自覚しにくい慢性腎臓病
健診で指摘されたら早期受診を
加藤医院
(世田谷区/豪徳寺駅)
最終更新日:2025/11/10
- 保険診療
疾患があってもなかなか自覚症状が出にくいことから、「沈黙の臓器」とも呼ばれる腎臓。慢性腎臓病の怖さは、本人が気づいていないうちに病状が進んでしまうことにあるが、症状がないからと放置したままでいると、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まるだけでなく、進行すれば透析治療が必要になる恐れも。「何より早期発見・早期治療が大切。健康診断で異常を指摘されたら、まず一度受診してほしい」と訴える加藤徳介(のりゆき)先生は、「加藤医院」の3代目院長。腎臓内科を専門とし、数多くの慢性腎臓病患者の診療を行っている。今回はそんな加藤院長に、慢性腎臓病のリスクや治療法などについて説明してもらった。
(取材日2025年10月3日)
目次
透析治療に至らないための早期発見が重要。生活習慣病との関わりも強い腎臓病は、食事指導を基本に対策を
- Q慢性腎臓病とはどのような病気ですか?
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A
▲加藤医院では生活習慣病の相談にも対応
何らかの腎障害が3ヵ月以上持続している状態を、慢性腎臓病と呼びます。腎障害の具体例としては、タンパク尿や血尿が見られるなど尿の所見に異常がある場合や、腎臓に形態的な異常が見られる場合、また、血清クレアチニン値と年齢・性別から計算されるeGFRという、腎臓が老廃物を尿へどれだけ排泄できているかを表す数値が60よりも低い場合などです。慢性腎臓病を引き起こす原因としては、糖尿病や肥満などの生活習慣病が挙げられ、また高齢になり臓器の機能が衰えていく中で、高血圧が起因して腎臓の障害が発生するケースも多いです。
- Q慢性腎臓病はどのような人が注意すべき疾患ですか?
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A
▲気軽に相談してほしいと話す加藤徳介院長
健康診断で、尿所見の異常やeGFRの値を指摘された場合が一つの目安です。さまざまな疾患に言えることですが、暴飲暴食や喫煙は腎臓にも悪影響を及ぼすため注意が必要です。痛み止めを常用している方も腎機能低下を招くことがあります。慢性腎臓病の治療では、原因となる生活習慣の改善と、腎機能を悪化させる要因の除去が重要です。腹囲の増加、高血糖、高血圧、高尿酸血症などを指摘された方、あるいは鎮痛薬を続けている方は、まだ腎臓の機能が落ちていなかったとしても注意が必要でしょう。
- Q慢性腎臓病を放置するとどのようなリスクがありますか?
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A
▲早めの受診が肝心。気になることは医師に相談を
慢性腎臓病が進行すると、腎臓の機能が低下して老廃物の排泄が困難になり、その結果、透析治療を行う必要が生じてきます。また、慢性腎臓病の人は脳梗塞や心筋梗塞など、血管の疾患のリスクが上がることもデータとして知られています。透析治療が必要になると週3回、何時間もかかる治療を受ける必要があり、生活の質にも大きく影響します。できる限り透析治療にまで進まないためにも、早めに受診して相談してほしいと思います。
- Q受診のタイミングの目安を教えてください。
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A
▲複数の治療方法を提示し、患者に寄り添う治療方針
腎臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれており、機能の低下や疾患があっても自覚症状が出にくい臓器です。気づいた時には、重篤な状態まで疾患が進行していることも少なくありません。ですから、健康診断でタンパク尿や血尿といった尿所見の異常があったり、eGFRの数値が低かったりした場合には、まず一度受診することが大切です。年齢を重ねると自然に腎機能は少しずつ低下するため、高齢の方ではeGFRが60未満になることは珍しくありません。一方で、60歳未満の方でeGFRが60を切ることはあまり多くありませんので、健診で指摘された際は早めに医療機関で確認されると安心です。
- Qこちらで対応できる治療について教えてください。
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A
▲訪問診療への対応も始まった
腎臓病の治療は、まず生活習慣の改善から始めます。特に食事指導が大切ですが、高齢の方では過度な制限で体力が落ちることもあるため、状態に合わせた指導を行います。必要に応じて薬物療法も併用し、SGLT2阻害薬など新しいお薬を慎重に活用します。腎機能が大きく低下した場合は、腹膜透析・血液透析・腎移植、また「透析を行わない」選択肢も含め、患者さんのご意向を尊重して丁寧に説明します。腹膜透析は訪問診療を含め当院で継続的に支援し、血液透析は専門医療機関へ速やかにご紹介いたします。

