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金子 晋 院長の独自取材記事

金子医院

(新潟市西蒲区/岩室駅)

最終更新日:2022/08/01

金子晋院長 金子医院 main

JR越後線岩室駅から徒歩約5分の場所にある「金子医院」は、現在の金子晋院長が3代目。しかし、それはこの地に開業したのが金子院長の祖父にあたるためで、少し離れた場所で江戸末期に医師をしていた祖先から7代続く医師の家系なのだという。まさに、長年、地域医療を担ってきたクリニックといえる。金子院長の専門は糖尿病や内分泌疾患だが、それらの疾患の専門的な治療と、内科全般に対する地域のかかりつけ医としての診療を二本柱に、診療に勤しむ。「地域に望まれる医療を提供することが何よりも大切」という金子院長に、医師としての歩みから在宅医療における地域連携まで、地域医療にかける思いを聞いた。

(取材日2022年6月9日)

地域医療と糖尿病の専門的な治療が二本柱

代々、医師の家系だそうですね。

金子晋院長 金子医院1

江戸末期、和納村で先祖が医師をしており、私は7代目になります。でも、この場所で開業したのは祖父なので、病院のホームページでは3代目としています。ここに移る前は、実家の場所で開業していたそうです。祖父は眼科の医師でしたが、昔のことなので、体調が悪くて訪れる患者さんを診察していましたし、精神科を専門にしていた父も、当院を継いでからは内科の診療をしていました。こういう家に生まれ、地域の皆さんに頼られる祖父や父の姿を見て育ったので、自然に、将来は医師として後を継ぐのだと思うようになりました。高齢の患者さんには、祖父、父、私と3代にわたって診察している方もいますし、ご家族で代々、当院に来院されている患者さんもいますよ。

院長ご自身の、医師としての歩みをお聞かせください。

東邦大学医学部に進学して関東に出ましたが、当院を継ぐことを考えて、卒業後は新潟大学の医局に入り、まずは新潟大学医歯学総合病院第一内科に勤務しました。将来、開業医になったときに幅広くさまざまな疾患に対応できるよう、専門は糖尿病に決めました。合併症が多岐にわたり、全身を診る必要があるからです。高齢者が多いという当院の地域性からも、糖尿病の患者さんを専門的な立場から診られるのは強みになるというのもあります。立川綜合病院、長岡赤十字病院、新潟市民病院などの総合病院に配属され、内分泌系の内科で、糖尿病をはじめとする内分泌疾患の診療を10年ほど経験しました。そして、2003年から父と一緒に当院で診察にあたり、5年ほどたってから院長に就任しました。

現在の診察内容を教えてください。

金子晋院長 金子医院2

内科や小児科、予防接種、健康診断といった地域医療と、糖尿病、甲状腺疾患、内分泌疾患といった専門医療の2本柱になります。他の医療機関から糖尿病の患者さんが紹介されることもありますし、専門の医師としての役割を果たすことは大切です。同時に、ホームドクターとして幅広く健康のお悩みに対応することは、地域の皆さんのニーズに応える重要な役割です。高齢者の多い土地柄、なかなか遠方まで足を運べないため、まずは当院を受診するという方は多いんです。そこで、他の診療科の受診や精密検査が必要な場合は、他の医療機関の受診を勧めるのもホームドクターの仕事です。また、来院が難しい方や在宅医療を選択されている方への訪問診療も行っています。

24時間の血糖変動のモニタリングも可能

糖尿病患者への診療は、具体的にどのような内容なのでしょうか。

金子晋院長 金子医院3

検査、検査結果の解釈・説明、生活改善の指導やインスリン投与などの治療になります。検査については、血糖値や、1〜2ヵ月間の血糖の状態がわかるHbA1cといった、採血による一般的な検査に加え、必要な場合は持続血糖測定器によるモニタリングも実施します。これは、体に貼ったセンサーにより5分間ごとに24時間の血糖変動を計測するというもの。睡眠時も含め、1日を通じての血糖の状態を把握し、血糖コントロールに役立てたり、インスリンを投与している方が早朝に高血糖を起こしていないか知ることができるんです。また、糖尿病の治療では、患者さんの背景や生活を把握し、改善のための指導をするので、プライベートにまで踏み込む必要もあり、大変ですが、地域医療の担い手として患者に寄り添いたくてこの道に進んだので、苦にはなりませんね。

