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荒川 正人 院長の独自取材記事

荒川レディースクリニック

(新潟市西蒲区/巻駅)

最終更新日:2022/12/19

荒川正人院長 荒川レディースクリニック main

JR越後線・巻駅から徒歩12分ほどの郊外にある「荒川レディースクリニック」。れんがの壁に大きな丸窓がおしゃれな建物は、美術館のようなたたずまい。院内も木目調とオフホワイトを基調にしたシンプルモダンな内装で、水族館をイメージした待合室には熱帯魚が泳ぐアクアリウムが心和ませる。健康の悩みを抱えた女性や出産前後の女性はナーバスになりがちだが、少しでも気持ち良く受診してもらいたいという荒川正人院長の心配りが感じられる。この地域で産婦人科の医師だった父の背中を見て同じ道を選んだという荒川院長がめざすのは、生まれ育った町で女性が無事に出産し、生涯を安心して過ごしてもらうこと。穏やかな口調の中に、地元への熱い思いが垣間見えた。インタビューでは、地域医療への思いや、診療での取り組みについて聞いた。

(取材日2022年10月4日)

妊娠・出産から乳児健診、更年期の悩みまで対応

産婦人科の医師を志したきっかけを教えてください。

荒川正人院長 荒川レディースクリニック1

もともと父が産婦人科の医師で、長年、巻の中心部で産婦人科「荒川医院」の院長をしていました。町を歩いていて「こんなに大きくなりました」と、父が子連れの方に声をかけられるのを見て育ち、自然と同じ道をめざすようになったんです。新潟県は全国に比べて分娩施設が少ないといわれる土地。父のクリニックも地域の数少ない産院だったので、将来的に地元での開業を視野に入れ、新潟大学の医学部に進みました。医学部で学ぶ中で、病気を治療することが大切なのは当然ですが、赤ちゃんが無事に産まれて「ありがとう」と言われる産婦人科は特別だと改めて感じました。病院ってあまり行きたくない場所だけど、産院は例外ですよね。

開業の経緯をお聞かせください。

大学卒業後は母校の産科婦人科教室に入局して周産期医療と遺伝について学び、主に新潟県内の病院で10年以上、臨床経験を積みました。父も高齢になったこともあり、2002年に名称を「荒川レディースクリニック」に一新し、父と小児科の医師である妻とともに、この場所に開業しました。もとの「荒川医院」は駐車場がなくて妊婦さんの通院にも不便だったので、郊外の広々した場所に移り、設備も充実させたいと考えたんです。開業にあたっては、「思春期から更年期までの女性の一生のトータルサポート」をコンセプトにしました。地域の皆さんが無事にお産ができるようにすること、月経や更年期のお悩み、婦人科の疾患にも対応することで、生涯、女性が安心して過ごせる町にしたいという思いがありました。

診療内容を教えてください。

荒川正人院長 荒川レディースクリニック2

産科では、妊婦健診、出産、産後の検診など、妊娠・出産に関わる診療全般を行います。妊娠30~32週の妊婦健診時には、ご家族の立ち会いなどの出産時のご要望や、出産後の不安などを伺っています。婦人科では、月経不順や月経困難症、月経前症候群など月経のお悩みや、子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣膿瘍、子宮がん検診など婦人科の疾患から、更年期障害、骨粗しょう症など加齢によるお悩みまで幅広く対応します。不妊の外来では、不妊検査や不妊治療を実施しています。また当院では帝王切開は予定、緊急とも自院で行いますが、卵巣膿瘍や子宮筋腫などの手術が必要と当院で診断した患者さんは連携する済生会新潟病院に私が出向いて手術し、術後は当院に通院していただき治療することもあります。小児科では、乳児健診や育児相談、予防接種といった出産後のフォローに特化した診療を行っています。

