陣痛・出産時の痛みや
心身の負担も抑えるための「和痛分娩」
長岡産婦人科クリニック
(佐倉市/京成臼井駅)
最終更新日:2025/11/20
- 自由診療
「初めての子どもができてうれしいけれど、痛みに耐えられるかどうか不安」「2人目の子どもが欲しいけれど、もう二度とあの出産時の痛みは味わいたくない」などと不安や恐怖を抱いている人も多いだろう。しかし最近では、出産時の痛みを軽減するために麻酔を使う「無痛分娩」という方法もあり、希望する妊婦も増えている。痛みが軽減されれば、妊婦の心身的疲労も少なくなり、産後の体力回復も早くなるだろう。実際、どのような流れで無痛分娩を行うのか。そこで佐倉市「長岡産婦人科クリニック」の長岡理大院長に、同院で行っている分娩について尋ねた。
(取材日2025年9月16日)
目次
痛みへの不安を和らげ気持ちに余裕を持って出産に臨むための「和痛分娩」
- Q無痛分娩というのはどのようにして行うのですか。
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A
▲麻酔を使用して痛みを軽減しながら、自然な出産をサポートする
無痛分娩は、陣痛を和らげるために硬膜外麻酔を使って出産する方法です。出産の際、子宮口が3~4センチから全開になるまでの間が最も痛みが大きいので、その痛みを軽減するために麻酔を用います。硬膜外麻酔は、脊髄のすぐ近くの硬膜外腔という場所に局所麻酔薬を入れる方法です。ただ痛みが完全に消失するわけではないので、当院では「和痛分娩」と呼んでおり、計画分娩で行っています。出産時は麻酔をしつつ、いきむタイミングを感じながらご自身で出産していただきます。昔は「出産は痛みを伴うもの」といわれていましたが、今は痛みや心身の負担を軽減させるための方法として、無痛分娩が行われるようになっています。
- Q和痛分娩のメリット、デメリットを教えてください。
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A
▲医師・助産師・麻酔科医が密に連携し、チームで分娩を支える
メリットは陣痛の痛みに対する不安を軽減するとともに実際の痛みの緩和が図れることです。それによって気持ちに余裕を持って出産しやすくなります。出産時の疲労やストレスの軽減、産後の早い体力回復にもつなげやすいです。また胎児の頭位の向きの異常が起きにくく、帝王切開になるリスクも低いとされています。デメリットは、初産の場合、陣痛を誘発しても進行が遅く、出産まで時間がかかり、産後の出血が多くなるケースもあります。また、鉗子分娩や吸引分娩が必要となる場合もあります。当院ではより安全に和痛分娩が行えるよう医師や助産師、麻酔科の医師などがチームでサポートしています。
- Qこちらで和痛分娩を希望する場合はどうすれば良いのですか。
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A
▲出産の選択肢を広げるために、早期の相談を
妊娠20週くらいまでに和痛分娩の希望を外来診療時に伝えてください。里帰り出産で当院で出産を希望する場合は、32週くらいまでに伝えるようにしてください。34週頃に和痛分娩の説明を行い、計画分娩のおおよその日程を決定します。その後、38週から39週くらいの時に、子宮口の状態に応じて入院日と出産日の予定を組んでいきます。和痛分娩は肥満や子宮筋腫系の疾患、血液凝固系の疾患、背骨の手術経験などがない妊婦さんであれば、基本的にほとんどの方に対応できます。ただ、特に注意していただきたいのが肥満で、身長と体重から肥満度を示すBMIが30以上になると適応外となりますので、気をつけてください。
- Q実際の出産までの大まかな流れについて教えてください。
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A
▲出産の選択肢を知ることが、安心への第一歩だと話す長岡院長
計画出産予定日の前日に入院し、その日に硬膜外腔に麻酔を注入するためのカテーテルを留置し、内服薬などで子宮口を広げていきます。出産予定当日朝から陣痛促進剤を用いて陣痛を誘発させていきます。陣痛の痛みが等間隔になってきた頃に、妊婦さんの状態を確認した上で麻酔薬を注入して痛みの軽減を図っていきます。その後、いよいよ出産という時は、妊婦さんご自身でいきみながら出産していきます。出産にかかる時間は、個人差はありますが、多くの場合半日もかからないですね。出産時のいきみの感覚は感じられますので、出産したという感動や達成感は自然分娩と同じように実感しやすいと思います。
- Qこちらでは産後のサポート体制も整っていると聞きました。
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A
▲一人ひとりに合わせたケアプランで、安心の産後ケアを
当院では、育児でさまざまな悩みや不安を抱えるお母さん方に心身ともに休んでいただけるよう、産後2ヵ月未満のお母さんと赤ちゃんを対象に産後ケアを行っています。宿泊型と日帰り型があり、助産師がお一人お一人に合わせたケアプランを作成しています。当院は、佐倉市・印西市・四街道市・八千代市・成田市・酒々井町から産後ケア事業の委託を受けており、この地域にお住まいの方は助成が受けられますので、各自治体、当院のスタッフにお尋ねください。また、離乳食教室などのセミナーも随時行っています。当院の助産師はベテランばかりですので、外来診療の時など不安なことがあればどんなことでも相談してください。
自由診療費用の目安
自由診療とは和痛分娩基本料金/5万5000円~

