浜野 徹也 副院長の独自取材記事
浜野胃腸科外科医院
(八千代市/八千代緑が丘駅)
最終更新日:2025/03/24

八千代緑が丘駅から徒歩約1分の「浜野胃腸科外科医院」。やわらかな色調でまとめられた院内は落ち着いた印象で清潔感もあり、待合スペースから窓越しに眺められる中庭の緑が心を和ませてくれる。浜野徹也副院長は、大学病院で胆膵内視鏡を中心に内視鏡全般を専門として診療にあたってきた人物で、現在は胃や大腸の内視鏡検査をできるだけ多くの住民に受けてもらい「胃がん・大腸がんで亡くなる方をゼロにする」ということを使命として、スタッフとともに取り組んでいる。さわやかな笑顔と活気あふれる雰囲気を持つ浜野副院長に話を聞いた。
(取材日2024年7月3日/更新日2025年3月10日)
目標は「胃がん・大腸がんで亡くなる人をゼロに」
胃や大腸の内視鏡検査に力を入れておられますね。

当院は私の父が1983年に開院して以来、周辺の地域住民の方々の消化器疾患に関するかかりつけ医としての役目を担ってきました。2015年に私が経営に関わるようになってからは、これまでの大学病院での内視鏡を専門に扱ってきた経験を生かすべく内視鏡診療に力を入れています。当時はこの地域の内視鏡検査の検査数は少なく、質の高い内視鏡検査をより多く提供していくことで、地域の皆さんの健康に寄与できるのではないかと考えたのです。胃がん・大腸がんはいかに早期発見できるかが鍵。発見が遅れたために亡くなってしまうケースも少なくありません。ですが逆に早期発見し、大腸の場合はがんになる前のポリープの段階で発見・除去できれば、がんを予防することも可能です。だからこそ内視鏡検査が重要。一人でも多くの方に検査を受けていただき「胃がん・大腸がんで亡くなる方をゼロにする」というミッション達成に向けて進み続けます。
大腸がんは早期発見が大切なのですね。
よく聞く大腸ポリープの多くは良性の腺腫というものですが、徐々に大きくなっていくと悪性のがんになるため、状況を見て切除を検討します。つまりがんになる前に取るという予防措置ができるのです。内視鏡検査とは、胃や腸にがんがないか観察し、そしてポリープなどが見つかったときにそのまま切除もできる素晴らしい検査です。がんは高齢でかかる人が多いですが、一方で30・40代から罹患者も増えてきます。その年代は、子育て中の方や、お仕事で中心的な役割を担う方も多い、社会的にも責任の大きな世代です。特にそんな方々をがんから守ることで、地域や社会に貢献できるクリニックになるようにしていきたいと思っています。
毎年数多くの内視鏡検査を行っているそうですね。

おかげさまで2024年1月から12月までに行った内視鏡検査は胃が2613件、大腸が1884件でした。八千代市の中でも多くの検査を行っている医療機関の一つだと思いますが、今後もさらに増やしていきたいところです。消化器がんは、男性のほうががんを罹患する方も亡くなる方も多い傾向にありますが、女性はがんになる方の数の割に、亡くなる方の割合が高いのです。これは検診受診率が低く発見が遅れてしまうことが原因とされています。確かに、若年層では乳がんや子宮卵巣がんといった婦人科系がんの罹患率が高いのは事実です。これらの検診は非常に重要で、受診率は徐々に高くなってきていますが、一方で女性のがん死亡数でワースト1位は大腸がんであることも忘れないでいただきたい。女性の皆さんにはぜひ、婦人科系がんの検診だけでなく大腸がん検診にも目を向けていただけたらと思います。
受けやすく、質の高い内視鏡検査を追求
検査の受けやすさも意識しておられるのですね?

