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田那村 彰 院長、田那村 雅子 副院長の独自取材記事

田那村内科小児科医院

(千葉市中央区/千葉中央駅)

最終更新日:2025/06/06

田那村彰院長、田那村雅子副院長 田那村内科小児科医院 main

京成電鉄・千葉中央駅そばの「田那村内科小児科医院」。病気の改善だけでなく、患者の困り事全般を解消したいと奥行きのある診療を心がける田那村彰院長、動機づけ面接法を導入し、禁煙治療に力を入れる妻の雅子副院長。高齢化や医療の専門化が進む中、必要なのは多職種と協力する医療だと口をそろえる。「私たちは患者さんを健康に導く案内人。当院をもっといろいろな人が集まる場所にして、地域を巻き込んだ医療を展開していきたい」と話す2人に診療への思いや注力する分野などを聞いた。

(取材日2017年6月22日/情報更新日2025年5月21日)

医療機関に紹介した後も関係を絶やさない

貴院のコンセプトはどのようなものでしょうか?

田那村彰院長、田那村雅子副院長 田那村内科小児科医院1

【田那村院長】プライマリ・ケアを実践するクリニック、つまり、何でも相談に乗る身近なホームドクターです。内科と小児科を標榜していますが、「悩みがあるけど、どんな医療機関に行けばいいかわからない」といった人も診ています。何らかの事情で仕事に行けない人、不登校児童なども来院されます。地域のゲートキーパーとしてまずはお話を聞き、アドバイスして、専門的な治療が必要であれば医療機関を紹介します。特に意識しているのはその後。紹介した医療機関との関係がうまくいっていないことが実はよくあるんです。当院ではどんなところが不満だったかを聞いて、その方に合うだろう医療機関を再度吟味して紹介することも。患者さんが一人で探すのは大変ですから、なるべく関係を絶やさないようにしています。

地域で患者さんを支えることが大事なんですね。

【田那村院長】そうですね。クリニック内で完結するのではなく、地域で一生診ていくことが大事だと考えています。そのためにその場で患者さんに納得していただくだけでなく、ご家族にもご理解いただけるように、努めています。だからこそ私自身、患者さんのために何ができるのかを考えたときに、このクリニックを大きくし発展させるよりも、一患者さんがご家族やご近所さん、介護や福祉施設をどのように頼ったら良いのかをサポートしていくのかに力を入れていきたいと思っています。

診療する際にはどんなことを心がけていますか?

田那村彰院長、田那村雅子副院長 田那村内科小児科医院2

【田那村院長】ただ病気を治すのではなく、患者さんの困り事を解決したいです。咳が出ていても漫然と咳止めを出さず、何が心配でどうしたいのかまでを聞いて、検査をするのか、どんな薬を出すのか、一緒に考える。そういった奥行きのある診療を心がけています。
【雅子副院長】患者さんの心の声を聴くことです。悩みへの答えって、実は患者さんが既に持っていることが多いんですね。多くの医師は「プロだから」と答えようとしますが、禁煙できない患者さんにアメをなめることを勧めても「甘いから……」、昆布を勧めても「でも……」と水掛け論になることが多い。そんな時に「前日まで吸わないでいられたんですよね。その時はどうしていたんですか?」と聞くと「あ、そういえば」と自分で意識していなかったことに気づく場合がある。患者さんの気づきを促すコミュニケーションが大切だと思っています。

地域での多職種連携と禁煙治療に注力

雅子副院長は禁煙治療に力を入れているのですね。

田那村彰院長、田那村雅子副院長 田那村内科小児科医院3

【雅子副院長】ええ、禁煙治療は開設の条件などで二の足を踏んでおられる先生も多いのか、まだ禁煙治療のできる医療機関が限られています。当院では2002年から行っていて、今は患者さんのモチベーションを高めるために動機づけ面接法も取り入れています。先ほどお話しした、気づきを促すコミュニケーション術ですね。禁煙治療は楽しいですよ。時に患者さんの気持ちや行動ががらっと変わりますから。禁煙外来がきっかけで土曜日に公認心理師にも来てもらっていて、最近は思春期のお子さんの相談に乗ったり、今後は小さいお子さん向けにペアレントトレーニングなども始める準備を進めています。

田那村院長が注力している分野についてはいかがでしょう?

