藤田 恒明 院長の独自取材記事
藤田眼科医院
(川口市/西川口駅)
最終更新日:2025/08/05

東京都北区に隣接し、都心へ通勤する人たちのベッドタウンとして発展を遂げた川口市。京浜東北線が停車する西川口駅から5分ほど歩いた場所にある「藤田眼科医院」は、市内で日帰り白内障手術を早期から行っているクリニックとして、地域の人々から親しまれている。院長の藤田恒明先生は、獨協医科大学埼玉医療センターで白内障の手術や神経眼科について専門的に学び、多くの経験を積んできたベテラン眼科医。クリニックでは白内障手術をはじめ、マルチカラーレーザーでの治療や抗VEGF療法など、総合病院のような本格的な治療を受けることができる。神経眼科の分野に精通する藤田院長に、クリニックの特徴や専門的に学んだ分野について、じっくりとインタビューを行った。
(取材日2015年8月28日/更新日2024年7月14日)
神経眼科と白内障を専門的に学んだ後に開業
眼科医になろうと思ったきっかけは?

医師をめざしたのは、父の影響が大きいです。父は若い頃に苦労を重ねて、30歳くらいで大学の2部を卒業しました。卒業後、管理職に就きましたが、その後はどんなに努力をしても出世できないと上司に言われたそうです。そのため、幼い頃から父に「努力をした分、評価される仕事に就きなさい」と言われてきました。中でも、医師は頑張った分だけ、患者さんに感謝されるから、もし医師をめざすならサポートすると。幼い頃は野球選手になりたかったのですが、父の言葉もあり、中学生頃から医師になりたいと思い始めました。大学は岩手医科大学に進学し、花形の心臓外科や脳外科に憧れた時期もありましたが、実際に勉強をして、臨床にふれて眼科に進もうと思いました。一般的な外科は、開業したら自分のクリニックで手術を行うのは困難ですが、眼科は独立性が高いため、開業後も白内障などの手術が可能です。大学病院での経験を生かせるのは眼科だと考えました。
専門的に学んだ分野について教えてください。
岩手医科大学を卒業後は地元に戻り、独協医科大学埼玉医療センターの越谷病院に入りました。「眼科医である以上、目に関する疾患はすべて診なくてはならない。その上でさらに自分が研究したい分野のスペシャリストをめざしなさい」というのが眼科の教授の方針でした。越谷病院では眼科全般を診療しながら、神経眼科と白内障を専門的に研究しました。神経眼科に関しては、眼球運動を専門とし、学位論文のテーマは重症筋無力症でした。重症筋無力症は神経内科の領域なのですが、初期症状に眼症状が表れます。重症筋無力症の患者さんの遺伝子を解析し、どんな遺伝子を持っているかを研究して学位を取りました。白内障については、当時は超音波で手術を行っている病院が少なく、白内障手術の技術を学びました。外傷性の白内障に関する論文も執筆しています。
開業に至った経緯は?

独協医科大学で臨床経験を積んだ後、1996年に開業しました。もともと自分のやりたい医療を提供するために開業したいという思いがありました。私は川口で生まれ育ったので、地域貢献のためにも地元で開業したいと考えました。開業時、川口市で白内障の日帰り手術ができる開業医は少なかったため、白内障の患者さんにとても喜んでもらえましたね。
最初から最後まで診療できるホームドクターをめざす
診療内容について教えてください。

眼科全般を診療していますが、特にニーズが高いのは白内障の日帰り手術やレーザー治療です。当院には白内障の超音波手術を行う手術室を備えています。レーザー治療は、一般的な開業医のクリニックでは単色が使われることが多いのですが、当院は大学病院で用いられる3色のマルチカラーのレーザーを導入しています。マルチカラーのレーザーは単色レーザーよりも、安全性に配慮した上でより積極的な治療を行うことができます。また、今は抗VEGF療法と呼ばれる硝子体注射の適用が増えてきています。黄斑変性や糖尿病など、黄斑部に重症をきたしている患者さんに有用な治療法です。目に直接注射を打つことに抵抗がある人もいるため、きちんと説明をして十分に納得してもらってから行うようにしています。また、大学では神経眼科について研究していたため神経眼科の患者さんに専門的な情報を提供しています。
どのような患者さんが多いですか?
結膜炎や外傷など、あらゆる眼科の症状の患者さんが来院されますが、その中でも圧倒的に多いのが白内障、緑内障、糖尿病の患者さんです。世代的には高齢者が大多数を占めています。糖尿病にかかると白内障や網膜症を発症しやすくなります。白内障は手術で治すことができますが、網膜症が進行してしまった場合、完治は困難になります。その予防のためにレーザー治療を行っています。神経眼科の患者さんは少ないですが、症状としては神経の障害による、視力低下や眼球運動障害です。目の動きが悪くなると、物が2つに見えたりするんですよ。あとは、まぶたが下がってきて見えにくくなったり。片頭痛を起こして光がまぶしく見えることもあるため、神経眼科の分野は非常に幅広いです。
診療方針を教えてください。

