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今西 啓 院長、今西 佳代 副院長の独自取材記事

いまにし医院

(千葉市花見川区/新検見川駅)

最終更新日:2025/09/01

今西啓院長、今西佳代副院長 いまにし医院 main

千葉市花見川区で肛門・消化器の悩みに向き合い続け、今年で36年目を迎える「いまにし医院」。院内には19床の入院設備を備え、幅広い手術や内視鏡検査に対応していることから、その長年の実績と専門性の高さを頼って、千葉県内だけでなく広い地域から患者が訪れる。2025年には、今西啓先生が新たな院長に就任。父で前院長の今西定一先生からクリニックを引き継いだ。定一先生が大切にしてきた「安全性に配慮した手術」と啓院長がめざす「根治性の高い治療」を組み合わせ、長期的に再発を防ぐ治療を目標とし、診療に取り組んでいる。そんな啓院長を支えるのは、母の今西佳代副院長。女性専用の「レディースデー」を設けるなど、誰もが気兼ねなく受診できる環境作りに努めている。啓院長と佳代副院長に、診療方針や注力する治療などの話を聞いた。

(取材日2025年6月9日)

痔の治療に注力し36年、多くのお尻の悩みを解決

こちらが開業されてから、今年で36年目を迎えられました。

今西啓院長、今西佳代副院長 いまにし医院1

【啓院長】当院は、私の父が1989年に開業しました。当時は近隣に胃腸や肛門を専門とするクリニックが少なく、海の近くで開業したいという思いもあってこの場所を選んだと聞いています。父は開業してから数多くの手術を手がけ、ありがたいことに、地域の皆さんには「痔の手術・治療といえば『いまにし医院』」と思っていただけるまでになりました。私が当院に戻って来たのは、2年前になります。一緒に診療にあたる中で、患者さんと接し方や手術の技術、そして院長として大切なことを父から学び、昨年、院長を引き継ぎました。
【佳代副院長】啓先生が院長に就任してから、院内の雰囲気も若返った印象です。若い年齢層や啓先生と同年代の40代くらいの患者さんが増えました。年齢の近い先生の方がお話しやすい、という方も多いのかもしれませんね。

お二人のご経歴についてもお聞かせください。

【啓院長】私は東京女子医科大学八千代医療センターの消化器外科で、大腸がんをはじめとしたさまざまな消化器疾患の治療にあたり、多くの手術を手がけてきました。その後、肛門外科や内視鏡検査においてその名が知られる東葛辻仲病院に勤務し、肛門外科手術や上部・下部ともに数多くの内視鏡検査の研鑽を積んできました。
【佳代副院長】痔は女性に多いとされる病気にもかかわらず、私たちが開業した頃は、日本で肛門の治療を専門とする女性医師はほとんどいませんでした。私はもともと大学病院の麻酔科に勤務していたのですが、女性医師の診察を望む声が多かったこともあり、開業を機に肛門科に転科しました。

診療方針や得意とされている治療を教えてください。

今西啓院長、今西佳代副院長 いまにし医院2

【啓院長】当院を受診される方の多くが、痔でお悩みの患者さんです。痔は良性の疾患ではありますが、全国的に見ると肛門手術後に命を落としてしまうケースも少なくありません。さらには、手術が無事に終了しても、術後の管理が不十分であると大出血や術後合併症を起こす可能性があります。そのため、当院でも日帰り手術を行っていますが、その適応は慎重に判断します。なるべく手術せずに、薬や注射、生活習慣の改善などによって治療することを大切にしています。
【佳代副院長】初めていらっしゃった患者さんの多くが最初にお聞きになるのは、「手術しないと駄目ですか?」ということなんです。手術が怖くて受診をためらう方もいらっしゃるのですが、実際はほとんどの患者さんに薬で治療を行っていますので、まずはご相談いただけたらと思います。

安全性に配慮し、なるべく切らない治療を心がける

痔の手術とは、慎重に行うべきものなのですね。

今西啓院長、今西佳代副院長 いまにし医院3

【啓院長】はい。とはいえ、重度の痔や痔瘻に関してはどうしても手術が必要になります。その際には、日帰りと入院しての手術のどちらが適しているか慎重に判断し、安全性に配慮した治療計画を立てています。日帰り手術が困難と判断した場合には、数日間の短期滞在を含めた入院手術を行い、術後の管理まで念入りに行います。父はよく「もし手術を行うならば、100%ではなく300%の安全をめざさなくてはならない」と言っていました。私もその思いは同じです。私の場合、安全性の高さに加え、術後の治りや根治性の高さも重要だと考えています。父の培ってきた経験と、勤務医時代も含め磨いてきた私の技術を組み合わせ、安全で再発のリスクが少ない治療を心がけています。