【田那村院長】私は地域連携を充実させようと、対外的に動くのが楽しいですね。高齢化が進んだ今、医療だけじゃ患者さんを支えられません。一人暮らしのお年寄りで通院できない人がいたら、地域包括支援センターに状況を聞き取ってもらい、その後、関係者で会議を開いて解決策を探ります。介護保険に入っていなければ申請を促し生活を成り立たせていく。なぜ楽しいかって? それは悔しいからです。一人暮らしのお年寄りで認知症が進行すると通院できなくなります。当院でも過去に縁が切れてしまうこともありました。当時は悔しい一方でどうすれば良いかわからなくて。今は多職種のつながりがあるのでそれらを生かし、患者さんが零れ落ちないよう心がけています。

多職種連携しながら在宅医療支援や介護支援に対してもご活動されていますね。

田那村彰院長、田那村雅子副院長 田那村内科小児科医院4

【田那村院長】はい、そういった思いもあって、在宅医療や包括ケアシステムも医師会で担当しております。在宅医療、在宅介護の進歩により自宅や施設での療養がしやすい時代になっています。ただそちらは多業種で手を取り合い連携することが大事ですので、地域のクリニックや介護施設への声かけも積極的にしています。また、このシステムは患者さんやそのご家族がちゃんとご理解してこそ、有効にサポートできると思っています。ですので、地域の方々向けに講演会なども行い、理解を深めていただくことで一人でも生活が大変な方を救っていきたいと考えています。

いろいろな人が集い、アイデアを出し合う場にしたい

医師としての互いの魅力についてお聞かせください。

田那村彰院長、田那村雅子副院長 田那村内科小児科医院5

【田那村院長】私は父から続く2代目である分、受け身になりがちなんです。患者さんが来たら診るっていう。でも妻は大事だと思ったことを追求していくタイプ。私たちがプライマリ・ケアを意識し出すようになったのも妻のおかげで、「あなた、プライマリ・ケア学会の活動が盛んになってきたわよ。これから求められる開業医のあり方だわ」と言ってくれて。
【雅子副院長】とにかく誠実です。患者さんに対しても、診療に対しても。自分の専門外や先端医療のことを聞かれた時も決してごまかさず「それは僕の宿題にさせてください」と言うんです。診療を待っている患者さんもいるので、診療中には調べられません。ですから、少し時間をもらって次回の診療時にきっちりと伝えている。医師として誠実です。

医師を志した理由とその後のキャリアについて教えてください。

【田那村院長】両親が医者だったので、継ぐのが当たり前だと思っていました。聖マリアンナ医科大学を1986年に卒業したのですが、聖マリアンナ医科大学病院は川崎市にあり千葉から遠いので、父の母校でもある東京慈恵会医科大学の旧青戸病院(現・葛飾医療センター)に勤めました。クリニックを継いだのは2000年です。
【雅子副院長】私は小中高学校がカトリック系で、そこでの教育のためか、気がついたら「人の役に立つ仕事に就きたい」と医師をめざしていました。私の出産後、母が長く入院して助けてもらったのが東京慈恵会医科大学病院で、行くなら慈恵と決めていました。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

田那村彰院長、田那村雅子副院長 田那村内科小児科医院6

【田那村院長】医療が高度化・細分化する中、一人の医者がすべてを解決できる時代ではありません。患者さんの健康案内人がしっかり務まるよう、多職種連携を密にしていきたいです。
【雅子副院長】健康は目的ではなく、自分がやりたいことを実現させるための最低条件です。患者さんが望むことまでを見据えた診療を行いつつ、患者さんが気軽にお悩みを相談できる場所にしていきたいですね。

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