一般的に軽症は開業医が診察し、重症になると総合病院を紹介されることが多いですが、患者さんはずっと同じドクターに診てもらいたいのではないでしょうか。私は、最初から最後まで責任を持って診ることがホームドクターの使命だと考えています。そのため、できる限り最後まで当院で治療を行って、当院にはない設備が必要など、やむを得ない場合のみ帝京大学や獨協医科大学などの大学病院を紹介しています。また、患者さんの話をしっかりと聞いて、患者さんが望む診療を心がけています。例えば、白内障の手術適用の時期は人によってまちまちです。タクシーの運転手をしているなら、よく見えなければ危険です。でも、90歳の高齢者で、家族のサポートが十分にある場合は、あまり見えなくても生活に大きな支障はありません。そのため、白内障の手術は本人が不自由を感じたときに行いましょう、と話しています。
目の病気の早期発見のためには、眼底検査が有効
今までに影響を受けた人物はいますか?

私が最も影響を受けたのは、獨協医科大学の恩師です。大学教授の仕事は研究と臨床の他に、教育があります。教育というと学生教育を思い浮かべがちですが、医学部を卒業した後も、医師を一人前に育てるまでには大変な労力がかります。恩師は若い医師の教育にとても情熱がある方でした。外来の予約票を見ても、教授が一番多く外来に出ていて、手術も先頭になって行っていた姿が印象的でした。特に手術に関する教育はとても大変なのですが、恩師は私だけでなく、新しく入ってくる医局員すべてに対して熱心に指導を行っていました。今日の自分があるのは、ひとえに恩師のおかげですね。素晴らしい方に出会えて、非常に感謝しています。
趣味や健康のために実践していることは?
昔は乗馬をしていたのですが、子どもが生まれてからはやめてしまいました。今は運動不足気味なので、また再開できればいいなと思っています。現在の趣味は主に釣りですね。船に乗って沖に出る海釣りで、九十九里浜に行くことが多いです。金目鯛、赤ムツ、アコウダイなどを釣り、自宅で調理して食べています。たくさん釣れた時は、専用の冷蔵庫に入れています。かなり体力がいるため、月に1回程度で釣りをしています。日頃健康に気をつけていることといえば、暇さえあればウォーキングをしていますね。目の健康のため心がけていることは、日頃から目を酷使せず、なるべく紫外線を浴びないようにしていることくらいです。糖尿病に関しては食事療法が有用ですが、緑内障や白内障は日頃からこうしたほうがいい、という具体的な予防法がないのです。
読者に向けて一言お願いします。

生涯健康でいることを考えると、早期の治療が必要なので、まずは人間ドックや成人病診断を積極的に行って、早期発見に努めてほしいですね。目に関しては、以前は健康診断に眼底検査が入っていたのですが、今はオプションになっていると思います。ただ、人間ドックであれば、必ず眼底検査も行うはずです。眼底検査では緑内障や糖尿病など、眼底の異常が発見できます。糖尿病は必ずしも目にくる病気ではありませんが、目に糖尿病の変化がきていれば、糖尿病と診断できます。最近目が見えにくいと来院されて検査した結果、糖尿病が発覚することもあり得ます。目の病気は眼底検査を行わない限り、初期の病気を見つけることは難しいと思います。早期発見・早期治療のためには、少しでも目に異常や違和感があれば、気軽に眼科のクリニックを訪れてほしいですね。