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笠島 智子 院長の独自取材記事

ともこ皮フクリニック

(佐倉市/京成臼井駅)

最終更新日:2025/07/04

笠島智子院長 ともこ皮フクリニック main

千葉県佐倉市染井野の緑豊かな住宅街にある「ともこ皮フクリニック」。開業から30年近くにわたり幅広い皮膚の悩みに寄り添ってきた、地域密着型クリニックだ。院長を務める笠島智子先生は、総合病院勤務時代からアトピー性皮膚炎の治療において豊富な経験を持つドクター。皮膚の表面的な治療だけでなく、食事や睡眠といった生活習慣の指導も行い、体の内面から症状の改善を促す診療に力を注いでいる。今回はそんな笠島院長に診療へのこだわりのほか、肌トラブルと食事や睡眠との関係や、健やかな肌を守るためのアドバイスをたっぷりと聞かせてもらった。

(取材日2025年6月4日)

食事や生活指導で改善を促すアトピー性皮膚炎の診療

先生のご経歴とクリニックの歴史を教えてください。

笠島智子院長 ともこ皮フクリニック1

私は関西出身で、内科医師だった父の姿を見て同じ医療の道に進みました。父は私を内科の医師にさせたがっていたので、最初は内科に所属したのですが、初期研修でさまざまな診療科を回った際に興味を持った皮膚科を専門としました。結婚を機に千葉県へ引っ越し、八街総合病院(現・新八街総合病院)で3年ほど勤務。私の外来にはアトピー性皮膚炎でお悩みの方がたくさん来られていました。その後、周囲からのお声がけもあり1997年に開業。大きな病院では新しい薬を一つ採用するにも時間がかかりますが、開業すれば薬や治療法もすべて自分で選択できることに魅力を感じました。ありがたいことにたくさんの患者さんにご利用いただき、今では完全予約制とさせていただいています。診療時間も短縮していますが、今後年齢を重ねても長く続けていけるように、という思いからです。

どのような症状の患者さんが来院されていますか?

アトピー性皮膚炎にお悩みで、他院を受診しても改善されない方や、長期間ステロイドを使用し離脱できなくなった方、過剰な使用で皮膚がただれてしまい相談に来られる方が多いです。開業当初にアトピー性皮膚炎だったお子さんが大きくなって、今度は自分の子どもを連れて来る、というように親子2代で受診してくださっている方もいます。近隣にお住まいの方はもちろん、患者さんのお知り合いがクチコミで来てくださることも多いです。また、近年は高齢の患者さんも増えてきました。高齢の方は乾燥性湿疹や、難治性の慢性疾患である尋常性乾癬のご相談を多くいただきます。尋常性乾癬はもともと白人に多い病気でしたが、今では欧米諸国の方のほうが食事に気をつけており、高脂肪食・肉食を好む日本人にすごく増えている病気なんですよ。

アトピー性皮膚炎の治療についてお聞きします。

笠島智子院長 ともこ皮フクリニック2

当院では、主に食事や睡眠といった食事や生活指導で改善を促すことに力を注いでいます。アトピー性皮膚炎や乾癬といった湿疹は生活習慣に起因するものが多く、食事や睡眠などの悪い習慣が大きく影響している場合があるのです。かゆみが止まらず、かき壊して皮膚が赤くなってしまうのは、健康な人の状態ではありません。まずはその状態が病気であることを患者さんに認識してもらい、なぜそれが発症したのか原因に気づいてもらうため、食事や睡眠のお話を含めてしっかり時間を取ってお話をします。アトピー性皮膚炎といえども、症状を起こすトリガーは人によって微妙に違います。例えば、ジョイントマットから、ダニやホコリのたまりやすいカーペットに変えた時や、コンビニのお弁当を食べ続けた時、夜ふかしが続いた時など、症状を悪化させるきっかけもさまざまです。丁寧な問診や診療時の会話の中から、何を改善すれば症状が落ち着くかを探っていきます。

肌の状態は体全体の健康のバロメーター

先生はなぜ食事や生活指導を重視されるようになったのですか?

