浅井 徳光 理事長、浅井 雅幸 院長の独自取材記事
浅井耳鼻咽喉科院
(岐阜市/岐阜駅)
最終更新日:2025/02/14

岐阜駅の近くで74年以上の歴史を紡いできた「浅井耳鼻咽喉科院」。母の後を継ぎ1988年から2代目院長を務めた浅井徳光理事長と、3代目の浅井雅幸院長が診療にあたっている。2019年にリニューアルオープンした院内は、木のぬくもりあふれる落ち着いた雰囲気。広々としたバリアフリー設計でキッズルームや授乳室などが備えられ、幅広い患者への気遣いが感じられる。設備へのこだわりも深く、CTや内視鏡、顕微鏡など先進の機器を導入。患者が納得する診察や説明を心がけ、丁寧な診療を行っている。耳・鼻・喉は生活に関わる重要な器官だけに、患者からゆっくりと話を聞くことを大切にしている同院。それぞれの得意分野を生かし、お互いに補い合いながら地域医療に貢献する浅井理事長と雅幸院長からじっくりと話を聞いた。
(取材日2019年10月7日/情報更新日2025年2月14日)
68年間を経てリニューアル。誰もが気軽に集える空間
歴史あるクリニックですね。開業の経緯を教えてください。

【浅井理事長】祖父も母も耳鼻咽喉科の医師なんです。母が祖父の後を継いで、戦前だった当時は大垣や岐阜、名古屋にも分院というかたちで開業していたと聞いています。戦中戦後を経て私が小学生の頃に今の場所に移り、母が再スタートさせたんです。最初は木造でしたが、高校生の時に4階建てビルに建て直しています。私は岐阜大学医学部を出て大垣市民病院に勤務し、また岐阜大学の講師も少しやっていました。こちらに戻り院長に就任したのは1988年のことです。雅幸院長は岐阜大学医学部を卒業し、岐阜大学医学部附属病院をはじめ、多くの病院に勤務し、岐阜県総合医療センターに勤務した後、11年前に当院に入りました。建物が古くなったのとゆくゆくは雅幸院長へ世代交代をし、継承したいという考えから、2019年の9月に今までのクリニックのすぐ隣に、リニューアルオープンしました。
リニューアルの際、どんな点に工夫をしましたか?
【雅幸院長】外観や見た感じとしては、木をふんだんに使って温かく落ち着く空間にすることをコンセプトにしました。キッズルームや授乳の際に便利な小部屋を1室作り、お子さん連れの親御さんが安心して過ごせるスペースを確保しています。結構高齢の方が多いエリアではあるんですが、最近は高層マンションも何棟か建ち始め、小さなお子さんが増えつつあります。幅広い年齢の方が気軽に来院できるよう配慮しました。
検査機器など設備にもこだわりがおありですね。

【雅幸院長】耳鼻咽喉科でCTを設置しているクリニックは珍しいかもしれません。詳細なエックス線画像が必要な時に、今までは大きな病院に撮りに行っていただくしかありませんでしたが、お仕事をされている方だと平日の昼間に時間を割くのはなかなか難しいですよね。当院では仕事帰りの夕方に来ていただいても対応でき、その場でのスムーズな診断が可能です。また、聴力検査器や顕微鏡、内視鏡、鼻の中の洗浄機や吸入器など先鋭のものを備えています。特に内視鏡は細い経なので痛みも少ないです。なるべく画面を患者さんに見てもらいながら説明し、納得していただくように心がけています。顕微鏡も耳の鼓膜を操作するときにミリ単位で操作をしなくてはならない際は、肉眼だとなかなか困難な時がありますので、診察や処置に非常に役立っています。
2人の医師が得意分野を補い合い丁寧な診察を
2人の医師が常駐しているメリットは何でしょうか?

