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山崎 雅彦 院長の独自取材記事

座間小児科診療所

(座間市/座間駅)

最終更新日:2023/06/12

山崎雅彦院長 座間小児科診療所 main

成長過程ではよくあることだとわかっていても、発熱、咳、嘔吐、下痢などで苦しむ子どもを前に平気でいられる親はいないだろう。「座間小児科診療所」の山崎雅彦院長は、症状を引き起こしている原因を検査で突き止めた上で適切な治療方針を決定し、「なぜその治療なのか」をわかりやすく説明することで親の不安の解消に努める。「それでも不安なときは、何度でも様子を見せに来てもらって構いません」と話す温かな人柄にふれ、子どもの成長をともに見守ってくれる心強い存在として信頼を寄せる人は多い。「めざすのは、子どもの病気の“総合診療の専門家”。感染症はもちろんアレルギー、発達の悩みまで、何でも相談してください」とほほ笑む山崎院長に、気になる感染症への心構えや、診療方針について聞いた。

(取材日2021年3月3日/情報更新日2022年8月25日)

小児の疾患全般に対応。病原の特定に基づく治療を行う

50年以上にわたって地域の子どもたちの健康を見守ってきた小児科だと聞きました。

山崎雅彦院長 座間小児科診療所1

1968年に私の父が開業し、2002年に私が継承しました。過去には24時間対応をしていたこともあったのですが、現在では急患対応を行う施設や基幹医療施設に救急対応を任せ、地域に根差した診療を主体としています。座間市内には、総合病院などに比べて受診のハードルが低く、急な容体の変化があったときも気軽に相談できる小児科専門のクリニックが少ないんですよ。当院のような身近な小児科があることで、地域の患者さんの安心につながればいいなと思っています。子どもによくある発熱や咳などの症状はもちろん、アレルギーの検査や発達の相談などにも応じていますので、気軽にいらしていただきたいですね。

子を持つ親にとっては心強いですね。

めざすのは「子どもの病気の“総合医療の専門家”」。感染症以外にも、アレルギーや呼吸器、消化器疾患など小児の疾患全般への対応が可能です。発達に関する悩みや不安、例えば「発達障害なのではないか」といった悩みを抱えて相談に来られるケースも少なくありません。診断がつくようになったことで、昔なら個性として受け止められていた範囲が狭くなった感じはありますが、お話を伺った上で必要に応じて適切な医療機関への橋渡しをしています。花粉症が本格化する季節は、アレルギーに関する相談も多いですね。当院では、治療の裏づけを重視しているため、積極的に検査を行って原因の特定に努めています。

感染症においても、病原の特定に力を入れておられるそうですね。

山崎雅彦院長 座間小児科診療所2

勤務医時代に「インフルエンザ迅速診断キット」の臨床試験のお手伝いをしたことがきっかけで、感染症の臨床研究に取り組んできました。そこで得た研究成果を今度は臨床に生かす形で、お子さんの発熱を単なる風邪と一括りにせず、検査をして病原を特定する診療を心がけています。現在は感染症の多くに検査キットができ、院内ですぐに結果を出すことが可能になりました。病原がウイルスであると特定されれば、抗生剤は作用しませんから、対症療法と安静が適した対応であることがわかります。このように検査結果と合わせて治療の根拠を示すことによって、薬剤耐性菌の発生につながる抗生剤の乱用を防ぐとともに、親御さんにも安心してお子さんを見守っていただけると思います。

親子で安心して治療に臨めるような環境づくりに尽力

新型コロナウイルスの感染拡大で、子どもの発熱に不安を感じる親も多かったのではないかと思います。

山崎雅彦院長 座間小児科診療所3

3年近くの新型コロナウイルス感染症の流行で、当初は少なかった子どもたちへの感染も、現在は多く見られるようになりました。しかしながら子どもの場合は、感染しても大人よりも軽い症状で経過することがほとんどですので、過剰な不安は抱かないようにしてください。現在当院では、迅速抗原検査を多用することで、リアルタイムの診療を行うように心がけおります。