笠島智子院長 ともこ皮フクリニック3

実は私も、医師になってすぐの頃は食事にも無頓着で、ニキビができたり乾燥していたりして肌が荒れていても「院内が乾燥しているからだろうな」くらいにしか思っていなかったんです。当時は今よりも肌が荒れていたように思います。ですが、総合病院で働くようになり、たくさんの重症患者さんの症状のコントロールに取り組む中で、食事と睡眠を改善することが症状緩和につながることに気づき、そこからは食事と睡眠を重視するようになりました。日々の診療を通じて、患者さんと一緒に私も学んできたという実感もあります。私自身、食事や睡眠に気をつけるようになってからは肌の調子や便通も良くなりましたし、もうすぐ還暦を迎えますが、普段から保湿剤も化粧水も使っていないんですよ。

生活習慣が肌の状態に直結するのですね。

生活習慣はすべての臓器に直結しますが、特に皮膚は感覚も鋭く非常に雄弁な臓器なので、かゆい時や痛い時は、体に何らかの異常が起きているサインなんです。皮膚は修復も早ければダメージも早く現れるので、その時の状態でご自身の健康状態を推測していただけるといいですね。何もしなくても肌の調子が良いということは、肌だけでなく体全体が健康であるということです。

すぐに薬に頼るのではなく、まずは体の内面に目を向けることが大切なのですね。

笠島智子院長 ともこ皮フクリニック4

有害な物質を取り込まないことで、体は解毒に膨大なエネルギーを費やす必要がなくなります。そして、栄養価の高い食べ物をバランス良く取ることで、体は本来の生命力を存分に発揮します。どんなに優秀なスキンケア用品を使っても、整うのは皮一枚。体にとって何が大切なのかを考え、本当に価値のあることにお金をかけていただきたいなと思います。こうしたアドバイスを常日頃から患者さんに行っていますが、私としては特に変わった診療をしているという思いはありません。西洋医学の祖と称されるヒポクラテスは、医師の武器として「第一に言葉、第二に薬草、第三にメス」という言葉を残しています。薬や外科的な治療を行う以前に、一番大切なものは「言葉」であると医学の祖が言っているように、私の考えは特別なものではなく、本来医師が持つべき考え方だと思っています。

先生ご自身は、普段の生活でどのようなことを意識されていますか?

食材の買い物をする時は、商品の後ろの添加物の表示を見て、無添加のものを選ぶようにしています。最近はSNSでスーパーの系列ごとに購入できる無添加食品を紹介している動画もアップされているので、患者さんに紹介することもありますよ。今は値段の高い無添加専門店に行かなくても、日常的にアンテナを張っておくことでさまざまな情報が得られる時代です。手軽に試すことができるので、ぜひ参考にしてみてください。

行き場を失くした患者の受け皿であり続けたい

治療には漢方も取り入れられているとか。

笠島智子院長 ともこ皮フクリニック5

はい。西洋薬を駆使した治療に限界を感じた際に、ほかに治療法はないかとすがるような思いで漢方薬について勉強し始めました。10人に1人でも難治疾患の方の症状が軽減すれば使う価値があると考えていたのですが、処方続けるうちに手応えを実感し、今は必要だと感じた患者さんには漢方薬を処方するようになりました。ほぼ食べ物が原材料のような薬なので、長期的に飲んだとしても大きな副作用が出るわけではありませんし、上手に選べば数週間から数ヵ月で中止できる漢方も多いので、治療の選択肢の一つとして活用しています。

スタッフの方々も優しく温かい雰囲気ですね。

私自身、患者さんに注意事項を守っていただきたい気持ちが全面に出てしまい、診療中に少し険しい顔になってしまうことがあるんです。それは私の反省点なのですが、その代わり受付には、患者さんに笑顔で声がけをしてくれるすてきなスタッフがそろっていて、私の足りない部分を補ってくれています。長く勤めてくれている人が多く、ありがたい限りです。今後、私の診療スタイルを引き継いでくれる先生がいらしたらバトンタッチしたい気持ちがありますが、なかなか難しい状況です。なので私が長生きして、どの病院にかかっても治らない、行き場を失くした患者さんの受け皿であり続けられるよう頑張っていきたいと思います。スタッフにも「体に気をつけて、長く付き合ってね」と伝えているんですよ。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

笠島智子院長 ともこ皮フクリニック6

何か皮膚のことでお悩みがあり、ご自身で「不摂生をしているな」という心当たりがあれば、病院に行かれる前に2週間程度でいいので、“健康オタク”になったつもりでヘルシーな生活に挑戦してみてください。半数ほどの人が改善の手応えを感じられるはずです。それでも兆しが見えないときには受診を考えられるといいと思います。お困りの際はご相談ください。

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