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桃木 茂 院長の独自取材記事

桃木内科クリニック

(さいたま市見沼区/東大宮駅)

最終更新日:2025/08/12

桃木茂院長 桃木内科クリニック main

東大宮駅西口から県道沿いを歩いて10分ほど、2階建ての一軒家が「桃木内科クリニック」だ。2016年4月に新しい建屋へと移転したばかりとあって、どこもかしこもまだ真新しさが残る。院内は白をベースに木目調の風合いがすてきな空間だ。桃木茂院長は大学病院で内科の医師として幅広い疾患に対応しながらも、呼吸器、循環器の専門性を高めてきたオールラウンドなドクター。一方、患者が自らの病状を把握しやすいようにと、模型を使いながらわかりやすい説明を心がけるなど、謙虚さも忘れない。今回はそんな桃木院長に、医師になったきっかけ、開業後の感想、医療への想いなどを語ってもらった。

(取材日2016年9月15日)

1件でも多くの病気を食い止めたい。その一心で開業

ここ東大宮の地に開業されたのはなぜですか?

桃木茂院長 桃木内科クリニック1

もともと私は大宮の生まれで、小学校2年生の時にこの辺りに移り住んできました。斜め向かいにある薬局は私の実家なんですよ。母は80歳を過ぎた今も現役の薬剤師で、私もいずれは近くに診療所を構えようと考えていました。やっぱり地元に貢献したいという思いがあったんです。開業したのは1997年ですが、それまでは栃木にある大学病院で診療をしていたので、地元とはいえ患者さんはゼロからのスタート。最初は1日10人にも満たないような状況でしたね。それが母に紹介してもらうなどしているうちに、少しずつ患者さんが増えていきました。

大学病院時代と開業してからでは何か違いはありますか?

かなり違いますね。大学病院では基本的に紹介された患者さんを受け入れる立場にありましたから、すでに手に負えない状態の方を診る度に歯がゆい思いをしていました。大事に至る前に病気を見つけて食い止めたい……という考えがずっと頭の中を渦巻いて。特に私は心臓と肺の両方を診る科にいましたから、手当が不十分だったために心筋梗塞を起こした方などを目の当たりにすることも多々あったんです。私が開業を決意した一番の理由はまさにそこで、急激に起こる病気の患者さんを何とかしたかったんですね。現在はさいたま市の検診事業や、大宮医師会の検診委員会に参加し、肺がん検診のエックス線読影などを通じて、病気の早期発見に貢献できる環境に身を置くことができています。

一にも二にも早期発見が重要だということですね。

桃木茂院長 桃木内科クリニック2

大学病院で外来を担当していた時、40代くらいの男性が市の検診で胸部に異常陰影ありと診断されたとお越しになりました。そこでエックス線写真を撮ると影がたくさん見つかって、睾丸のがんだということがわかったんです。すぐに泌尿器科に引き継いだのですが、残念なことにその1週間後に亡くなってしまいました。もっと前の段階できちんと処置をしておくべきだったのに。心筋梗塞にしても、今は二十数年前と比べるとだいぶ医療も発展していて、狭くなった冠動脈にバルーンやステントという小さな器具を入れることで、血管を広げる処置が可能です。しかしそれ以前に、血中のコレステロール濃度や血糖値、血圧を調節してあげたり、早い段階で症状を見つけてあげたりすることが大切。心電図や各種検査で病気がわかれば、大事に至る前に治療できます。

循環器、呼吸器の2分野を専門に持つドクター

どういった層の患者さんが多いですか?