結果はどのくらいでわかるのでしょうか。

新型コロナウイルスの迅速抗原検査の結果は10分ほどで判明します。感染症の検査でいうと、他にもインフルエンザは5分ほどで結果が判明します。ですが、いずれの感染症も、発症初期の検査では判定が困難です。夜間の発熱などの場合は、慌てて救急を受診せず、翌日昼間の外来を受診していただきたいと思います。また、新型コロナウイルス感染症の流行で減少していた、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルス、アデノウイルス、手足口病、へルパンギーナなどの多くの感染症の流行が戻ってきました。発熱などの場合、ついつい新型コロナウイルスを心配される親御さんが多いのですが、子どもにとっては、従来からのこのような感染症のほうが重篤化する可能性が高いことを、ご理解いただきたいと思います。

院内感染予防にも以前から気を配っておられますね。

山崎雅彦院長 座間小児科診療所4

メインの待合室と2ヵ所の隔離室を設けて、感染性の強い病気に対しても院内感染を防ぐ取り組みをしてきました。電話やウェブからの予約システムを採用し、予約時間に合わせて来院していただくことによって院内で長くお待たせしないようにしたり、入り口で靴を脱いでいただいたりといったことも、感染防止の観点から意味があると考えています。クリニックの前に駐車場があるので、順番が近くなるまで車の中でお待ちになる方もいらっしゃいますね。電子カルテの導入で診療から会計までの待ち時間も少なくなりましたから、あまり心配しすぎずに受診してほしいと思います。

重い合併症を防ぐには、予防接種が重要

特に注意すべき病気、対処方法はありますか。

山崎雅彦院長 座間小児科診療所5

以前は、おたふく風邪や水ぼうそうは「かかれば免疫がつくので予防接種は不要」と誤解されていました。しかし、感染で起きる合併症のリスクを考えると、現在は予防接種で防いでいくべき病気であるというのが小児科の常識です。おたふく風邪は「流行性耳下腺炎」と呼ばれるウイルス感染症。ウイルスが耳の器官を破壊して難聴を引き起こすケースもあります。私が診療にあたった中でも、実際におたふく風邪による難聴になってしまったお子さんが何人かおられました。どの子も片耳だけだったのが不幸中の幸いですが、落ちた聴力は戻りません。こうした経験から、当院を受診されるお子さんすべてに予防接種をお勧めしています。予防接種で病気を100%防げるとはいえませんが、かかりにくくしたり重症化を防いだりすることは期待できますから、ぜひ接種を検討してください。

休診日はどのようにお過ごしですか?

座間綾瀬医師会の理事などを兼任しているので、休日も仕事をしていることが多いのですが、時間が取れれば音楽に親しんでいます。音楽は聴くのも演奏するのも好きで、演奏のほうは大学の部活でフルオーケストラに参加したのをきっかけに、現在も近隣の市民オーケストラや医師と医療関係者で構成された楽団に参加しています。担当はホルンで、管がとても入り組んで巻かれたメカニカルな感じが好きで選んだんですよ。コロナ禍以前には、世界中の音楽を愛する医師が集まる演奏会にも、渡米して参加してきました。音楽自体も好きですが、他科医師や医師以外の方と知り合いになり、打ち上げでお酒を飲みながらいろいろな話ができるのも楽しいですね。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いいたします。

山崎雅彦院長 座間小児科診療所6

地域医療における小児科で、もっとも大切なことは「予防医学」だと思います。疾病に対する治療は当然大事なのですが、それ以上に防げる病気を予防することは重要です。そうした意味で、予防接種や健康診断は欠かすことのできない大切なもの。予防接種や乳児健診は、一般診療とは枠を分けて診療日の14時から15時に行っていますから、予約をしてお越しください。また、なかなか相談しにくい夜尿症、近年増加している小児の便秘症などに対しても積極的に治療を行っています。お子さんの個性や家庭環境に合わせた治療を行うためにも、お子さんの成長とともに歩み、長くお付き合いしていきたいですね。

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