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矢野 潔 院長の独自取材記事

矢野医院

(成田市/滑河駅)

最終更新日:2025/03/03

矢野潔院長 矢野医院 main

1949年の開業以来、地域に根差した診療を行う「矢野医院」。内科・消化器内科を標榜し、何でも相談できるかかりつけ医であると同時に、消化器内視鏡や放射線科などの専門的な検査も提供する。両親の後を継ぎ理事長を務める矢野潔先生は、内視鏡検査のエキスパートでもある。疾患の早期発見・早期治療をめざして検査施設の充実を図り、腹部や心臓の超音波検査装置、オープン型MRI、マルチスライスCTなど先端の機器や技術を導入。同院には、近隣クリニックからの紹介で足を運ぶ患者や、急な体調不良で同院を頼り駆け込む患者も多いという。「今後も患者さんに苦痛の少ない検査や良質な診療を心がけ、地域の健康に貢献できれば」と話す矢野理事長に、診療のこだわりや医院の特色などを聞いた。

(取材日2024年10月25日)

充実した検査設備を整え疾患の早期発見・治療に努める

1949年開業と、とても長い歴史のあるクリニックなのですね。

矢野潔院長 矢野医院1

最初は私の叔母がここに「加藤医院」という名前で開業し、叔母が引退した後に小児科の医師であった私の父が引き継ぎました。同じく小児科の医師だった母も一緒に、長年夫婦で診療を続けてきました。90歳の母は昨年まで現役で診療していたんですよ。現在は両親の後を継ぎ、私が当院の理事長を務めています。お子さんたちが成長しても通ってくれたり、親子5代で通い続けてくれたりする患者さんもいて、とてもありがたいですね。

どんな患者さんが多いのでしょうか?

現在は小児科を標榜していないので成人の患者さんが対象になりますが、本当にいろいろな症状の方がいらっしゃいます。内科・消化器内科を標榜していますので風邪や腹痛などの患者さんはもちろんですが、心筋梗塞や脳梗塞の患者さんが駆け込んでくることもあり、救急の現場のような役割を果たすこともあります。当院はMRIやCT、内視鏡などの検査機器が一通りそろっていますので、検査のためにいらっしゃる患者さんも多いです。近所のクリニックからの紹介で整形外科疾患の患者さんが当院に精密検査を受けに来て、その後も内科疾患についてはかかりつけ医として通ってくれることも。私の姉が担当する糖尿病専門の外来、発熱の外来に訪れる患者さんもいます。

設備面が非常に充実しているのが特徴的ですね。

矢野潔院長 矢野医院2

病気の早期発見と専門的な治療のために設備面の充実にはこだわっています。導入したマルチスライスCTは短時間で精密な検査が行えるCTで、従来は発見しにくかった微小な病変の診断にも役立ち、肺がんや膵臓がんなどの早期発見が期待できます。MRIは脳や脊髄、神経など骨周辺の鮮明な画像を得ることができ、くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤などの早期発見にも有用です。当院はオープン型MRIを導入していますので、閉所が苦手で一般的なMRI検査は受けられない方も来られます。また、組織の硬さを識別できる新しい技術を有した超音波診断装置を用いた、女性臨床検査技師による乳腺検査も実施しています。MRIは1989年頃に父が導入したのですが、当時としては非常に画期的だったと思います。父は「これからの医療にはMRIやCTが必要だ」と暇さえあれば本を読んだり大学病院に足を運んだりして、相当勉強していたようです。

AI搭載の装置と技術で苦痛の少ない内視鏡検査

専門の内視鏡検査については、どのような点を重視されていますか?

矢野潔院長 矢野医院3

「内視鏡検査はつらいから受けたくない」という人も多いので、患者さんにとって楽な検査を行うことを大切にしています。例えば、胃の内視鏡検査は経鼻内視鏡も使用します。経鼻は経口と比較して画質が良くないといわれることもありましたが、当院では2020年に胃の内視鏡検査機器を一新し、極細径の経鼻でも精密に撮影できるようになりました。これまでに内視鏡検査で苦しい経験をした方には、弱い麻酔を使うことも可能です。大腸内視鏡では、大腸を膨らませる際に粘膜から吸収されやすい炭酸ガス(CO2)を使用することで、検査後の腹部の膨満感や不快感の軽減を図ります。自分でも内視鏡検査を受けて、どこでストレスを感じるのか、患者さんの気持ちになって改善しています。2024年にはAIによる診断支援システムも導入して、微小な変化も見逃さず、より精密な診断ができるようになり、いっそう安心して受診していただけるようになりました。

