久保 恭仁 院長の独自取材記事
久保生実町クリニック
(千葉市中央区/蘇我駅)
最終更新日:2024/10/01
千葉市中央区、県道66号線の生実町五差路交差点から少し東南に入った所にある「久保生実町クリニック」。 ここは長きにわたって「久保小児科・内科・アレルギー科」として地域に根づいた診療を続けてきたが、2021年に久保恭仁院長が継承し、新たに開業した。久保院長は、地域住民のどのような悩みや症状でも対応するプライマリケアの実践をめざしている。消化器内科や肝臓内科の専門性も生かしながら、胃の内視鏡検査、腹部超音波検査などによる消化器がんの早期発見にも努めている。「何か気になることがあれば遠慮せずに相談に来てください」と優しい笑顔で話す久保院長。診療の特徴や地域医療への思いなどについて聞いた。
(取材日2024年9月3日)
総合内科と消化器内科の専門性を生かした診療を実践
こちらは長い歴史があるクリニックと聞きました。
祖父が小児科のクリニックを開設したのが始まりで、その後、母が継ぎました。父も小児科の医師ですが、父は大学病院に勤務をしていたので、実質は母が診療していました。小児科といっても地域のかかりつけ医という感じで、ご家族のさまざまな悩みに応えるクリニックでした。母の代には内科の診療が多くなっていたと思います。2021年からは私が継承して、クリニック名も新たに開業しました。私自身は内科を診ていきたいと考えていましたので、大学病院時代には消化器内科や総合内科、健診センターなどで研鑽を重ねてきました。
こちらでは具体的にどのような診療を受けられるのでしょうか。
総合内科の医師として幅広い症状や悩みに対応しています。当院ではプライマリケアの実践をめざしており、何か体調の変化を感じた時や不安なこと、困ったことがあれば、いつでもどんなことでもまずは相談に来ていただければと思います。具体的には、風邪や感染症、消化器疾患、アレルギー疾患などの治療や、高血圧、糖尿病、睡眠時無呼吸症候群といった生活習慣病の治療・管理にも力を入れています。また、胃の内視鏡検査も行っています。小児科については、乳幼児健診や子どものワクチン接種は行っていませんが、6歳以上のお子さんの診察には対応しています。お子さんは風邪症状やアレルギー症状でいらっしゃることが多いですね。また、この辺りでは小児科のクリニックが少ないこともあって、地域のファミリー層の方々には当院の存在は喜んでいただいているようです。
先生は消化器や肝臓の診療がご専門と聞きました。
母の時代には内視鏡や超音波検査機器がなかったものですから、そうした検査機器をそろえて、より精密な診査・診断につなげています。大学病院時代、消化器の腫瘍の治療に携わった経験から、胃の内視鏡検査では胃がんや食道がんなど、腹部超音波検査では肝臓がんや前立腺がんなどの早期発見に努めています。大学病院では専門分野の細分化が進んでいて、医師によっては診る臓器や疾患を決めている場合もあるのですが、私は細かく分けるよりも消化器全部を診たいと思い、さまざまな疾患の治療に携わってきました。大学病院の総合内科で勉強してきた経験もありますので、総合的な視点と専門的な視点、両者を生かして診察しています。
どんな症状や悩みでも気軽に相談できるクリニック
診療方針についてお聞かせください。
地域の方々にとってどんな時でも頼れるクリニック、安心して受診できるクリニックでありたいと思っています。どのような症状でも的確に診断すること、安心・安全に配慮した医療を提供することをめざしています。患者さんは何科を受診していいかわからずに来られることも多いですから、まずはどのような症状でも当院でしっかりと一次診療を行うことを重視しています。当院で診察した結果、ここで対応可能な場合はできる限り対応をし、重篤な疾患やより専門的な医療が必要な場合は適切な医療機関に紹介します。また当院では健康診断にも力を入れていて、特定健診をはじめ肺がん、胃がん、肝炎、大腸がん、前立腺がんなどの一次検診、さらに特定健診後の再検査や胃がん検診、肝炎検診の二次検査なども行い、疾患の早期発見・早期治療につなげています。
診療の際どんなことを大切にしていますか。
今、患者さんはどういう状態なのか、わかりやすくご説明して納得していただけることを大切にしています。説明する時は難しい言葉は使わずに、平易な言葉で理解しやすいようお話ししています。混み合う病院などでは「長い時間待ったのに診察はすぐに終わってしまった、何もしてくれなかった」などという声が聞かれることもあるようですが、当院ではそのようなことのないよう、患者さんのお話をよく聞いて、症状や治療方法などについては丁寧に説明しています。ご高齢の方の中には、ここで話をしたいというのが、来られる理由になることもあると思います。お話をすることは一つのリハビリにもつながりますので、時間の許す限りはお相手したいと思っています。
胃の内視鏡検査について教えてください。
できるだけ苦痛が少なくなるよう鎮静剤を用いた胃の内視鏡検査を行っています。精密な観察のために経口による内視鏡検査が中心ですが、ご要望によっては経鼻での検査も可能です。食道がんや胃がんなどの診断を行うためには内視鏡検査は非常に重要です。患者さんの状態によっては予約を調整して早めに検査を行うケースもあります。当院で内視鏡検査を行うようになったのは最近ですが、私自身はこれまで数多くの経験を積んできていますので、安心して検査を受けていただきたいと思います。
スタッフの皆さんも親しみやすい雰囲気ですね。
看護師や受付事務などスタッフはみんな仲が良くてアットホームな雰囲気です。実は、妻が看護師兼事務を担当しています。本当は私が院長としてスタッフに今後どうすべきか、これからの目標などについて話さなくてはならないのかもしれません。ですが、どうも私はそのようなことが苦手で。スタッフが和やかに仕事をしているのは、妻がその代わりを務めてくれているからかもしれません。
今後は地域性や社会状況を考えながらDX化にも対応
先生が医師をめざしたのはやはり家庭環境に影響されてのことですか。
両親の働く姿を見て育ったので、将来は、医師になって継ぐものだと思っていました。特に抵抗もありませんでしたね。当初からこの地で開業することを考えていましたので、開業前の6年間は、千葉市内の南側エリアの地域医療の状況を見るために、千葉市で勤務しました。東京都内と比べるとどんなことでもできるというわけではないですが、病院とクリニックとの連携がよく取れていて、どんなことでも相談できる体制が整っていると感じています。
プライベートはどのように過ごしていますか?
最近は父とゴルフに行くことが増えていますね。あとは、名古屋を拠点とするプロ野球チームの大ファンなので、野球観戦を楽しんでいます。今年、2024年は辰年で、私も辰年生まれで年男。なので、余計応援に熱が入ります。数年前には名古屋の球場まで応援に行ったこともあります。また、時間があれば行きたいですね。
最後にメッセージをお願いいたします。
地域のかかりつけ医として、どのような症状、悩みでも応じていきたいと思っていますので、気軽に相談に来てください。当院で診られる疾患については適切に診断して、治療、管理していきたいと思います。胃の痛みや不快感、胸のつかえなどの症状のある方は、必要に応じて胃の内視鏡検査も当院で受けられますので、早めに受診するようにしてください。この地域も高齢化が進んでいて、通院が難しくなった方も多いと思います。今後は往診のニーズも高くなると思いますので、医療体制の充実も視野に対応していければと思っています。