患者さんにとっての「検査のハードル」を下げることも私たちがすべき仕事だと考えています。検査は健康を守るためにとても大切なことですが、一度嫌な思いをしてしまうと二度と足が向かなくなってしまうということも考えられます。せっかくの早期発見・治療、予防のチャンスを逃すことの無いよう、当院ではできるだけ「来やすい」「受けやすい」「受けようと思ってもらえる」よう努力しています。私自身も内視鏡検査を受けて患者さんの立場で、どこに不安があるのか、どうすれば苦痛が和らげられるのか、身をもって体感しています。まずは医師の技術力。医師が患者さんの胃や腸の形に合わせて、スムーズに内視鏡を通すことができる技術があれば苦しさや不快感、痛みは軽減できますので、私たちは日々精進しています。また鎮静剤を用いてうとうとしている間に検査を終わらせることも可能です。
他にはどんな工夫をされておられますか?
過去に内視鏡検査で嫌な思いをした方や、恐怖感がある方もおられるでしょう。率直な思いをお話しいただき、ご自分に合った方法をお選びください。胃の内視鏡検査では挿入方法を、口からか、鼻からか選んでいただけますし、鎮静剤を用いることもできます。喉の麻酔に加えて点滴で鎮静剤を投与することで、うとうとしている間に検査が終わります。大腸の内視鏡検査では下剤の種類、下剤服用の場所をご要望に合わせて選択できます。下剤は3種類から選べ、ご自宅でも院内でもお好きなところで服用していただけます。それぞれメリット・デメリットがありますのでご相談ください。さらに胃と大腸の内視鏡検査を同じ日に行うこともできます。鎮静剤を用いた検査をした場合、検査当日は運転できませんのでご注意ください。
膵臓のがんについてもお考えがあるとか。

私は大学病院で内視鏡全般の診療を担っていましたが、中でも胆膵内視鏡を専門としていました。この胆道や膵臓のがんは発見されると死亡率が非常に高いのが現状です。当院のミッションである胃がん大腸がんで亡くなる方をゼロにした先には、こうした死亡率の高いがんの早期発見にも取り組みたいと思っています。その初めの一歩として、糖尿病などの生活習慣病診療と、画像診断がしっかりできる医療機関となることをめざしています。実は糖尿病と膵臓がんの関係は深いんです。糖尿病は血糖値を下げるホルモンであるインスリンの分泌異常により起こりますが、そのインスリンを出す唯一の器官が膵臓です。急に糖尿病のコントロールが悪化したら膵臓がんだったというような症例は多く、その診断のためには画像診断が不可欠なのです。当院は糖尿病を専門的に診療する医師が勤務をしておりますので、お困りの際はぜひご相談ください。
多才で多彩なスタッフの総合力で使命に挑む
スタッフのチーム力の高さも特徴だそうですね。

当院は医師も看護師も事務も職種関係なく、みんなで力を合わせよう、という考えでやっています。スローガンは「One for all, All for one 一人はみんなのために、みんなは一つの目的のために」。この言葉を制服にも入れているんです。互いが尊敬・尊重し合える仲間であり、それぞれの成長がクリニック全体の成長につながると考えていて、みんなが同じ目標に向かって互いに信頼し合って仕事をしていくことができれば、それはやりがいのある「志事」になると思っています。患者さんはもちろんのこと、働く人たちからも選ばれる医療機関をみんなでつくっていきたいんです。そんな理念とミッションに共感して働いてくれているスタッフは医療関係出身者だけでなく、皆が本当に多種多彩な経歴を持っています。さまざまなアイデアを出し合って、当院をより良くしていければと思います。
今後の展望を教えてください。
今、管理栄養士のスタッフが在籍していますので、糖尿病診療とともに栄養相談にも取り組んでいます。また、便秘など消化器のお悩みに関わる栄養相談なども対応しております。さらに、膵臓がんの診断に不可欠な画像診断をしっかりと行える医療機関をめざし、地域医療に貢献するべく体制を整えていきます。また、女性の大腸内視鏡検査の件数を増やしたいので、今後もさまざまな工夫を取り入れていきたいですね。
読者へのメッセージをお願いします。

内視鏡検査で地域に貢献し「胃がん・大腸がんで亡くなる方をゼロにする」をミッションとして掲げている私たちですが、地域のかかりつけ医でもあります。「おなかのトラブルは浜野胃腸科外科医院へ」と地域の皆さまに思っていただきたいですね。また内視鏡検査はできれば若い頃から受けていただきたいです。例えば、妊活を意識した時、子どもが生まれて少したった時、40歳になった時など、人生の節目で受けていただければうれしいです。さらに消化器のがんで亡くなった家族がおられる方や、ポリープを取った経験のある方はぜひ定期的に受けてくださいね。
自由診療費用の目安
自由診療とは上部内視鏡検査/2万200円~、大腸内視鏡検査/3万3700円~