三吉 健太 副院長、木戸口 美季 先生の独自取材記事
みよしクリニック
(さいたま市大宮区/鉄道博物館駅)
最終更新日:2025/08/04

専門性の高い診療とかかりつけ医としての親しみやすさを両立させ、患者に寄り添ってきた「みよしクリニック」。地域医療に身を捧げてきた祖父や父を見て育った三吉健太先生は、同じ道へ進み、大学病院の消化器外科という臨床の前線で走り続けてきた。その後、同院院長である父から「一緒に診察を」と打診を受け、副院長に就任。「生涯にわたって患者さんをサポートしていく」というクリニックの理念が、自身のめざす医療そのものだったため、入職を決めたという。その情熱は、大学病院で同期だった木戸口美季先生をも動かした。乳腺外科を専門に扱ってきた木戸口先生は、2024年に新設された乳腺科を担うこととなった。今回、三吉副院長と木戸口先生の2人に、地域医療への想いや同院の特徴などについて聞いた。
(取材日2025年7月8日)
地域に根差し、生涯頼れるかかりつけ医をめざす
祖父の代から、地域の方々の健康を支え続けているのですね

【三吉副院長】祖父が近くの総合病院の初代院長を務めていたのですが、地域医療を支える側になりたいと開業したのがこのクリニックの前身です。そして父が継承し、内科や消化器科を専門とする現在の「みよしクリニック」を1997年に開業しました。数軒先では叔父が長らく小児科を開院しており、科は違いますが、親戚同士で協力し合って地域医療をサポートしていきたいという想いが強かったんだと思います。ここでの勤務は父から「クリニックを手伝ってくれないか」と打診されたのがきっかけでしたが、かかりつけ医としての役割と専門性の高い医療を一人で担っていた父をバックアップしたい気持ちもありました。そのタイミングで、研修医時代からずっと切磋琢磨してきた木戸口先生とセカンドキャリアについて話す機会があり、「乳腺外科をつくるので、うちのクリニックへ来てほしい」とヘッドハンティングしました。
医師をめざし現在の道へと進まれた経緯と、今までのキャリアについてお聞かせください。
【三吉副院長】地域医療に身を捧げ、貢献してきた祖父や父の姿を見て育ったので、自然とこの道を選びました。父と同じく食道がんを専門に、手術や抗がん剤治療はもちろん、末期の患者さんも診ていました。消化器外科は首から胸、おなかと、すべての手術に関わり、全身管理が必要な分野です。幅広い治療をこなしていく技術が求められるため、一通り、何にでも対応できる力はついたと思います。
【木戸口先生】耳鼻咽喉科の医師だった両親と同じ道に進むことも考えましたが、初期研修の時、乳がんの患者さんに「乳腺の先生になってほしい」と言われたのがきっかけでこの道へ。その後、大学病院などで診察を行ってきましたが、既に症状が進んでしまった患者さんも多く、早く見つけてあげていればとずっと歯がゆい思いでした。もっと気軽に受診できる乳腺専門の外来が地域に増えたらと、2024年4月から当院で診察を行っています。
幅広い医療サポートが特徴的ですね。

【三吉副院長】かかりつけ医としての身近な温かさはそのまま、より専門的な検査も精密に行えるようにとCTも備えています。「即診断・即治療開始」をモットーに、一般的な内科診療はもちろんのこと、生活習慣病や消化器内科、外科、乳腺科、胃や大腸の内視鏡検査、健康診断など幅広い診療ができるように体制を整えました。特に、医師が一人ひとりの患者さんをしっかり診る体制を大切にしています。長く勤務してくれているスタッフも多く、患者さんとの距離が近いからこそ、生活背景まで含めた細かなフォローができていると感じています。僕たち医師だけでは気づけないことも、スタッフとの連携で拾い上げ、患者さんにとって最適な医療を提供していきたいと考えています。
親しみやすさと専門性、両面を兼ね備えたクリニック
どのような患者さんが通院されていますか?

