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檜垣 博 院長の独自取材記事

かわぐちレディースクリニック

(川口市/蕨駅)

最終更新日:2025/10/31

檜垣博院長 かわぐちレディースクリニック main

国道111号沿いにある「かわぐちレディースクリニック」。2020年に檜垣博院長が前身の渋川産婦人科を継承し、外来診察室10室、入院病室19床を備えた新しいクリニックとして生まれ変わった。「いいお産がいい子育てにつながる」を理念に掲げ、24時間365日の無痛分娩対応や家族立ち会い帝王切開を実施。総合母子保健センター愛育病院で長年研鑽を積んだ、日本産科婦人科学会産婦人科専門医であり麻酔科標榜医でもある檜垣院長。並行診察による待ち時間短縮、月1回以上の緊急対応シミュレーション、助産師全員の専門領域の知識取得など、患者の快適さと安全性を両立させるための体制づくりに尽力している。地域の幸せを紡ぐという思いのもと、どんな出産でも良い思い出になるよう願う檜垣院長に、診療への思いを聞いた。

(取材日2025年9月2日)

愛育病院での研鑽と地域医療への思い

先生のご経歴と開業までの経緯を教えてください。

檜垣博院長 かわぐちレディースクリニック1

私はこれまで東京港区の愛育病院で過ごしてきました。そこで産婦人科医として研鑽を積みながら麻酔科の経験も積み、産婦人科専門医の資格を取得したほか、麻酔科標榜医となりました。この2つの専門性を持つことで、安全性にも配慮した周産期医療を提供できると考えたんです。その後、千葉県内のクリニックで院長職を経験し、蕨市民病院では地域医療を学びました。2020年4月に前身の渋川産婦人科を継承する形で、移転増床し当院を開設しました。川口という地域で、これまでの経験をすべて生かして、お産に関わるご家族の幸せに貢献したいという思いで継承を決意しました。また、今でも愛育病院には非常勤として週1回通い、先進の知識と技術を学び続けています。

院内には10室の診察室があると伺いました。

医療機関を受診する際に一番ストレスになるのが待ち時間だと思います。特に妊婦さんは大きなおなかを抱えて何時間も待つのは本当に大変です。そこで私たちは診察室を10室用意して、複数の医師で診察を並行して行えるようにしています。もし重点的な対応が必要な患者さんがいたとしても、他の診察室で別の医師が診察を続けるので全体の流れが止まらずに診察することができます。また、患者さん一人あたりの診察時間は長めに確保しているので、医師の診察後は助産師が別室で妊娠中の指導も行います。基本的に予約時間にお呼びしてから会計まで含めて平均1時間でお帰りいただけます。今後は会計レスシステムも導入予定で、さらに待ち時間を短縮していく予定です。

病室や施設にもこだわりを感じますが、その背景を教えてください。

檜垣博院長 かわぐちレディースクリニック2

妊婦さんは心身ともに大変な思いをして出産をされるので、それをちゃんと褒めてあげたいと思い、病室はシティーホテル仕様にしました。当クリニックでは、特別室、一般個室、3床室の3種類を用意していますが、3床室でも十分なスペースを確保し、カーテンではなく家具で仕切ることで個室のような雰囲気を作っています。食事にもこだわっていて、盛りつけや食材の説明を添えたメッセージカードを毎日つけています。また、分娩室から手術室までの動線を短く設計し、何かあった時の超緊急対応が素早くできる構造にしています。ナースステーションでは集中管理システムを導入し、プライバシーは守りつつすべての患者さんの状況をリアルタイムで把握できるような体制も整えています。

24時間365日の無痛分娩対応と家族立ち会い出産

こちらでの無痛分娩について教えてください。

檜垣博院長 かわぐちレディースクリニック3

当院では、曜日や時間に関係なく、24時間365日無痛分娩に対応しています。そのため、専門スタッフの常時配置が不可欠で、分娩担当医師に加え無痛分娩に熟練した麻酔担当医を24時間体制で配置しています。医師だけでなく、助産師や看護師全員が無痛分娩に必要な知識と訓練を受けており、微弱陣痛や緊急帝王切開などにも迅速に対応できる体制を整えています。月1〜2回、母体救命・硬膜外麻酔・新生児蘇生法などの安全講習を院内で実施し、超緊急帝王切開のシミュレーションも毎月行っています。これにより、緊急時には15分以内に胎児を娩出できるよう訓練を重ねています。こうした体制があるからこそ、患者さんに「つらかったらいつでも助けてあげるからね」と安心して言えるんだと思います。

家族立ち会いでの帝王切開とはどのようなものでしょうか?

