吉岡 幹博 院長の独自取材記事
吉岡医院
(京都市上京区/今出川駅)
最終更新日:2025/05/23

今出川駅から市バスで約7分の場所にある「吉岡医院」。消化器内科・内科・外科・肛門科・産婦人科を診療し、内視鏡検査や生活習慣病の外来まで展開する。1949年に開業した同院を、2015年に吉岡幹博(よしおか・みきひろ)先生が継承。吉岡院長は、日本外科学会外科専門医・日本消化器病学会消化器病専門医・日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医の資格を持つ、消化器内科のエキスパート。5階建ての広々としたクリニックでは、圧迫感のない診療環境を実現。最上階の待合スペースでは、京都タワーを一望できる景観が患者をリラックスさせる。やわらかな雰囲気の吉岡院長と、妻である産婦人科の吉岡有紀先生の連携により「ここに来れば大丈夫」という安心感の提供をめざす。吉岡院長に、診療のこだわりや内視鏡検査の特徴を聞いた。
(取材日2025年4月24日)
開業から75年。地域の医療ニーズに応え続ける
こちらのクリニックは2010年にお母さまから継承されたそうですね。

母から継承し、15年目になります。当院は、祖父が開業し、3代にわたり地域医療を担ってきたクリニックです。父が外科、母が小児科を診療していましたが、私が研修医の時に父が亡くなりました。その後、京都の大学病院や基幹病院で、外科・麻酔科・救急部を経験しましたが、クリニックを継承することを見据えて、消化器内科へ転向し、外科専門医を取得後、消化器の手術を多数行ってきました。内視鏡検査や内視鏡治療の技術を身につけ、2015年に院長に就任しました。両親が地域医療に携わってきたように、地域の方々の健康を引き続き守っていくことが私の役割だと思っています。
消化器内科・外科・産婦人科・肛門科など幅広い診療をされているとお聞きしました。
「この症状はどの医療機関に行けばよいのだろう」と迷うことって多いと思うんです。また、誰しもさまざまな症状や複数の疾患を抱える可能性があります。そんな時に、「このクリニックに来れば対応してもらえる」と安心できる存在でありたいと考えています。内視鏡検査や糖尿病の治療なども行うことで、日常的な疾患の多くに対応できる体制を整えています。また、この地域には婦人科のクリニックが少ないのですが、当院では月経の悩みをお持ちの方から悪性疾患の心配がある方まで対応し、信頼できる病院とも連携しています。ご家族やご夫婦で受診される方や、婦人科から内科へと診療科を移られる方も多く、1ヵ所で治療を済ませられることで患者さんの負担の軽減につながればと思います。
診療方針をお聞かせください。

患者さんが満足できる医療を提供することです。基本的なことですが、話をしっかりと聞いて、丁寧に診療すること。そして迅速に検査を進めることを大切にしています。また、患者さんの待ち時間の使い方にも配慮しています。オンラインの「順番取りシステム」を導入し、ご自宅で順番を取って時間が近づいたら来院していただくことで、院内での滞在時間を減らし、患者さんの時間を有効に使っていただけるよう工夫しています。時間予約ではなく順番予約を採用しているのは、当日体調が悪くなった患者さんも受け入れるためです。特に消化器内科、外科、婦人科はいずれも緊急性が高い科なので、そういった方を積極的に受け入れるために採用しています。
痛みの軽減を重視した内視鏡検査を実施
先生の専門である内視鏡検査で、患者さんの負担軽減のための取り組みを教えてください。