心身両面から妊産婦をサポート

診療の際に、どのようなことを心がけていますか。

荒川正人院長 荒川レディースクリニック3

まずは、妥協せずに納得のいく診療を行うことです。勤務医時代、最初の配属先の先生が油断や妥協を一切許さない方で、「命に関わることだから、最後まで気を抜かず、患者から目を離すな」と、事あるごとにおっしゃっていました。妊娠・出産は無事で当たり前と思われがちですが、そうではありません。順調そうだった方が、思いがけず急変することもあります。ずっと先生の教えを肝に銘じて、万が一を想定して、少しでも迷ったら納得いくまで調べ、患者さんから目を離さないようにしています。それから、きちんと患者さんの話に耳を傾け、求められたことにはできる限り対応することを心がけています。この姿勢はスタッフに対しても同じです。医師の立場ではわからないことに助産師や看護師が気づくことも多いので、日頃から対話を大切にしています。スタッフには、いつも本当に助けられていると感じています。

院内設備について教えてください。

床暖房を備えたママスタジオでは、母親学級を実施しています。妊婦健診では、4Dエコーでリアルタイムに立体的な映像で赤ちゃんの様子を見ることもできます。リラックスして出産に臨めるよう、分娩台は広々としたものを導入。分娩室にはセントラルモニターを設置し、私が院内のどこにいても妊婦さんの様子を見守れるようにしています。新生児室は監視カメラやオートロックを備え、すべてのベビーベッドに設置した乳児用呼吸モニターで赤ちゃんの呼吸や体の動きをモニタリングし、乳幼児突然死症候群など不測の事態を防ぎます。また、赤ちゃんの難聴には早期発見・早期治療が言語能力に影響するため、高精度の新生児用聴力検査装置を導入しました。ご希望の方は入院中に計測可能です。そのほか、ビューティールームでは、産後の入院中にフェイシャルエステのサービスをしています。

診療ではどのような点に力を入れていますか。

荒川正人院長 荒川レディースクリニック4

当院では、産後うつなどを防ぐメンタルケアにも力を入れています。実は残念ながら、妊産婦の死因で多いのが自殺といわれています。行政と連携し、定期的に保健師さんと情報交換をして、支援が必要な妊婦さんはいないか、どのような助けが必要かなどを相談します。当院では、退院後1週間を目安に1度、助産師による検診を実施しています。体調や授乳状況などを把握するとともに、育児不安やストレスを強く感じる時期に、話を聞いて気持ちを楽にしていただくことも目的としています。その後も、小児科の医師による育児相談を受けつけたり、子育てをサポートしたりしています。精神科救急が必要な場合には新潟大学精神科にお願いすることもあります。

安心して出産や育児ができる町にしたい

産婦人科の医師としてやりがいを感じるのは、どんなときですか。

荒川正人院長 荒川レディースクリニック5

やはり、当院で産まれた子どもが元気に育つ姿を見られることですね。例えば難しい出産になり、厳しい状態だと思った子どもが無事に育って、元気な顔を見せてくれたら、本当にうれしいものです。さらに、当院で産まれた子どもが大人になって、来院するといったことがあると、やはりやりがいを感じますね。

お休みの日は何をしていますか。

カメラが趣味なので、ぷらぷら風景写真を撮りに出かけます。いい運動と気分転換になるんですよ。当院の丸窓からの景色も、秋には金色のじゅうたんのような稲穂が、冬には一面の雪景色が広がりますが、この辺りは本当に景色のいいロケーションに恵まれているので、撮影場所には困らないですね。

最後に、今後の展望をお願いします。

荒川正人院長 荒川レディースクリニック6

以前に比べると産院も減り、旧西蒲原郡で分娩に対応しているクリニックはとても少なくなりました。少子化で出産数も減少しているとはいえ、正直、大変ではありますが、地域の皆さんが安心してお産できる状態を維持したいという使命感があります。現在も、ハイリスクな妊婦さんなどの対応は、済生会新潟病院や新潟市民病院、新潟大学医歯学総合病院と連携を図っていますが、2024年頃に三条市に開院する県央基幹病院との連携も視野に入れています。安心して出産できる町、子育てがしやすい町として、生まれ育った地域が栄えてくれたらうれしいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

新生児用聴力検査/6600円~

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