チームワークも重視されていると聞きました。

おかげさまで毎日多くの患者さんに足を運んでいただいていますが、頼もしいスタッフに本当に助けられています。私の他に非常勤医師3人、看護師9人、診療放射線技師3人、その他にも糖尿病専門のスタッフ、臨床検査技師、事務職員らで診療にあたっています。緊急の患者さんの場合も看護師が必要な検査や処置を迅速に判断してくれますし、診療中に私に代わって電子カルテを入力してくれる専門の事務スタッフもいるんですよ。その分、私は診療に集中することができるので、非常に助かっています。スタッフには常に「患者さん第一で、患者さんのために」ということを伝えています。

診療の際に心がけていることを教えてください。

矢野潔院長 矢野医院4

具合が悪くて来院された患者さんに検査を実施する時に、検査はまた後日、さらにその検査結果は1週間後というように、お待たせすることは避けたいと思っています。できるだけ早く検査を行い、結果も検査当日中にお伝えするようにしています。例えば、足がしびれるからと医療機関に行って、1週間後に検査を受けたら脳梗塞だった場合、その患者さんは1週間、脳梗塞が重症化するリスクを抱えながら生活していたことになりますよね。そんな事態を防ぐためにも、専門的な検査を提供しつつ、迅速な対応を心がけていきたいと思っているのです。ただ、それによってどうしても一人あたりの診療時間が長くなることもありますし、当院は具合が悪くて駆け込んでくる患者さんも多く、そういう方を優先的に診る関係で、待ち時間が長くなってしまうこともあります。しかし、患者さん一人ひとりを丁寧に診させていただきますので、どうかご了承いただければ幸いです。

早期発見で人を救うことを、医師としてのやりがいに

先生が医師を志したきっかけを教えてください。

矢野潔院長 矢野医院5

両親も姉も医師という医療家系で育ちましたので、小さい頃から自然と自分も医師になるものだと思っていました。私の名前も、赤痢菌発見者の志賀潔からもらっているそうです。そんな話を幼い頃から聞いていたら、「医師になるしかない」と思いますよね。医師になりたての頃にいろいろな診療科を回り、最初は心筋梗塞などの患者さんを助けたいと循環器内科に興味を持ちましたが、「将来開業するなら、内視鏡ができたほうがより多くの患者さんを助けられるぞ」と友人にアドバイスされ、内視鏡の道に進みました。内視鏡検査で早期に病気を見つけることができれば、多くの患者さんを救うことにつながるかもしれず、やりがいにもつながっていきますので、その選択をして良かったと思っています。今後も患者さんが敬遠せずに受けてくれる苦痛の少ない内視鏡検査を心がけ、早期発見に貢献していきたいと思います。

これまでに多くの経験を重ねてこられたのですね。

2年間の初期研修時代には、小児科、循環器内科、救急科、放射線科を経験しました。その後は茅ヶ崎市の病院で素晴らしい内視鏡の先生のもとで、仕事に従事することができました。毎日内視鏡検査を実施していたので多くの経験を積むことができましたし、私のような若い医師にもその先生は十分な時間を使って指導してくださいました。それから海老名市にある総合病院で日本医科大学出身の先生方と出会い、とても良くしていただきました。その後、その先生方の紹介もあり日本医科大学千葉北総病院に入り、放射線科でMRIやCTを学びました。今振り返ると、本当に良い恩師に恵まれたと思います。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

矢野潔院長 矢野医院6

当院は飛び込みで来られる方も多く、「町の診療所にこんな重症の人が来るのか」と思うような患者さんもいらっしゃいます。そういった人を先に診る関係で、お待たせしてしまうこともあるかもしれません。それは非常に申し訳ないのですが、どんな症状でも診させていただきますし、一人ひとり丁寧に対応しますので、待ち時間についてはどうかご理解いただければと思います。今後もこの地域に貢献していきたいという思いがあります。当院の患者さんは皆さん100歳まで元気で長生きしていただきたいという気持ちで診療にあたっていますので、これからもよろしくお願いします。

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