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川口 英樹 院長の独自取材記事

川口医院

(平塚市/平塚駅)

最終更新日:2025/10/06

川口英樹院長 川口医院 main

平塚駅から歩いて約13分、国道1号線沿いで90年以上続く「川口医院」。2018年に3代目院長に就任した川口英樹先生は、心臓血管外科での診療を経て、内科から整形外科まで幅広く診療する。患者一人ひとりとじっくり向き合うことを大切にしている。生活習慣病治療では早めの薬物療法も含めた現実的な対応を心がけ、「近所の駄菓子屋さんに行くぐらいの感覚で来てもらえれば」と親しみやすさを大切にする。時に診療時間が長引きスタッフから注意されることもあるというが、それも丁寧な説明が必須であると考える先生の信念の表れだ。心臓血管外科で培った全身を診る視点と、患者の心理に配慮したコミュニケーション術について聞いた。

(取材日2025年8月8日)

心臓血管外科の経験が生きる総合診療

90年以上の歴史があるクリニックの院長になられた経緯を教えてください。

川口英樹院長 川口医院1

1934年に祖父が産婦人科として開業し、父が引き継いだ医院でした。私が院長になったのは2018年7月のこと。父がまだ現役の頃に私が戻ってきて、2人で診療していく中で、私が診られる内科、呼吸器内科、循環器内科、整形外科を加えていきました。幼少期は産婦人科医だった父を見て育ちましたが、当時は休む暇もなく働く姿を見て、医師になりたいとは思っていませんでした。父からも医師になることを強要されたことはなかったのですが、結局、心臓血管外科という過酷な科を選びましたね。その根底には「父を超えて見せる」という生意気な気持ちもあったかもしれません。今では地域の皆さんのお役に立てることにやりがいを感じています。

心臓血管外科を専門にされた理由と、その経験について教えてください。

関西医科大学卒業後、外科手術の技術に興味があったため胸部心臓血管外科に入局しました。いざ入ってみたらとんでもなく過酷な科で、24時間もの手術に携わったりと、体力的にも精神的にも一番きつい環境でした。術者として一人前になるには至りませんでしたが、チーム医療で多くの症例を経験したのは財産です。技術を鍛えたというより、ひたすらメンタル面、人間的な部分を鍛えられた気がしますね。

なぜ内科から整形外科まで幅広い診療科に対応されているのですか?

川口英樹院長 川口医院2

大学病院から出向した先が、小さいけれど地域医療をすべて担う病院で、そこでいろんな患者さんを診ることになりました。当時の胸部外科の先輩たちは「みんな何でもできて当然」という風潮があって、脳外科も整形外科もやっていました。それを見習って幅広い診療に関われるようになりました。そもそも心臓血管外科って頭のてっぺんから足のつま先まで見る科なんです。新生児から高齢者まで、男女問わず全身管理が必要になる科なので、自然と幅広く見る目を培いました。中枢神経系や肝臓や腎臓、内分泌系、もちろん呼吸器など、ありとあらゆる臓器と心臓血管外科とは深い関係があります。さまざまな体調不良を抱え悩んでおられる患者さんを、必要に応じて専門的な治療機関へつなぐお手伝いをするのも大事な役割だと考えています。

一人ひとりの状況を踏まえた治療を実践

生活習慣病の治療において大切にしていることは何ですか?

川口英樹院長 川口医院3

生活習慣病の治療内容は一律には決められません。生活習慣を変えられる人もいれば、なかなか変えられない人もいるからです。塩分を控えられる人なら薬が少なく済むかもしれませんが、控えられない人は薬が多くなってしまうかもしれません。人の生活習慣って、仕事から家族構成、お子さんの有無まで全部関わってきます。それを一人ひとり把握するのは大変ですが、必要なことです。まず生活習慣の改善を促し、改善しない場合に薬を出すというのが理想かもしれませんが、私は必要な薬は早めに飲んでいただき生活習慣が改善されたら、薬をなるべく減らしていくというのが現実的だと思っています。そうしないと、ひどい状態を長く放置することにもつながりかねないからです。患者さんごとに生活背景を踏まえて、現実的で柔軟な対応を心がけています。

患者さんとのコミュニケーションで工夫していることはありますか?

特に工夫はしていません。患者さんとのコミュニケーションなくして診療は難しいというのが当然の姿勢だと思っています。「そんなに細かいことまで聞くの?」と思われるかもしれませんが、私にとっては普通のことです。世間話も診療の一環だと思っています。ただ、患者さんと脱線して話していると、スタッフから「先生」と注意されることもあります(笑)。経験が増えると、この人はこうなんだろうなという予測ができて、聞くべきポイントが早くわかるようになりました。でも一人ひとり違いますから、しっかり時間をかけることは変わりません。

患者さんの心理面への配慮で心がけていることは?

川口英樹院長 川口医院4

話す際の雰囲気を大切にしています。言いにくいこと、なるべくならふれてほしくないこともあると思いますが、診療に必要なことを理解していただき、自然に語っていただけるような雰囲気を作る言葉選びや話し方に気をつけています。もちろん必要があって聞いていることではありますが、プライベートの深いところまで入り込むので、医師というのは大変な職業だと思います。

気軽に相談できる町のかかりつけ医

スタッフさんとの連携で大切にしていることは?

川口英樹院長 川口医院5

父の代から続けている看護師さんもいて、長く一緒に働いています。スタッフには、気を使って言いたいことを言えない患者さんの気持ちをくみ取ってあげたり、症状や困っていることをうまく言葉にできない時にポイントを引き出したりすることを心がけてもらっています。僕の診察がはじまる前の問診で、患者さんが頭の中を整理するお手伝いをすることにより診療の質が大きく上がります。時には診療が長引いて怒られることもありますが、それも含めて良い関係性だと思います。窓口のスタッフや裏方の事務も含めてチームで患者さんを支えていることを忘れずに日々の診療をしています。

今後の展望について教えてください。

さらにきめ細かくオーダーメイドの対応ができるようにしていきたいです。オンライン診療を少し入れてもいいかなとも思っています。ただ、いわゆるオンライン診療じゃなくて、普段来ている患者さんがどうしても来られない時、出張中の時に特別にオンラインでという限定的なものです。オンラインのみは私は考えられません。患者さんにとってどうしても都合が悪い時に利用できる選択肢として今後取り入れたらいいなと考えています。

地域の皆さんへメッセージをお願いします。

川口英樹院長 川口医院6

生活習慣病は自覚症状がないから放っていいということではないんです。血圧が高くても、コレステロールが高くても痛くもかゆくもない。ではなぜ治療が必要なのかということをしっかり説明して理解していただいています。生活習慣病の薬は飲み始めたら一生飲み続けなくてはならないのか疑問に思われている患者さんもいらっしゃると思います。そうなる場合も、そうならない場合もありますので、なぜなのかをとことん説明します。そのため、まずは近所の駄菓子屋さんに行くぐらいの感覚で来てもらえればいいのかなと思っています。あと、何科に行ったらいいかわからない人もとりあえず相談に来てください。役に立てる場合は助けになりますし、専門外の場合でも専門の先生を紹介します。気軽に来てほしいというのが一番の思いです。

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