【浅井理事長】昔この辺りは耳鼻咽喉科のクリニックが少なく、当院を受診する患者さんが非常に多く、私1人で診療するのは大変だった時期もあります。それに比べると今は2人の医師がいますから、かなり時間の余裕ができました。患者さんとゆっくり話せるおかげでおうちの状態がある程度わかるんですね。耳鼻咽喉科は局所ですから「ほかに気になることはありませんか?」「どんな生活をしていますか?」「眠れていますか?」など、いろいろなことを把握することが大切なんです。基本的には来院された順番に患者さんを担当しますが、相性もありますから希望がある方には医師を選んでいただくことができます。それから、私は鼻治療を、雅幸院長はめまいの治療を得意としていますので、難しい症例はお互いに補い合えるのもいいですね。
雅幸院長が得意とされているめまいの治療についてお伺いします。
【雅幸院長】めまいの治療は「どんな時にどんなふうにめまいが起こるのだろうか」「どんな瞬間に起こるのか、持続する時間はどうなのか」など問診を通して診療を進めていくことが重要で、話を聞かないと始まらないんです。先ほどの話にも出ましたが、2人医師がいることで、患者さん一人ひとりの診療に時間がふんだんに使えます。患者さんのみならずご家族にも余裕を持って話を伺えるので、患者さんに寄り添った診断はできていると思います。
現在どのような患者さんが来院されていますか?

【雅幸院長】長く通ってくださっている患者さんもいらっしゃって、祖母の代からずっとお付き合いのある方からは「お孫さんですか?」と声をかけられます。3世代にわたり通院してくださるのは、本当にありがたいですね。
【浅井理事長】お子さんの中耳炎や鼻水、副鼻腔炎の方、最近は、お子さんも大人の方もアレルギーが多いですね。今は鼻水が垂れているお子さんは少ないものの、アレルギーで鼻が詰まって寝られないなどといった患者さんが増えています。鼻が悪いと喉や耳にも悪影響があります。中耳炎はほとんど鼻が悪くてなるわけですからね。
近隣の医療機関と連携を密に取り地域医療の発展に貢献
お子さんの診察で注意している点などありますか?

【浅井理事長】お子さんは鼻が詰まっていると、いびきをかいたり口を開けて寝てしまうので寝不足になり、怒りっぽくなったり落ち着きがなくなったりいろんな症状が出てきます。やはり鼻をきれいにして鼻呼吸がうまくできるような処置をしていくことが大切でしょう。5歳くらいになるとアデノイドができるお子さんもいて、口が空いたり息が苦しくなるためアデノイドを切除する扁桃腺の手術が必要になってきます。私も雅幸院長も岐阜大学の出身ですから、岐阜県総合医療センターや大学病院、岐阜市民病院には多くの後輩医師がいますので、連携は非常にスムーズですね。
診療で心がけていらっしゃることについて伺います。
【雅幸院長】今の時代において医療はサービス業だと思っているんです。医療行為というのは良いことだけでなく悪いことも起こり得ますから、しっかりと説明して十分に納得していただくことが大切。こちらが良い治療だと判断したことが、必ずしも患者さんにとって良いわけでなく、患者さんそれぞれの生活習慣への影響をきちんと考慮しながら治療法を考えるということを念頭に置いています。その上でいかに適切な治療を提案していくかが僕らの役割だと考えています。
【浅井理事長】私は岐阜県保険医協会といって1700人の医師と歯科医師が在籍する組織に所属しております。そこでは、私たちの働きやすい環境や生活を守り、地域の人たちの健康を守る活動を行っています。地域医療を発展させるために、ほかの科の先生たちと良い関係を築き近隣の病院やクリニックと連携を取ることが重要です。一番は患者さんの満足感、幸せになっていただくことだと思います。
最後に、地域の方へのメッセージをお願いします。

【雅幸院長】小児から高齢の方まで、どんな症状の方でも「気になればとにかく来てください」というスタンスで、幅広く応えていきたいです。耳、鼻、喉の症状は僕らの専門になりますが、内科や小児科とリンクすることもあり、どちらにかかっていいのか悩まれる方もいると思いますが、相談してくだされば適切な診断や他科への紹介もさせていただきます。何よりも気軽に通院できるかかりつけ医をめざしています。