人生会議を重視した訪問診療で
最期まで自分らしく暮らす支援を
さいとう内科クリニック
(所沢市/小手指駅)
最終更新日:2025/12/05
- 保険診療
高齢化の進行に伴い、自宅で医療や介護を受けたいというニーズが高まっている。体力の低下や慢性疾患などで通院が難しくなっても、外来と同等の医療を自宅で受けられる「訪問診療」が注目されている。血液検査や超音波検査、エックス線検査などを含めた多様な診療に対応し、患者と家族の希望を尊重した医療を実現できる点が大きな特徴だ。アドバンス・ケア・プランニング(ACP)=「人生会議」の考え方を取り入れ、人生の最期まで安心して過ごすための支援を行う「さいとう内科クリニック」。在宅医療の現状や、地域で支えるための取り組みについて、齋藤先生に話を聞いた。
(取材日2025年10月31日)
目次
外来診療と同等の医療を自宅へ。ACPを重視し、家族とともに最期まで寄り添い支える訪問診療
- Q訪問診療はどのような方が対象になりますか?
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A
▲訪問診療の相談は、地域包括支援センターからも可能
体力の低下や慢性疾患の悪化で外来受診が難しくなった方、退院後再び医療機関へ通うことが難しい方、がんや脳梗塞、認知症などで外出が困難な方などが主な対象です。急な体調変化に臨時で対応する「往診」とは異なり、「訪問診療」は計画的に医師がご自宅へ伺い、ケアマネジャーや訪問看護師、地域包括支援センターからの紹介で始まることが多く、ご家族とも情報共有しながら継続的に支えます。独居の方の場合も、入退室方法や見守り体制を整え、ICT連絡網を活用することで安心して受診いただける環境を整備しています。まずは現在の主治医やケアマネジャーにご相談ください。定期訪問のほか、必要があれば臨時対応も可能です。
- Q通院との違いと、主なメリットを教えてください。
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A
▲自宅での療養が、生活の質を高めると話す齋藤院長
最大の利点は、ご自宅という慣れた環境で治療を受けられることです。病棟と違いアラーム音や人の出入りが少なく、プライバシーが保たれます。ご自宅でも血液検査、超音波検査、エックス線検査、創傷処置、尿道カテーテル交換など外来診療と同等の医療の提供が可能で、定期訪問で小さな変化を早期に把握して悪化を防ぎます。住み慣れた環境はQOLの向上に寄与し、退院後にご自宅で、ご本人らしく心穏やかに過ごせる日々を取り戻される方も少なくないようです。ご家族の通院付き添いや送迎の負担を減らせるのもメリットの一つです。患者さんの病状やご家族の都合に合わせたスケジュール調整、夜間・休日の連絡体制も整えています。
- Q受診開始までの流れと注意点を教えてください。
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A
▲血液検査・エコー・エックス線も、自宅で対応可能
多くはケアマネジャー、病院の退院支援部門、訪問看護師からのご相談で始まります。まずご家族にご来院いただき、診療の流れや当院で提供できる医療、費用、緊急時の連絡先などの説明を行います。紹介状や検査結果、お薬手帳をご持参いただくと、よりスムーズに進めることができます。初回訪問では全身状態だけでなく、生活動線や介護環境を確認し、安全かつ継続的に療養するための環境づくりを支援します。その上で、月1回や2週に1回など訪問頻度を決めます。現状をしっかりと共有するため、ご家族やケアマネジャーら担当者の同席が望ましいですね。常に体調や生活状況の変化を早期に把握し、安心して在宅療養を継続できるよう努めています。
- Qこちらならではの強みと対応可能な内容は?
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A
▲医療だけでなく、家族の支えも一緒に考えている
外来と在宅を両輪で行っているため、血液検査、超音波検査、エックス線検査、創傷処置、尿道カテーテル交換など、外来診療で行える幅広い医療を訪問でも提供できます。ご本人とご家族の希望を第一に、ACP、すなわち「人生会議」の考え方を大切にし、患者さんが望む医療やケアについて事前に話し合い、尊重することで納得できる治療方針を共有しています。ACPはご本人の意向を反映させるだけでなく、ご家族や医療者とのコミュニケーションを通じて、終末期の医療をより良く進めるための大切なプロセスです。介護負担が大きい場合はレスパイト入院やショートステイも提案し、ご家族の休息に配慮します。
- Q理念「医療・介護の次の一歩を考える」について教えてください。
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A
▲医師・看護師・ケアマネジャーが連携し、チームで支える在宅医療
理念には、時代や世代の変化に合わせて医療も進化し続けるという思いを込めています。現在の後期高齢者の育った時代と現代では価値観が異なり、私たち医療者も常に次を見据えて動く姿勢が求められます。そのためDXやAIなど新しい技術を積極的に取り入れ、訪問ルートや時間調整、カルテ入力支援を最適化しスタッフの負担を軽減しながら、より丁寧で適切な医療をめざしています。オンライン診療もより一層活用していきたいですね。今後は若い医師の見学や実習を受け入れ、在宅医療の経験を次世代へつなげていくことを考えています。誰もが安心して暮らせる地域を支えるため、変化を恐れずに次の一歩を踏み出していきます。

