症状が出た時には進行している心疾患
検査で早期発見と治療を
須賀医院
(さいたま市西区/大宮駅)
最終更新日:2025/08/21


- 自由診療
日本人の死因第2位である心疾患には、心筋梗塞、狭心症、不整脈、心臓弁膜症、心筋症、大動脈解離・解離性大動脈瘤などさまざまな病気がある。心疾患は突然発症するイメージもあるが、医師の目から見ると前段階の兆候が見られる場合もあるという。その兆候を発見し、心臓病の罹患を未然に防ぐために有用なのが「心臓に特化した人間ドック」だ。さいたま市にある「医療法人 須賀医院」の須賀幾(すが・ちかし)院長は、心臓に関する疾患のプロフェッショナル。「心疾患は自覚症状が出た時には進行していることが多いため、検査で異常を発見し早期治療につなげることが重要です」と語る須賀院長に、心臓に特化した人間ドックにはどのような検査があり、どんな症状がある人が検査を受けたら良いのか、検査を受けるメリットなどについて解説してもらった。
(取材日2025年7月10日)
目次
自覚がないままに進行していく心疾患の前兆を、心臓に特化した人間ドックで早期発見につなげよう
- Q心臓に特化した人間ドックとはどんなものですか?
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A
▲小さな不安でもまず受診を
心臓に特化した人間ドックは、心疾患の兆候を見つけるためのものです。心疾患の兆候は心臓だけでなく体のさまざまな部分に出てきます。そのため検査は心電図や心臓超音波検査、エックス線撮影などの他に血液・尿検査や頸動脈エコー検査など多岐にわたります。心臓超音波では心臓の動きや構造をチェック、血液検査ではBNP値を測定して心不全や不整脈の有無を推測します。尿検査では血液や糖の確認、1日の塩分摂取量の算出を行います。また動脈硬化の進行確認のため頸動脈エコーと両手足の血圧・脈波測定を用います。その他にも携帯型24時間心電図、フィットネスバイクによる負荷心電図や睡眠時無呼吸症候群の検査も行います。
- Q心臓に特化した人間ドックを受けるメリットを教えてください。
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A
▲循環器の専門家がしっかりと問診、検査を行う
心臓の病気はほとんど自覚症状がないままに進行し、症状が出た時には進行していることが多いのが特徴です。加齢や動脈硬化から大動脈弁狭窄症になることもあります。心房細動という不整脈も多くは症状がないままに進行し、脳梗塞や心不全に至ってしまうケースが多いのです。そうなる前の段階で検査をし、医師が患者さんの胸の音を聴き、異常があればエコー検査で調べることが重要です。心臓や血管系の病気は患者さんにとればある日突然発症するものですが、そうなる以前に医師が診ればわかる疾患の兆候というものがあるのです。ご自分では気づけない兆候を見つけるのが心臓に特化した検査の目的であり、患者さんにとってのメリットとなるのです。
- Q他にはどのようなことを行うのでしょうか。
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A
▲疾患の兆候を早期で見つけることが大切と話す院長
先ほどお話しした他にもさまざまな検査があります。聴診器では胸だけでなく首の動脈の音を聴きます。血管が狭くなっていたり心臓弁膜症があったりすると首からも音がするのです。不整脈の有無を確認するため、甲状腺の大きさも見ます。貧血は心臓病のもとになり得るため、目の診察も行います。目の診察では、併せて黄疸の有無も確認します。エックス線撮影では心臓の大きさや大動脈の曲がり具合、太さを確認します。走る、階段を上るなどの日常生活で動悸や息切れ、胸の痛みがある方には、フィットネスバイクをこいでから心電図の変化を測定。生活習慣病と心臓病は深い関わりがあるため、問診では普段の生活についてもしっかりと伺います。
- Qどんな人がどのようなタイミングで受診するのが望ましいですか?
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A
▲日本人の死因第2位の心疾患を未然に防ぐ
生活習慣病の方、肥満傾向のある方、動悸や胸の痛み、息切れ、むくみ、倦怠感のある方にはぜひ受診してほしいと思います。自覚症状がなくても、疾患の前兆の発見につながるため、40歳を過ぎたら一度は受診されるのが望ましいですね。心臓に特化した人間ドックは心臓病に罹患している方ではなく、生活習慣病や、先ほどの自覚症状がある方、受診に適した年齢の方に受けてもらうものです。この心臓に特化した人間ドックがまだ一般に浸透していないのが残念です。心臓や血管に関する疾患は発症した時にはかなり進行していることもあるため、早期発見・早期治療がとても重要になってきます。
- Qこちらの医院ならではの特徴を教えてください。
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A
▲睡眠時無呼吸症候群が心不全などに発展するケースも
他院ではあまり行っていないと思うのが、睡眠時無呼吸症候群の検査です。この疾患は心臓の状態が悪いと発症につながることがあります。逆に睡眠時無呼吸症候群があることで不整脈や高血圧、心臓病に至る方もいます。いびき以外の自覚症状が乏しいため、単なる体質だと思ってしまう方も多いのですが、ご家族に呼吸が止まっていたと指摘されて来院されるケースもありますね。無呼吸により低酸素状態が長く続くと心臓や血管に負担がかかり高血圧の状態が続き、それが心不全や心臓病へと発展してしまうため注意が必要です。患者さんに検査機器を貸し出し、結果が当院に届くシステムです。
自由診療費用の目安
自由診療とは心臓に特化した人間ドック/3万8000円、睡眠時無呼吸症候群検査/1万1000円、24時間心電図検査/1万1000円、フィットネスバイクによる運動負荷心電図検査/1万1000円