病気の啓発や長期的なフォローも大切にされています。

【啓院長】手術で悪いところを取り除くことを目的とするだけの治療ではなく、長い目で見て患者さんが幸せになれる医療を提供したいと思っています。再発を防ぐためにも、まずは痔のメカニズムやご自身の痔の状態、手術の方法、術後のケアの重要性などを知っていただく必要があるのです。こうした内容は、診察の際に医師からも丁寧にご説明いたしますし、毎週水曜日と日曜日には院内で痔について学ぶ「痔の教室」を開催し、患者さんに理解を深めていただいています。
【佳代副院長】体のなかでも、自分のお尻を見る機会というのはほとんどありませんから、口頭で説明されてもなかなか理解しづらいと思います。ですから当院では、説明の際に直腸ファイバーでお尻の映像をお見せしています。自分のお尻がどうなっているのか一目で見て分かるので、患者さんへの説明にとても役立っています。

日々の生活も、お尻の健康に深く関わっているそうですね。

今西啓院長、今西佳代副院長 いまにし医院4

【啓院長】患者さんには「痔は生活習慣病の一種」とお話しています。痔にならないためには、治療と並行して日頃の生活のなかで行っている「お尻に悪い生活習慣」を改善することが重要です。例えば、トイレでスマホをいじるなど座っている時間が長くなると、お尻に負担がかかるとされています。そのほかにも、排便時に強くいきむ方や、便秘がちな方、アルコールや辛い食べ物を好んでよく摂取している方などは注意が必要です。痔核や裂肛、痔瘻など、肛門科の病気に悩む方のほとんどに、こうした良くない生活習慣が見られます。まずは、痔が生活習慣から引き起こされることを知っていただき、自分の生活に当てはまるものがあれば改善に取り組んでいただきたいです。

苦痛の少ない内視鏡検査で、がんの早期発見にも尽力

胃と大腸の内視鏡検査にも力を入れていると伺いました。

今西啓院長、今西佳代副院長 いまにし医院5

【啓院長】患者さんにとって負担の少ない内視鏡検査を心がけています。大腸の内視鏡検査は、一般的に大腸に空気を挿入しながら行うのですが、それがお腹の張りや検査中の痛みにつながります。当院では、大腸に空気を入れずに内視鏡カメラを進める「完全無送気軸保持挿入法」という苦痛の少ない技法で行っているほか、鎮静剤下での検査も可能です。当院には入院設備もありますので、遠方にお住まいで下剤を飲んでから来るのが難しいという場合には、前日から準備のために入院していただき、検査当日の朝にこちらで下剤を服用していただくこともできます。これらの取り組みによって、当院で内視鏡検査を受けられた方に「痛くありませんでした」と喜んでいただけたらうれしいです。

「レディースデー」についても詳しく教えてください。

【佳代副院長】お尻のトラブルは誰にとってもデリケートな問題ですが、特に女性は受診に抵抗を感じる方が多い傾向にあります。そこで当院では、毎週金曜日を「レディースデー」に設定。女性の患者さんのみの受付とし、私が診療にあたっています。女性は男性に比べて便秘になりやすく、妊娠や出産を機に痔になってしまう場合も多いため、症状があれば早めにご相談いただきたいですね。レディースデーでなくとも、ご希望に応じて私が対応することも可能です。お気軽にいらしてください。

最後に読者へメッセージをお願いします。

今西啓院長、今西佳代副院長 いまにし医院6

【啓院長】同じ痔でも、患者さんによって症状は異なります。お一人お一人の状態に応じて、さまざまな治療法を組み合わせ、最も適したものをご提案させていただきます。必ずしも手術を受けなくてはならない、という訳ではありませんのでご安心ください。そして先ほどもお話ししましたが、痔の予防には生活習慣の改善が不可欠です。便秘がちな方や排便に時間がかかるという方も、治療によって体質の改善が望めますのでぜひご相談ください。
【佳代副院長】痔に対して、市販薬をお使いになっている方もいらっしゃると思います。ですが、市販薬では解決にはつながらない症状もあり、またなぜ痔になったのか、その理由を理解しなくては結果的には痔を繰り返してしまいます。将来的に痔で悩むことがないよう、まずは専門家にご相談いただければと思います。

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