内容を理解しやすくなり、患者さんにも喜んでいただけるのではないでしょうか。また、関節に注射を打つ場合にも、超音波検査を使用すれば場所を確認しやすいため、注射をはじめとする処置にも役立てています。
病診連携についてお聞かせください。

岐阜大学関連の施設には、以前に研究を一緒に行っていた先生方や、論文の指導をしていただいた先生方がたくさんいらっしゃいます。当院ではそういった先生方と連携を取りながら、治療を行っています。直接お電話がかかってきて依頼を受けることもありますね。この辺りですと西濃厚生病院、大垣徳洲会病院、岐阜清流病院、岐阜市民病院、岐阜大学医学部附属病院などがありますので、整形外科のことでなくても適切な見立てをして他科への紹介をさせていただきます。また、大きな病院にはすぐにかかれないのではと悩まれる方、気になる症状があってもどこに行ったら良いのか迷われる方も多いでしょう。「これは整形外科とは違うかな」と思われても、気軽に相談していただけるのがクリニックの特徴だと思っています。
地域のかかりつけ医として、幅広い世代をサポートする
リハビリにも力を入れてらっしゃいますね。

整形外科のかかりつけ医には、病院で手術をされた患者さんのリハビリを行うという大切な役目があります。病院ですと入院中しかリハビリができない、遠くであれば通えないという方も多いですので、そういう患者さんの受け入れも積極的に行っています。リハビリでは、4人の理学療法士が主に担当します。非常に勉強熱心で、患者さんと一生懸命に向き合うスタッフばかりです。私自身も、過去にはたくさんの手術を経験してきましたので、その知識をもとに理学療法士と一緒になって手術後のリハビリに関わっています。また、当院のデイケアでは、介護保険を利用したリハビリの提供が可能で、ご希望の方には火曜日と金曜日の13時半から15時まで施術を行っています。理学療法士が身体機能に合わせてリハビリを計画し、アットホームな雰囲気を大切にしながら関わらせていただいています。
子どものスポーツ障害について教えてください。
成人の方の骨折後のリハビリ、腰痛や膝の痛み、肩関節の不調の他に、小中学生のお子さんのスポーツ障害についてもリハビリを受けつけています。木曜日・土曜日以外は19時まで診療していますので、学校が終わってから夕方以降に利用していただければと思います。お子さんのスポーツ障害は、早期発見、早期治療が重要です。肘肩などの関節の痛みは超音波検査を行い診断し、痛みが強くない方でも異常がある場合がありますので、全身の柔軟性についても確認しています。早い段階で予防のストレッチや指導を受け、体をやわらかくすることをめざせば、短期間でスポーツへの復帰も見込めます。また、学校で行う運動器検診についても、ニ次検診を積極的に受けつけていますので、ぜひご来院ください。
最後に、今後の展望をお聞かせください。

父が開業してから利用してくださっている患者さんや、そのお子さま、お孫さまがたくさんいらっしゃいます。大野町は、2世代、3世代で暮らしていらっしゃる方や、お子さん世帯が近くに住んでいらっしゃるご家庭が多く、家族の結びつきが強い地域。整形外科は全世代に関わる分野ですから、少しでも地域の方々のお役に立つことができるよう、自分が育った愛着のあるこの場所で、今後も診療を続けていきたいですね。そして、整形外科だけでなく、体のことであれば何でも相談いただけるような「かかりつけ整形外科クリニック」をめざしていきます。

