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長尾 建樹 病院長の独自取材記事

東邦大学医療センター 佐倉病院

(佐倉市/ユーカリが丘駅)

最終更新日:2019/08/28

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高齢化が進む一方、東京へ通勤する働き盛りの世帯も多い千葉県佐倉市。その緑豊かな丘陵地帯の一角に位置する「東邦大学医療センター 佐倉病院」は、印旛地域全体の医療を担う中核病院だ。1991年の開院以来、大学病院ならではの高度医療を担いつつ、都市部から離れた土地柄故に求められる身近な医療を提供するという2つの機能を果たしてきた。「患者さんの気持ちを第一に考える『東邦イズム』に基づいた診療体制の充実に尽力しています」と語るのは、病院長の長尾建樹先生。その言葉どおり、同病院は近年、がんの放射線治療を開始したり、腎臓内科を新設したりと、医療体制のさらなる充実に余念がない。さらに近隣クリニックとの連携や救急医療体制の整備、災害医療対策などにも積極的に取り組み、2016年に地域医療支援病院と地域災害拠点病院の指定も受け、これまで以上に地域に欠かせない病院となった。そして今もなお、患者が最善の医療を最適な場所で適切に受けられる体制づくりに、精力的に取り組んでいる。
(取材日2017年6月7日)

高度医療と住民に身近な医療を両立

まずは病院の成り立ちと特徴からお聞かせください。

1991年、「東邦大学医学部付属佐倉病院」としてスタートし、2006年に現在の病院名に改称しました。今日、病床数は451床、職員は約1000人に上ります。この辺りは都市部から離れた緑豊かな丘陵地帯で、東京へ通勤する働き盛り世帯が多い一方、高齢化率も高いという特徴があります。そのため私どもは、大学病院として高度医療を担いつつ、地元の皆さんの健康を支える身近な医療を提供するという、2つの機能を果たしてきました。これらを維持しつつ、医療の安全性と質を高め、地域医療に貢献することが当病院の役割であると考えています。また、地域を活性化するには、人々が元気に暮らせる町であることが不可欠であり、医療機関はそれを支える重要なインフラです。当病院では東邦大学の「自然・生命・人間」という建学の精神を合言葉に、これに加えて「ぬくもりの連鎖」ということも意識し、患者さんの気持ちを大切にした診療を心がけています。

「ぬくもりの連鎖」とはどういったことでしょうか?

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「病める人にスープを配る際、ぬくもりが伝わっていくことを願って言葉をかけ手に触れていた」。マザー・テレサの逸話に影響を受け、病院長就任時に寄稿した文章の一節です。診察のとき、何か一つでも温かい言葉をかけてあげることができれば、今度はその患者さんが別の人に優しい言葉をかけてあげられるようになるのではないか。そうしてぬくもりが伝わっていけば、いずれ思いやりに満ちた社会が築けるのではないか。そう考えて、職員に心がけてもらえるよう提案しました。手前みそかもしれませんが、当病院で働くスタッフは人柄が良く、思いやりのある人が多いんですよ。大学病院というと何となく「上からものを言われるのではないか」と不安に思う方もいらっしゃるようですが、私どもは常にぬくもりある医療を心がけていきたいと考えています。安心してご来院ください。

特に強い専門分野というと、どちらになりますか?

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患者さんからのニーズが高いのは消化器内科や産婦人科です。消化器内科では早期の胃・大腸がんに対して内視鏡を用いた低侵襲治療を実践し、産婦人科では、ハイリスクの妊娠・出産の対応から不妊治療、女性特有の疾患に対する内視鏡治療まで、多彩な診療を行っています。さらに、2015年に放射線治療をスタートしたことにより、がん治療における集学的治療が可能になりました。不整脈に対するカテーテルアブレーション治療も、エキスパートを招いたことで以前よりさらに充実しています。2016年に腎臓内科を開設したことも大きなトピックですね。これにより、緊急時を含めた腎障害に対応できる体制が整いました。全国的に見て珍しい分野としては、高度肥満の方を根気強くサポートする生活習慣病の治療や、私の専門でもある機能的脳神経外科における、パーキンソン病の震えや不随意運動、痛みに対する治療などが挙げられます。

年々、診療体制が充実していますね。

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昨年、地域のクリニックとの連携や救急医療体制などが評価され県内では当病院を含め17病院のみとなる地域医療支援病院の指定を受けました。さらに災害医療対策の充実を図るべく「東邦佐倉DMAT」という病院独自の災害派遣医療チームを結成し、食料や水の備蓄、自家発電装置の整備、傷病者の迅速な受け入れや全国のDMATが当病院内で診療を行える体制の確立に向けて活動してきた結果、これも昨年から地域災害拠点病院の指定を受けています。さらに、災害時の妊産婦の健康管理のため、佐倉市と「災害時等における助産を必要とする者の受け入れ協定」を締結し、患者さんを搬送するための救急車を寄贈していただきました。また教育に力を入れてきたことが奏功して若手医師が増えたことで、救急をお断りする率が減っています。若手が働きたいと思える病院になりつつあること、それによって多くの患者さんを受け入れられるようになったことがうれしいですね。

最後に今後の展望と、地域の方へのメッセージをお願いします。

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超高齢社会の到来が目前に迫る今、時代の流れにあった病院へと変化を遂げる病院も出てきていますが、当病院はあくまで高度な急性期を診る病院であり続けたいと思っています。どのような状況においても生き残れるタフな病院であるために、努力し続けていきたいですね。今後の地方創生を考える上で、医療は欠かすことのできない重点課題です。市をはじめとする行政機関、医師会、関係医療機関と連携して、皆さんが生まれ育った、住み慣れた地域で完結できる医療体制の構築に力を尽くしていかなければなりません。当病院のフィールドは常に「地域」にあり、すべての原動力は「人」にあります。今後も、人と技術の拡充に努め、患者さんが最善の医療を最適な場所で適切に受けられる体制づくりを進めていきます。今ある機能を維持しつつも、さらに医療の安全性と質を高め、地域の皆さんのお役に立てれば幸いです。

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