訪問診療についてお聞かせください。

当院では、早くから訪問診療を行っていました。来院して受診していただくのがベストですが、高齢で来院が困難な患者さんも少なくありませんし、ご家族の希望もあります。それから、コロナ禍で、入院すると面会できなくなってしまうので、家族と過ごすために在宅医療を希望される方も増えました。また、ご自宅で最期を迎えたいという患者さんのターミナルケアや緩和ケアも行います。一時期、病院で看取る流れになったときにはそういったニーズは減りましたが、今は住み慣れた家で家族に看取られることを希望する方が増えてきています。

この地域には在宅医療のネットワークがあるそうですね。

金子晋院長 金子医院4

新潟市は地域医療や在宅医療に力を入れていますが、ここ西蒲区は以前から積極的に取り組んできました。言われたように在宅医療ネットワークというものがあって、医療機関、介護施設や訪問看護ステーションのスタッフが在宅医療で連携したり、意見交換をしています。医師も協力体制をとり、不在にするときなどは、他の医師に担当患者への対応をお願いできます。医師が自分だけで抱え込んでしまうと、24時間365日、備える必要があって厳しいですが、助け合えるのはありがたいです。また、糖尿病の治療には、血糖のコントロールが欠かせませんが、独居の高齢者には、高血糖と低血糖を繰り返して状態が不安定で、食事も不規則なので、インスリン注射してもコントロールが難しい患者さんもいます。そういう場合は、食事のケアまでは関与できないので、行政や包括支援センターと連携して治療にあたります。

かかりつけ医としてなんでも相談してほしい

医師として苦労することや、やりがいを感じることを教えてください。

金子晋院長 金子医院5

例えば、在宅での看取りを選択した患者さんには、ご本人に対する治療だけでなく、ご家族へのケアも必要なので、配慮が求められます。ご家族も含めて意思確認や、緩和ケアなど限られた医療の提供になること、病院での積極治療に切り替えも可能なことなどを、しっかり説明します。後悔するようなことになれば、ご本人もご家族もつらいですから、それは避けなければいけません。ご家族から「ありがとうございました」と感謝の言葉をいただけると、やりがいというか「良かったな」と感じますね。

大変なお仕事ですが、ストレスをためない工夫はしていますか。

しっかりオンとオフの切り替えをすることです。在宅医療もしていますから、時間外でも何かあれば即座に仕事モードになって対処しなくてはいけませんが、基本は、クリニックを一歩出れば、もう医者ではないよ、というスタンス。スイッチの切り替えには車で30分ほどの通勤時間がちょうどいいんです。友人には「30分の通勤、大変だね」と言われるけど、逆に5分しかなかったら切り替えられないんじゃないかな。何も考えず、好きな音楽を聴きながら運転する間に、帰宅時はオフに、出勤時はオンにと、自然にスイッチが切り替わるんです。

最後に、読者の皆さんへのメッセージをお願いします。

金子晋院長 金子医院6

できるだけ、かかりつけ医を持つことをお勧めします。大きな病院では細かく専門が分かれているため、複数の診療科を回らないといけないケースも少なくありません。ですのでまずは、かかりつけ医に相談することです。当院でも患者さんが不調を訴えるのを聞いた上で、検査をしたり、他の診療科や専門的な医療機関の受診を勧めるなど、必要に応じた対応をします。私自身、これからも地域に望まれる医療を提供し、地域の皆さんの健康を支えるために可能な限りの対応をしていきたいと思っておりますので、健康に関するお悩みは、なんでもご相談いただきたいと思います。

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