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比嘉 明 院長の独自取材記事

比嘉眼科

(浦添市)

最終更新日:2022/09/20

比嘉明院長 比嘉眼科 main

国道58号線からすぐ浦添市城間に位置する「比嘉眼科」。院長の比嘉明先生が、1984年に同院を病院として開業した先代の父から引き継ぎ、改築を経て2019年にはクリニックとして運営を開始した。インタビュー中も穏やかで優しい雰囲気にあふれ、親身に患者の話に耳を傾ける姿も連想される比嘉院長。県外の大学で研鑽を積んだ後に沖縄県へ戻り、先代のもとで手術などに取り組んでさらに技術を磨いたという。その豊富な経験を生かし、有水晶体眼内レンズを用いた手術など先進の治療を取り入れるなど、医療の進歩やニーズの変化に対応しつつ「沖縄県の眼科医療に広く貢献する」という先代から受け継いだ基盤は変わらない。究極のプライマリケアをめざしていきたいと語る比嘉院長に、そのビジョンやクリニックの特徴について話を聞いた。

(取材日2022年3月11日)

先代から継承した地域医療貢献への想い

先代から現在に至るまで、継承されている想いはありますか。

比嘉明院長 比嘉眼科1

以前より当院では、さまざまな眼科手術や治療を積極的に行ってきました。幅広い眼科医療の提供を通して「県外に行かなくても済む治療をめざす」というのが、現在も続く当院の基盤です。また、以前は県内の幅広いエリアから患者さんが来ていました。今は県内に眼科クリニックも増え、先代ほどではありませんが「おじいさんやお父さんが病院時代の比嘉眼科で手術してもらった」という方や、離島から来てくださる患者さんもいます。治療のために沖縄から県外へ行くのはなかなか勇気がいるものですから、県内でできる医療はできるだけ提供したいという想いは今も昔も変わりません。難しい症状の場合も、大きな病院に行く前のワンクッションとしての役目を果たしたいと思っています。

2019年に病院からクリニックに変更されたそうですね。

父が院長を務めていた当時は眼科診療でも入院するのがスタンダードでしたから、病床は50床ありました。今は医療が進歩して日帰りで済むことも増えたのでクリニックへの変更を決めましたが、それでも病床は15床残しました。入院施設があれば、遠方や離島から来られる患者さんも治療ができます。長期的な治療になればご家族も送り迎えが必要になりますし、緊急で何か起こったときの対応も大変ですからね。改装にあたり、個室を増やしてプライバシーを護り、ゆっくり過ごせる環境を整えました。設備も充実させて、安心して入院生活を過ごしていただけるよう努めています。実際は「ぜひ入院して治療しましょう」と伝えるとびっくりされる方も多いですが。難症例や治療にリスクがある場合、遠方からお越しの方の場合でも安全性に配慮して治療できるので、お勧めしています。

クリニックへの改築にあたり、こだわった部分はありますか。

比嘉明院長 比嘉眼科2

4階にあるカフェテリアです。大きな窓から光が降り注ぎ、明るく開放的な空間でゆっくり時間を過ごせるような設計にこだわりました。患者さんはもちろん、ご家族や付き添いの方なども利用できるようにと考えたものですが、私たち医師やスタッフも勉強会や朝礼などで使用しています。感染症の影響で常に開けていることができないため今はなかなか定着していませんが、これから少しずつ、患者さんや地域の方がリラックスできる空間として利用していただければ幸いです。

地域の特色や時代のニーズに合った強みを育てる

院長になるにあたり、どんなクリニックを目標に掲げたのですか。

比嘉明院長 比嘉眼科3

クリニックになるとどうしても対応範囲が狭くなりがちですが、病床を残して先代がやってきた治療、手術を継続し、眼科全般を扱う方針は続けたいと考えていました。今後も経験を生かし、難症例なども広く受け入れたいと思っています。今は角膜移植や自由診療も含めて勉強を続けています。できるだけ幅広い治療に対応し「困ったら比嘉眼科に行けばいい」と地域の方に信頼してもらうという意味で、究極のプライマリケアを提供できるクリニックをこれからもめざしていきたいです。

