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黒須 不二男 院長の独自取材記事

ナラヤマレディースクリニック

(上尾市/上尾駅)

最終更新日:2019/08/28

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上尾駅東口から徒歩8分。上尾市役所前にある「ナラヤマレディースクリニック」は、この地に開業して50年以上たつ歴史あるクリニック。2004年に院長に就任した黒須不二男先生は長年、大学病院と総合病院で無痛分娩に携わり、その経験を生かしたいと同院でも開始。広く奥行のある待合室は、優しい色使いが印象的で、水槽を泳ぐ魚たちに心が癒やされる。出産には素晴らしい出産もあれば、自分の描いたイメージと異なることもある。「患者さまと、とりまくすべての方に幸せな記憶を残します」と話す院長は、その想いを込めた「しあわせお・さ・ん」をスローガンに掲げている。クリニックの統括者として日々診療にあたる黒須院長に話を聞いた。
(取材日2017年8月10日)

豊富な経験と徹底した管理の下で無痛分娩を実施

地域に根差して五十余年、歴史のあるクリニックなのですね。

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1964年、ナラヤマ産婦人科医院として父が開院しました。2004年に私が後を継いだのを機に改装し、現在の「ナラヤマレディースクリニック」としてスタートしました。産婦人科は、いつ起こるかわからないお産に対応しなければなりませんが、当院には私を含め4人の経験豊富な医師がいるので、皆身体的にも精神的にも万全の状態で患者さんと向き合うことができます。

無痛分娩が大きな特徴とお聞きしています。

私が院長に就任した2004年から始めました。母校の大学病院や派遣先の横浜や東京の総合病院でも長く無痛分娩に関わり、その経験を踏まえ、当院でも導入しました。陣痛の痛みや不安感などのストレスを取り除くと、お母さんや赤ちゃんの疲労も少なくなります。日本ではまだ行っている施設が少ないのですが、理由の一つには、耐え忍ぶことが美徳という民族性があると思います。痛みを伴い、乗り越えてこそ母親であり、愛情も深まるというような意識が強いんですね。また医師側も母体と赤ちゃん2人の命を預かり、さらに痛みを取るとなると、高度な技術と経験が必要とされるため、そういった点も実施施設が少ない一因だと思います。

日本でも希望者が増えているそうですが、対応できるドクターがまだ少ないのですね。

当院では4人の医師全員が無痛分娩に対応できます。とはいえ、十分な分娩監視が必要となるため、日中限定になります。24時間体制だと安全管理が難しく、4人の医師と多くの助産師、看護師がいても足りないのが現状です。全員の希望をかなえようと無理をすれば事故につながりかねません。また妊娠週数、胎児推定体重、骨盤内や子宮口の状態など施行条件があり、条件に合うまで待つことになりますが、夜間に陣痛が来て出産に至るなど希望してもできない場合もあります。結果的には、安全優先で判断すると4人に1人はできないのが現状です。

こちらのクリニックでは希望者は多いですか?

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2016年は1月~12月までに、800人強のお産がありましたが、無痛分娩の希望者は200人程度、そのうち実際に行えたのは150人程でした。月1回、説明会を行い、希望者には必ず参加してもらっています。その際、4人に1人はできないことや、メリット、デメリットも詳しくお伝えしています。当院のモットーは「しあわせ お・さ・ん」。無痛分娩は選択肢の一つで、一番大切なのは、元気なお母さんが、元気な赤ちゃんを抱っこすること。無痛分娩ができなくても、素晴らしいお産だったと満足してもらえるよう、スタッフみんなでサポートすることが重要だと思っています。

時代とニーズに合わせ柔軟に対応を

リニューアルや新しい機器の導入も積極的に行っていますね。

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医学の進歩は速いですから20年前と同じことをやっていてはだめで、私たちも常に勉強し進歩しないといけません。院長に就任した当初から、ただ大きくするのではなく、コストがかかっても患者さんのニーズに合わせ、フレキシブルに対応していこうと考えていました。2006年に出産希望者の増加に伴い増築工事をし、付き添い宿泊可能な個室を含め19床へ増床、マタニティールームも併設しました。2009年には4D超音波診断装置を追加しています。患者さんや地域の方々の意見を伺い、世の中の情勢を見ながら、これからもよりよい環境をつくっていきたいですね。

クリニック独自の、助産師の専門外来について教えていただけますか?