【三吉副院長】おなかの調子が悪いなど、胃腸にお悩みを抱えている方は、世代を問わず多くいらっしゃいます。ホームページを見て日本消化器外科学会消化器外科専門医がいるからと来院してくださる方も増えました。手術が必要な場合は提携先の病院へご紹介しますが、退院後は当院でフォローすることが可能です。いろいろなケースにお応えすべく、ストーマや便秘の外来も設けました。小さなことでも、まずはご相談でも良いので来院してほしいですね。
【木戸口先生】
乳がん健診をご希望の方や発達の心配で受診した小中高生、授乳中のお母さんなど、いろいろな世代の方がいらっしゃいます。実は、乳がんは女性だけがかかる病気ではなく、男性にも見られます。そのため、当院では間口を広げ、あえて女性専用にはしていませんが、乳腺科のスタッフは医師の私を含め全員女性なので、かかりやすさは感じていただけると思います。
木戸口先生は乳腺科のすべてに関わり、しっかり診られているのですね。
【木戸口先生】乳腺科では、エコーやマンモグラフィの検査も含め、読影、診断、治療とすべて私が担当しています。お話を聞き、検査、ご説明まで一連を丁寧に行っていくため、完全予約制とさせていただいております。さらに、患者さまの苦痛を少しでも取り除くために、日本人向けに開発されたマンモグラフィを用いて検査を行っています。精密検査が必要な乳腺疾患には、生体検査による病理診断を当院で行い、結果をその場でお伝えすることも可能です。必要に応じて、数多くの連携先の医療機関をご紹介し、術後はまた当院でフォローを行います。
診療で大事にされていることは何ですか?

【木戸口先生】なるべくわかりやすい言葉で丁寧に話すようにしています。問題がないから大丈夫というわけではなく、自分だったらどのように説明してもらい、どんなことを教えてほしいのかなど、患者さんの視点で物事を捉えるようにしています。フォローする必要が少しでもあれば定期的に来ていただくようにしており、定期的な検査や自己触診の重要性をお伝えしています。不安なことが少しでもあればいつでも相談していただきたいですね。
最期までずっと頼れるクリニックであるために
外来だけでなく訪問診療も始められたそうですね。

【三吉副院長】患者さんから「通院が難しくなったので、訪問診療のクリニックに移ります」というお声を多くいただくようになり、地域のかかりつけ医として、ずっと患者さんに寄り添ってきたのに「最期までは診てあげられないのか」と、何ともいえない気持ちになりました。できることなら、生涯診させていただきたい。その想いから、当院でも訪問診療部を立ち上げました。現在は私が中心になって訪問診療を提供しています。今まで診察を行っていた医師が訪問に移行後も担当しているため、安心してお過ごしいただけるのではないかと思います。食道がんの予後が悪く「最期は自宅で」と願う患者さんを、消化器外科専門医の私ならではのケアで支えることもできるので、かかりつけ医としての使命だと思い、対応しております。
診察で大事にされていることは何ですか?
【三吉副院長】患者さんのご希望や生活背景を踏まえて治療方針を決めることを大事にしています。医療に絶対はありませんので、基本を大切にした医療を踏まえ、私が提案した選択肢から、患者さんご自身で選んでもらうようにしています。胃カメラ、大腸カメラに関しては苦痛なくより正確な診断をするという父のスタンスを受け継ぎ、専門性を生かしつつ患者さんに寄り添いながら行っています。決して医師の考えを押しつけず、患者さんの希望に沿った医療を提供するように努めていますので、どんなことでも話していただきたいと思っています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

【三吉副院長】今後も知識をアップデートしながら、より良い医療を提供していきたいです。風邪をひいた時や健診を受けたい時など、どんな理由でも構いません。気軽に「とりあえず、みよしクリニックに行ってみよう」と思ってもらえる場所でありたいですね。患者さんそれぞれの使い方で、うまく当院を活用していただけたらうれしいです。
【木戸口先生】乳腺科は「ちょっと行きづらいな」と感じる方もいらっしゃると思います。そんな時は、まずはお電話でご相談いただけますので、どうぞ気軽にお話しください。「内科も診てほしい」「他にも気になる症状がある」など、どんなことでもご相談ください。一緒に考えて、安心して受診できるようにサポートします。