澁谷 浩一 院長の独自取材記事
わかば医院
(さいたま市浦和区/与野駅)
最終更新日:2025/08/26

浦和の地に60年以上密着し、赤ちゃんから高齢者まで幅広い患者の診療を行ってきた「医療法人 わかば医院」。澁谷浩一院長は、祖父の代から続いている同院を2017年に正式に継承。現在は皮膚科、糖尿病内科、神経内科、内科を軸に、訪問診療や往診も積極的に行っている。同院継承前は、数々の病院で勤務医として神経内科領域の研鑽を積み、領域が近い膠原病内科や、さらには科外の消化器系や呼吸器系の診療など、豊富な経験を積んできた。休日には自身の子どもと一緒になって空手の練習に励むなどアクティブに過ごす澁谷院長に、同院の診療方針や患者と接する際に心がけていること、今後の展望などについて聞いた。
(取材日2025年7月22日)
60年以上続くクリニックを継ぎ、寄り添う医療を提供
まず初めに、先生のご経歴について教えてください。

大学卒業後は父の専門である糖尿病内科に進むことも考えていたのですが、糖尿病や膠原病由来の神経や皮膚の症状も幅広く診る神経内科に興味が傾いていきました。東京女子医科大学神経内科で研修医として勤務した後、さいたま赤十字病院神経内科に入局しました。2015年からはより包括的な診療に携わるため北浦和にある埼玉メディカルセンターの内科に入局しました。埼玉メディカルセンターはスタッフが限られており、消化器や呼吸器など科外の疾病にも対応していたため、この時に培った経験は今でも生きていると実感しています。
前院長であるお父さんから受け継いだ、大切にしているポイントがあれば教えてください。
幼い頃から、地域の方々と交流しながら患者さんの病気を治療していくという先代たちのスタイルに畏敬の念を抱いていました。何かしらに困っていらしてくださっているわけですから、どんな時も優しく丁寧に接することを心がけております。信頼関係が築けていないと、実は薬をちゃんと飲めていなかったという事実や、実際に困っている病気の原因などが明らかになりません。患者さんと打ち解けて状況を素直にお話ししてもらえるように、寄り添う気持ちを込めたコミュニケーションが大事であると思っています。
どのような患者さんがいらっしゃるのでしょうか?

近隣にお住まいの方を中心に、赤ちゃんからご高齢の方まで幅広く、親子2世代、3世代でいらしてくださっているご家庭もあります。内科では認知症やパーキンソン病、糖尿病や甲状腺疾患、高血圧や高脂血症などの患者さんが多いです。皮膚科としては、お子さまですと皮膚の乾燥やかゆみ、おむつかぶれ。あとはアトピー性皮膚炎、ニキビなどのご相談が多く、ご高齢の方ですと帯状疱疹、乾燥性皮膚炎や脂漏性皮膚炎、カンジダ皮膚炎や水虫でいらっしゃる患者さんが多いです。
内科、皮膚科にとどまらない総合的診療が可能
先生の治療方針について教えてください。