当院は、経腟分娩だけでなく帝王切開でも家族の立ち会いが可能で、これが可能な施設は本当に少ないんです。帝王切開は一つの出産方法であるにもかかわらず、家族が立ち会えない施設が多いことに疑問を感じ、旦那さんが入れるよう手術室を改修しました。おなかが見えないようにドレープで仕切りを設け、旦那さんが奥さんと手をつないで普通に話ができ、赤ちゃんが生まれて1分以内に対面できるのも大きな特徴です。そうして旦那さんが「お父さんになる意識」が生まれ、育児への関与度も変わってきます。経腟分娩と同じような感動の瞬間を帝王切開でも実現することが大事だと考えています。立ち会い帝王切開が今後日本でも広まることを願い、当院では先行的に取り組んでいます。

検査についても伺います。

檜垣博院長 かわぐちレディースクリニック4

当院では超音波検査にも力を入れています。妊婦健診とは別に胎児精密超音波検査も行っており、赤ちゃんの心臓の血管一本一本、指の本数、腎臓が左右にあるかまで丁寧に診察します。もし妊娠中に、産まれた直後に医療介入が必要かもしれないとわかれば、体制を整えている大きな病院への紹介もしています。妊婦健診は毎回録画しており、その録画データをお渡しします。初めて心拍の音を聞いた時の感動や、妊婦検診時の4Dエコーの画像などをご家族と一緒に見ていただけます。録画を通じて夫婦でメンタリティーを共有してもらうことで、出産や育児への気持ちを高めてもらえると考え導入しました。

いいお産がいい子育てにつながる

理念について教えてください。

檜垣博院長 かわぐちレディースクリニック5

私は「良いお産の記憶が、そのまま良い子育てにつながる」と考えています。私たちがめざしているのは、出産そのものだけでなく「その後」の家庭が子育てで幸せに満ちているということが一番重要だと考えています。なので「いいお産だった」と思ってもらえるように、出産後には身体の回復に良い食材を使ったおいしい食事でお母さんへのねぎらいの気持ちを表現したり、産前には母親学級や両親学級を通じて、親になる気持ちを育んでもらっています。また、育児で心や身体が疲れたときには、赤ちゃんを一時的にお預かりし、お母さんが休める時間をつくることもあります。こうした取り組みすべてが、良いお産の記憶をつくり、幸せな子育てにつながると信じています。どんなお産でも、良い記憶になるよう願っています。

スタッフ教育や組織運営で大切にしていることは?

当院では、医師や助産師をはじめとするスタッフ複数が、メインの職種に加えて何らかのサブスペシャリティーを持っています。特に医師は、週に1回は他の医療機関でも勤務するようにしており、複数の現場で経験を積むことで、常にスキルを磨いてもらいたいと考えています。また、当院はスタッフ全員を同格として接することでピラミッド型ではなく、ドーナツ型の同心円状の組織づくりをめざしています。月2回の全体会議では、職種に関係なく誰でも意見を出せる環境を整えており、例えば清掃スタッフが病室の不具合を報告すれば、すぐに事務部が対応するなど、迅速な連携をとることができています。スタッフ全員が自発的に動けることが、当院のスピード感と質の高い医療につながっていると感じています。そして何より、ここで働くスタッフが、自分の家族や友人に「この医院いいよ」と自信を持って言えるようなクリニックにしていきたいですね。

地域の方へメッセージをお願いします。

檜垣博院長 かわぐちレディースクリニック6

出産は決して100%安全が保障されるものではありません。だからこそ私たちは常に訓練を重ねて、高いレベルの医療水準を保つようにしています。妊娠中は身体的な不安だけでなく、経済的なことや将来への不安など、さまざまな悩みを抱えると思います。私たちは、妊婦さん一人ひとりに真摯に寄り添いお話を聞きながら、良き相談相手となれるよう心がけています。しっかりとした体制を整えていますので、どうかお産を怖がらずに安心して臨んでいただきたいです。当院を運営する法人の名称「紡世会」には、世代を紡ぐ、世の中を紡ぐという意味があります。幸せな出産を支えることで、幸せな家族が増え地域が活性化し、それが世代を超えて紡がれていく、そのような医療機関をめざしています。皆さんの幸せな出産を全力でサポートします。

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