助産師が妊婦健診のうちの妊娠中期と後期の計2回、医師に代わって健診と保健指導・相談を行う外来で、2010年に開設しました。助産師は、もともと助産院を開院できるだけの勉強と経験を積んできた人たちです。その専門性を生かし、医師とは違った目線で30分間ゆっくり時間をかけて話を聞きながら、きめ細かなサポートをしていきます。精神的なサポートもでき、良い形の分娩につながっています。当院には非常勤も含めて20名程助産師がおり、その中でも知識・経験が豊富で、自身の出産経験からも助言できるような助産師が担当しています。

健診以外で、妊娠中の体や生活のサポートのためにどんな取り組みをされていますか?

マタニティールームで、マザーズクラスという妊婦さん向けの講習会を開いています。また、希望者に対しては有料で、エクササイズ教室(マタニティ インスパイリング:骨盤体操)も行っています。妊娠中と産後それぞれに応じた骨盤・骨格を正すエクササイズが特徴です。産後のエクササイズは、出産で歪んだり開いたりしてしまった骨盤を矯正する方法として知られていましたが、妊婦を対象としたものは全国でも珍しく、より良い出産に向け骨盤や骨盤底筋に働きかけるエクササイズとして好評です。その他、産後のベビーマッサージも行っています。生後6ヵ月までのベビークラス、7ヵ月から1歳までのハイハイクラス、お父さんも参加できるパパクラス、おばあちゃんも参加するグランマクラスがあります。今後はクラスの増設も検討しています。

産後のフォローアップにも力を入れているそうですね。

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日本では、産後うつが社会的な問題になっており、産後のサポートはとても大切です。1ヵ月健診の前に精神的に不安定な人が多いこともわかっており、当院では3週間後の健診が良いと考え、実施しています。また、入院期間についても、長めに入院したほうが疲れが取れそうな人や、赤ちゃんとの生活が軌道に乗れそうにない人は通常より2~3日退院を遅らせたり、上のお子さんの都合などがある場合は早めに退院してもらったりと、その方に合わせて柔軟に対応するよう努めています。また、一度退院された方も、状況によっては再入院していただき、スムーズな産後の生活に移行できるようサポートしています。

これからも進化、発展し続けるクリニックをめざして

先生が産婦人科の医師をめざしたのは、やはり自然な流れだったのでしょうか?

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父は「好きな道に進めばいい」と言ってくれましたが、作戦だったのかもしれません(笑)。専門分野を選ぶ時にも、口出しすることはありませんでした。他の科にも興味があり直前まで迷いましたが、やはり父の背中を見て育っていますから、父の持つノウハウを無駄にするのはもったいないし、父が地域の方々との信頼関係で長く築いてきた医院を生かしていきたいと考えました。2つの命を預かり喜んでもらう姿を見て、地域で仕事をすることにも魅力を感じていましたから、父からすればうまくいったと思っているかもしれませんね(笑)。

オフの時間の過ごし方は?

私以外にも医師が3人いるので、無理なく日々のお産と診療に対応できていますが、家でもクリニックのことを考えていますし、院長として24時間いつでも動けるようにというのが頭にありますから、プライベートな時間はあまりないですね。家に帰ったら新聞などを読み、ニュースを見るだけで1日が終わる感じです。ただ、毎日狭い室内を移動しているだけなので、運動不足にならないようストレッチなど体を動かすことは心がけています。時々、医師会の理事仲間とゴルフに行くことも、良い運動の機会になっています。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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これからも勉強を欠かさず、新しい技術・設備を取り入れ、患者さんの声に耳を傾けることを大切にしていきたいです。スタッフも長く勤務してくれているので、その思いを皆で共有し、地域に根差し、進化・発展し続けるクリニックでありたいです。一次診療としての婦人科、がん検診、不妊相談なども行っており、連携病院も多くあります。すべてに対応できる体制が整っていますので、気軽にお越しください。

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