小さなお子さんからご高齢の方まで、患者さんが抱えるさまざまなお悩みをできるだけ当院で解決できるよう、内科、皮膚科にとどまらず、眼科や耳鼻科なども含む総合的な診療ができる体制を整えています。一人ひとりの患者さんに最初から最後までじっくり向き合えるのがクリニックの良さです。幅広いニーズに応え、地域の皆さんに「今日わかば医院に来て良かったな。」と思っていただけるクリニックをめざしています。当院は訪問診療も行っています。ご高齢の方で通院が困難になった場合は、ご家族やご本人と相談の上、ご家庭や施設での訪問診療に移行できるよう整えています。他にも、認知症の患者さんをサポートするため地域包括支援センターと連携し、ご高齢で独り暮らしをしている方のご自宅に伺って、しかるべき介護支援につなげたり、老人ホームや発達障害の方の施設の配置医なども担ったりしており、幅広い形で地域医療に携わっています。
患者さんと接する際に心がけていることはありますか?
いつ治療が終わるのか先が見えない状態では、やはり患者さんは不安を覚えてしまうので、見通しを具体的にお話しして、安心感を持ってもらえるようにしています。疾患の原因には、遺伝的要素に加えて生活習慣や年齢など、さまざまな要素が関与します。そのため、ライフスタイルなども詳しく伺い、お一人お一人の生活背景を踏まえた無理のない治療を提案しています。また、皮膚科の治療では薬の塗り方も重要です。ただ塗り薬を処方するだけでなく、適切な量や塗り方も診療時に実際に目の前で塗りながらお伝えしています。特にお子さまの診療においては親御さんと同じ目線に立つことを意識しています。例えば、軟膏薬であれば実際に塗布するのは親御さんなので、塗りやすい時間帯を一緒に考えたり、協力してくれるご親族がほかにいるかどうかも確認します。
チーム医療という観点から、看護師や事務員の方なども含めクリニック全体で工夫していることはありますか?

私は院長という立場ではありますが、決して厳しくはせず、スタッフに「助けてもらっている」という気持ちを常に持っています。当院のスタッフは入れ替わりが少なく、中には30〜40年勤続のベテラン看護師さんもいるため、頭が上がりません。意見を言いやすい環境や、皆が仲良くいられるための空気づくりがクリニック運営において特に大切だと考えています。休日にはスタッフ同士で温泉旅行に行くこともあるようなので、皆にとって居心地の良い場所になっているのかなと思っています。また、当院のスタッフは全員が子育て経験者で、産休明けも職場復帰してくれるので非常に心強いです。
患者の家庭環境も考慮し、幸せでいられるための医療を
日々お忙しいかと思いますが、休日はどのように過ごしていますか?

9歳の双子の息子と4歳の娘がいるため、休日は子どもを連れて遊びに出かけるのが楽しみです。上の子どもが空手教室に通っていて、最初は見ているだけだったのですが、スマホをポチポチしていい雰囲気でもなく、それだと長時間座っているだけで退屈になってしまい、私も一緒になって参加するようになったら見事にハマってしまいました(笑)。患者さんに運動を奨励しているのに、それまでは自分自身がまったく体を動かしていませんでした。約1時間半、意識が遠のくほどのハードな練習なのですが、良いストレス発散の時間になっています。
勤務医と開業医、両方の経験があるからこそ感じる開業医の良さはありますか?
大学病院はワンポイントしか見られないため、通院が困難になってしまうと施設や在宅での治療に移り、こちらの手から離れてしまいます。一方クリニックでの診療は、最初から最期までお看取りするつもりで患者さん、ご家族とお付き合いできるところが病院での診療と違う点です。ご家庭はお考え、環境も十人十色なので、それぞれのご家庭に合った治療方針をご家族、医療スタッフと相談しながら提案していけます。家族が介護の限界に近づいていると判断した場合はご家族と相談し、私が実際訪問診療で回って、「ここはスタッフが優しく、介護もしっかりしているな。」と感じた施設を紹介するなどの判断も速やかに取れるので、勤務医時代よりも深みのあるこまやかな医療が提供できていると考えています。最期まで自宅で過ごされたご本人と、それを見送られたご家族の間に流れる穏やかで幸せな空間に携われるところに、在宅医療の大きなやりがいがあるを感じています。
最後に、今後の展望と地域住民へのメッセージをお願いします。

当院は内科、皮膚科をはじめ、患者さんが健康で幸せな人生をお送りするためのお手伝いができるクリニックをめざしております。「科が違うと思うんだけど、実はこういう困り事もあって」と、患者さんは気を使われることが多いのですが、話を聞くとこちらで対応できることがほとんどなので、気兼ねせずに何でも相談してほしいです。当院は予約制ではないので、気になることがあればいつでも気軽にお越しください。