患者さんの中で特に多い症状はありますか。

沖縄は県外の約4倍の紫外線量といわれています。長時間外にいた日、夜に白目が赤くなることがありますよね。それは目が日焼けして赤くなっていると考えられるんです。サングラスをしていても、自分の目にしっかりと合ったものでなければ光が屈折して内側に入ってきてしまうこともあるので、対策が難しい部分もあります。その影響もあって、若い世代も含めて白内障や翼状片に悩まれる方は多いです。自覚症状がなく、眼鏡を変えようとお店に行ったら視力が測れなかったとか、車の免許更新で引っかかったという理由で来院された方でも、調べてみると白内障が見つかるパターンは多いですね。あとは最近、ホームページを見て自由診療を受けたいと来院される方も増えています。

自由診療として取り入れている、有水晶体眼内レンズを用いた手術について教えてください。

比嘉明院長 比嘉眼科4

近視の治療法の一つで、目の中にコンタクトを入れるようなイメージです。一般的に近視治療として知られているレーシックは黒目の角膜を削る治療なのですが、近視の具合によっては治療が難しいという課題がありました。一方、有水晶体眼内レンズは目の中に入れるレンズで度数の調整ができるので、レーシックが難しい人も治療を受けられる場合があります。それに、眼内レンズを使用する場合は問題があっても目からレンズを取り出して元に戻すことができるんです。そういった取り返しがつきやすい点や、視力に関係なく受けられる場合があるのが特徴ですね。最近は20代で希望される方も増えているので、少しずつ浸透しているのでしょう。手術前には3回検査が必要で、その後レンズを注文し、届いてから手術を行うので、質問や気になることがあればその間にしっかりと説明させてもらうようにしています。

研鑽を重ね、プライマリケアの実現をめざす

先代から病院を受け継ぐまでの経緯を教えてください。

比嘉明院長 比嘉眼科5

私が中学3年生くらいの時に父が開業したのですが、それがきっかけで医師の道を考え始めました。父の姿を見て素晴らしいなと思ったのもありますが、私は3歳くらいの時に中耳炎で2、3回手術をしてるんです。たまたまドイツの教授が来ていて、手術をしてもらったのですが、それが結構大きな体験で。そうして幼い頃に手術や治療をしてもらったことへの感謝の気持ちも、医師をめざす原動力になりましたね。中学受験で東京に行ってから医師の勉強もずっと県外で行いました。沖縄に帰ってきたのは26年後です。その後は実際に臨床を経験しながら父にいろんな手術を教わりつつ、九州に行って県外の医師たちと交流しながら勉強を重ねました。そんな下積みを経て、父から病院を受け継ぎました。

地域医療や患者さんのために取り組まれていることはありますか。

地域に根差したクリニックとして、新型コロナウイルス感染症が流行する前は製薬会社と連携し、県内で人を集めて勉強会などをしていました。あとは県内だけでなく、県外にもつながりをつくり、地域のために幅広い情報を得るよう心がけています。院内でも2週間に1回勉強するビデオライブラリーの時間を外来終了後20分前後とったり、1年に1回講習会に参加してもらったりして、知識や情報をアップデートする機会を設けています。そのほか、少しでも地域に貢献できないかと、新型コロナウイルスワクチンの集団接種に参加することもあります。ここで見知った患者さんに会うとすごく喜んでくれるんですよ。私は問診だけですが、患者さんの笑顔を見るとこちらもうれしくなりますね。

最後に読者へメッセージをお願いします。

比嘉明院長 比嘉眼科6

私は診療中、喋るほうじゃなくて、どちらかと言えば患者さんの話を聞くほうが多いです。もちろん、質問や会話を通してどんな治療を希望されているのか、どんな症状にお悩みかはきちんと伺って確認していきます。私と喋ることでストレス発散になるならうれしいですし、私がお話を聞くことによって安心して帰ってもらえたり、話しているうちに症状が見えてきたりすることもあります。セカンドオピニオンという形でも問題ありません。まずは気軽に話すつもりで、診察を受けに来てくれたらと思います。

自由診療費用の目安

自由診療とは

レーシック手術(両眼)/30万〜50万円、有水晶体眼内レンズを用いた手術/片眼35万円、両眼70万円

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