胃の内視鏡検査で何がつらいかというと、スコープの太さが問題なんです。当院では、非常に細いチューブの先に、新鋭のカメラを掲載した内視鏡を使用しています。さらに麻酔も併用することで、ほぼ苦痛なく検査を受けてもらえるようになりました。大腸の内視鏡検査は準備の大変さがハードルになりますね。自宅で下剤を飲むと来院までにおなかの調子が悪くなることもあります。そのため、当院ではトイレのついた個室をご用意し、そこで下剤を飲んだ上で、検査を受けられるようにしています。検査の予約では、ホームページで予約状況が確認できるシステムを導入しました。予約枠がいっぱいでも緊急性の高い方用の枠を用意していますので、一度お電話ください。診療日は、毎日検査を実施していますので。また、看護師には親切な対応を心がけてもらい、検査へのハードルや不安の度合いを少しでも下げられるよう努めています。
肛門科はどのような患者さんが来院されますか?
痔の患者さんが多いですね。排便時に出血する、内痔核が腫れている方などが中心です。当院では、積極的に手術をするか、痛みが少ない痔核硬化療法で日帰り治療をするかなど、患者さんの状態や生活スタイルに合わせて提案しています。痔核硬化療法は、患者さんの負担が少なく、痛みがほとんどありません。30分ほどの治療時間で、その後30分ほど休むと帰宅できるので、滞在時間や通院の負担も少ない治療法です。また、肛門は見えないところなので、症状をうまく表現できない患者さんも多いです。そのため「出血があるのは排便時ですか」「痛みがあるのは座った時ですか」など、わかりやすい言葉で聞くように心がけています。診察時には必ず看護師が同席するので、女性の方でも安心して受診していただけたらと思います。
新設された生活習慣病の外来では、専門性の高い治療が受けられるそうですね。

そうなんです。縁があって、京都大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌・栄養内科学の先生に来ていただいています。現在、火曜・金曜の午前中に診療をしていますが、患者さんの話をよく聞いてくれる良い先生です。この外来では、食事や運動に関する生活指導をより専門的に行います。必要な検査を適切なタイミングで実施するため、病状をより正確に評価することにつながります。また、一般的なクリニックでは難しい、血糖値やコレステロール値のコントロールも、専門の医師が診療することで医療の質が確保され、高水準の治療の提供につながると考えています。それに加え、甲状腺の疾患についても診療を行えるようになり、患者さんにとって大きなメリットになると思っています。
患者の喜びを第一に、進化し続ける
患者さんと接するときに心がけていることはありますか?

患者さんの頼りになる存在でいられるよう、真摯に向き合い、全身を診る診療を心がけています。診療中は患者さんがリラックスできるよう、例えながら説明することも。例えば薬の説明では野球に例えて「この薬は一番大切なので先発、これは中継ぎ、これは抑え」などと話すこともありますね。また、患者さんが質問しやすい雰囲気づくりも重視しています。内視鏡検査後などは絵に書いて説明したり、それを持ち帰ってもらったりして、「家に帰ってから何を聞いたかわからない」とならないよう工夫しています。少しでも楽しい雰囲気の中で、患者さんが安心して診療を受けてもらえたらうれしいです。
スタッフの皆さんは、患者さんに対してとても丁寧に接していますね。
ありがとうございます。どのスタッフも、患者さんを大事に思ってくれています。こちらが患者さんを大事に思わないと、気持ち良く受診してもらえないですよね。ですので、初めていらっしゃる方も再診の方も、特に受付は窓口になるので親切な対応を徹底しています。看護師は専門職として、患者さんの不安や緊張を和らげるように接しています。チームワークを大切にし、効率良く動くところはテキパキと、安心感を与えるべきところではゆっくりと対応するようにしています。また、2ヵ月に1回、スタッフ全員で院内ミーティングを開催し、改善点や申し送り事項を共有しています。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

患者さんにとって安心で通いやすく、何でも話せるクリニックをめざしています。患者さんが喜んでくれないと工夫する意味がないと思うので、一番大事にしていますね。予約の取りやすさや待ち時間の短縮など、来院しやすい環境を整えることに10年以上取り組んできました。ウェブの問診票やオンライン決済などの新しいサービスも積極的に導入し、患者さんのお役に立てるクリニックでありたいと思っています。幅広い診療科目に対応できますので、どんな症状でもお気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは内視鏡検査/胃:1万4500円、大腸:2万3000円
人間ドック/3万5000円~