桃木茂院長 桃木内科クリニック3

近隣にお住まいの方が中心で、上尾から来られる患者さんが半数近くを占めています。ここの住所は東大宮なのですが、100mほど行けば上尾になるんですよ。年齢層は全体の6~7割がご高齢の方。若い方ですと風邪、喘息、アレルギー性鼻炎などが多いでしょうか。風邪の症状で受診したものの、調べてみると実は血圧が高く、そちらの治療に移行するといったケースもあります。重症の患者さんは初期治療を施して、上尾の方は上尾中央総合病院、さいたま市だと彩の国東大宮メディカルセンターや‎自治医科大学附属病院、さいたま北部医療センターへと速やかに紹介しています。病院からの逆紹介も対応しています。もともとは紹介患者さんを受ける側だったのが、今は送る側になっているので、両方の立場を理解できていると思います。

血圧はどんな症状があったら受診すべきですか?

血圧の症状は多彩で、だるさ、めまい、頭痛、肩凝りなど身近な症状ばかり。それがある程度長く続くということがあれば、一度病院にかかるのがいいです。また、運動をすると血圧は高くなるものですが、逆に下がるという人は心臓のポンプ機能が弱っている可能性があります。そうした状態は狭心症や心臓弁膜症、少なからず脳梗塞の要因になり得るので注意が必要ですね。

先生は循環器と呼吸器の2つを専門とされているのですね。

これは大学卒業後に入局した獨協医科大学第一内科の歴史と関係があります。そこはもともと今でいう総合内科のような所で、私のボスも幅広い分野に精通している先生でした。「内科医は何でも診られないといけない」とよくおっしゃっていて、だから肝臓疾患、神経疾患、脳卒中、脳梗塞をはじめいろんな病気を診ていましたね。それが心臓と肺だけを診る科に変わり、最後は心臓・血管内科へと発展していきました。だから私は内科全般、循環器、呼吸器、アレルギー科と広く対応できて、予防も含め、大学の医局にいた時から行ってきた医療が今に生きています。

診療の中で心がけていることを教えてください。

桃木茂院長 桃木内科クリニック4

当院の規模では、急性期の患者さんに対してできることは限られています。すぐに手術をするとか、機械を使って治療をするということはできないんです。こちらでできるのは、検査をして症状の原因を見つけ、薬を出して対処すること。そして必要に応じて、速やかに近隣の病院に引き継ぐこと。長年、循環器と呼吸器を診てきた経験から、適切な診断と迅速な対応はできるのかなと思います。またそれを確かなものにするために、心電図やエックス線検査装置、超音波装置、負荷心電図と設備を整えています。負荷心電図は自転車をこぐことで負荷をかけて心臓の状態を調べるもので、クリニックで備えているのは珍しいかもしれません。

地域医療を支え、地元に貢献する

医師をめざしたきっかけを教えてください。

桃木茂院長 桃木内科クリニック5

母は薬剤師、母の兄が開業医という環境に育ちましたから、私にとって医療とはごく身近なものでした。子どもの頃は伯父に診てもらったことが何度かあって、ある時はガングリオンの治療で脂肪の塊に針を刺されたんですよ。もう嫌で嫌で堪りませんでした。それと私が通っていた獨協中学校は、学年の半数近くが医師や歯科医師の子ども。もともと医学部か薬学部のどちらかには進もうと漠然と考えてはいましたが、医学部に進む友人が多くて私も行ってみようかなと。そうして現在に至ります。

最後に今後の展望、そして読者への一言をお願いします。

桃木茂院長 桃木内科クリニック6

今後は災害・救急医療をはじめ、地域の医療を支えるというのがメインになってくるでしょう。このエリアは高齢化が進んでいて、あまり遠くの病院まで通えない方が大勢いらっしゃいます。しかし地域的に見ると不足している科があって、CTやMRIなど画像診断のできる医療機関も少ない状況。医師会での活動を通じて、地域で完結できる医療を整備できればと思っています。皆さんには息切れやめまい、貧血、疲労感など体調不良全般、女性ですと更年期障害など、どんなことでもご相談いただきたいと思います。ご自身だけでなく、ご家族のことや、介護の相談などでも構いません。禁煙治療も行っていますので、ぜひ一度ご相談ください。

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