おねしょは家族の悩み
心のケアをしながら診療する夜尿症の外来
権田医院キッズニイクリニック
(さいたま市浦和区/北浦和駅)
最終更新日:2024/10/09
- 保険診療
子どものおねしょで悩んでいる家庭も少なくない。おねしょは成長とともに自然と収まっていくが、中には一定の年齢になっても改善されない場合は、夜尿症の可能性がある。長年地域のかかりつけ医として親しまれてきた「権田医院キッズニイクリニック」では、夜尿症の外来を設けて、子どものおねしょに悩む家庭に寄り添っている。2024年4月に4代目院長に就任した権田裕亮(ごんだ・ゆうすけ)先生は、小児腎臓を専門に経験を重ねて来た医師だ。日本腎臓学会腎臓専門医としても子どもの夜尿症の診療に多くあたってきた権田院長は、夜尿症は家族の問題だと考えている。患者である子どもと親双方の気持ちにも配慮しながら診療を行う権田院長に、夜尿症について詳しく話を聞いた。
(取材日2024年9月13日)
目次
自然に治らないおねしょは困っている時が受診の目安。1日でも早く安心して眠れる夜を作るための夜尿症診療
- Qおねしょと夜尿症の違いについて教えてください。
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A
おねしょは子どもの多くが経験しますが、成長するにつれて自然と改善されていきます。もし5~6歳、小学校に入学する前後の年齢になっても眠っている時におしっこを漏らすことが続く場合は、夜尿症になっていると考えられます。似たようなお悩みに昼間のお漏らしがありますが、お漏らしは夜尿症とは違い目が覚めている時におしっこが漏れてしまう症状です。日中にお漏らししてしまうお子さんの多くは夜におねしょをしている傾向にありますが、夜尿症とお漏らしでは要因が異なります。と聞くと相談に行っていいのか迷われる親御さんも多いと思いますが、医師がお子さんを診察して見極めてアドバイスをしますので、まずはお気軽にご来院ください。
- Q夜尿症の原因は何なのでしょうか?
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A
夜尿症の原因は大きく3つあります。1つ目は夜におしっこがたくさん作られてしまう夜間多尿の問題、2つ目は夜におしっこを溜められない膀胱機能の問題、3つ目は夜に尿意を感じても起き上がれずにおしっこを漏らしてしまう夜間の覚醒の問題です。まずは問診で状況やお悩みについて伺い、何が原因となる夜尿症なのかを見極めた上で、お子さんお一人お一人に合わせたアプローチを行っていきます。夜尿症についてはここ10年ほどで認知が広がっている印象がありますが、依然として病気としての認知度はまだまだです。相談先がわからず悩んでいるご家族も多いですので、クリニックで診てもらう選択肢があると知っていただけるとうれしいです。
- Q夜尿症を放置すると、どうなるのでしょうか?
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A
おねしょが治らずずっと続いてしまうと、一番最初に考えられるのがお子さんの自尊心の低下ですね。周りの友達はおねしょを卒業しているのにという引け目や自信の低下が、本来お子さんが持っている性格や日常生活に影響を及ぼしてくることが一番問題視されています。いじめに遭っている子どもと同じくらいのストレスを受けているというデータもあるくらい、おねしょでお子さんの心も傷ついています。そのくらいお子さんにとって大きな問題ですので、診療時にはお子さんのメンタルにも配慮しながら、1日でも早くおねしょをしない日を作って自尊心を取り戻していけるよう働きかけていきます。
- Q夜尿症の受診の目安はありますか?
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A
先程5~6歳になってもおねしょが続いていたらというお話をしましたが、お子さんご自身はもちろんご家族が困っていらっしゃるなら、ぜひご来院ください。夜尿症の目安となる年齢はありますが、そこに達していない年齢だったとしても、お気軽にご相談していただければ幸いです。実際に、幼稚園の年中さんくらいで受診される方もいますよ。あとは、小学校高学年になってもおねしょが続いている場合は、学校の宿泊行事が受診の目安となるタイミングの一つですね。友達や同級生と一緒に寝起きすることになって困っている、というご相談も少なくありません。困っている時が受診のタイミングですので、安心してお越しくださいね。
- Qこちらではどんなアプローチを行っているのでしょうか?
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A
まずは、普段の生活習慣の確認をしながらお悩みについて伺います。それから2~4週間かけて、1日のトイレの回数や1回あたりの量、毎日のおねしょの有無や寝る前の水分量、便など、細かい記録を取っていただきます。中には、記録を取ることでおねしょが減るお子さんもいるようですよ。併せて尿検査も行い、実際に治療やトレーニングを始めるのは2回目の受診からですね。生活指導と合わせて、内服薬やおむつにアラームを付けて行うトレーニングなど、お子さんに合わせて方針を立てます。ご家族の協力も不可欠ですので、お子さんとご家族双方のモチベーションに合わせて提案します。