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寳積 英彦 理事長の独自取材記事

大生病院

(狭山市/入曽駅)

最終更新日:2019/08/28

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1979年 に老人医療の内科病院として創始された「医療法人尚寿会 大生病院」。以来37年間、狭山市西部地区における慢性期医療の拠点として、さまざまな患者のニーズに応えてきた。医局を中心としたチーム医療体制を構築しており、一人の患者に対して各診療科の医師が知恵を出し合い、治療計画を立案。近隣の急性期病院との連携を生かした慢性期の疾患治療、回復期リハビリテーションを経て、自宅や社会復帰に向けたサポートなど幅広いケアを行っている。寳積(ほうしゃく)英彦理事長は、幼い頃に脳出血で寝たきりとなった祖母の介護を家族と経験したことで、介護の重要性と地域におけるサポートの必要性を痛感。以後、医師としての勉強や救急医療の現場経験を重ねながら、現職に至るまでのプロセスを丁寧に歩んできた。インタビューでは同院の理念やその概要とともに、めざす医療や職員の心得、今後の抱負などを語ってもらった。
(取材日2016年5月12日)

地域に愛され、地域を支える慢性期医療拠点

病院の歴史から伺います。

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先代が病院を立ち上げた当初は、介護保険も社会保障のインフラ整備も整っていない時代。そういった状況にお困りの方や、認知症の患者さんを支える医療機関をめざして立ち上がりました。時代と共に地域のニーズは変化し、慢性期の治療だけでなく、亜急性期にも対応するように。今では、近隣の高度急性期病院が担う突発性の致死的疾患や事故による負傷以外、すべての疾患に対応する体制を整えています。医療法人尚寿会の基本理念は「信頼と愛とで築く地域医療」。地域の方々から「あの病院に行けば何とかなる」と思っていただけることが目標です。また当院を含め、認知症医療の専門施設や訪問診療を行うクリニック、介護老人保健施設などのグループ関連施設では「やさしくなければ医療ではない」を共通の標語にしています。今でも緑が多い場所ですが、開院時は森の中に病院があるような景色が広がっていました。自然豊かな立地も特徴の一つです。

診療における特色を教えてください。

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医局を中心に各診療科の医師が患者さん一人ひとりについてディスカッションを行い、方向性を定めて治療を進めています。例えば肺炎で入院した方が認知症も患った場合には、内科と精神科の先生が知恵を出し合い、両方を改善するための治療法を提案します。医局が一つに集約されているため、各部門の風通しはとても良いです。重症患者さんの受け入れ体制については、万全の体制を整えております。地域連携室に約20人のソーシャルワーカーが待機しており、病院を立ち上げる際にご縁があった超急性期医療を担う近隣の地域医療支援病院のほか、各地の急性期病院との連携をくまなく図っている点も、当院ならではの特色といえるでしょう。また、当グループの職員向けにつくった「職員12か条」の中に「職員は誰もが明るい笑顔で仲良くし、常に話し合いの場を持ちましょう」という言葉があります。これを実践、継続するよう指導しています。

慢性期疾患の治療を終えた後のケアにも力を入れているとか。

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回復期リハビリテーション病棟を設け、早期リハビリによる社会復帰を支援しています。100人以上のセラピストが在籍しており、患者さん一人に複数のセラピストがつく充実の体制です。「早く社会に戻りたい、日常に復帰したい」という患者さんの努力に応えるべく、成果を出すためにこちらも精一杯お手伝いしています。また「慢性期の病気でも、最後まで自分が生まれ育った地で治療を続けられる環境・医療体制を提供したい」という思いがありますので、ギランバレー症候群やパーキンソン病などの難病に対応する特殊疾患病棟も備えています。ユニークな設備として「尚寿の湯」という天然温泉があります。通院・入院患者さんの安らぎと早期回復を願って、2011年に設えたものです。患者さん向けの施設ですが、最近は近隣住民の方も利用されているようですね。先代から受け継いだ地域貢献の一つの形として、皆さんに喜んでいただけるのであれば幸いです。

勤務医から院長となって感じた変化はありますか。

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以前は高度救急医療の現場にいたため、慢性期医療を扱う当院に移った当初は戸惑うことが多かったです。救急医療では生命の確保が必須ですから、どこが悪いのか、どう治療するか把握するために「病気」を診ることが第一でした。しかしここでは「病気」のみならず人生やご家族など「人」の全体を診なければならない。その違いは大きかったと思います。また、スタッフのチームワークで病院が成り立つというあり方にも驚かされました。当院には勤続年数の長いスタッフが大勢おり、例えば3人のお子さんを育てている看護部長は勤続25年目を超えています。数百人の看護師を統括する立場にはいろいろな苦労もあると思いますが、うまく病棟を回してくれています。こうしたスタッフのためにも、職場環境は充実させていきたいですね。院内設置の託児所や職員専用のマッサージルーム、職員向けの保養所を伊豆・軽井沢に完備するなど、福利厚生には特に力を注いでいます。

今後の抱負をお聞かせください。

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2014年には地域包括ケア病棟を立ち上げ、慢性期だけでなく亜急性期への対応の充実を図りました。加えて維持透析を受ける患者さん向けの透析室も新設しました。2018年春には、近隣に100床を有する特別養護老人ホームをオープン予定です。現在、在宅医療に取り組まれているご家庭を見ると、ずいぶん無理をされているなと感じる場面が多々あります。ご両親の介護のために娘さん・息子さんが離職してしまえば、政府が掲げる「1億総活躍社会」というスローガンにも沿わないでしょう。そうした視点から見れば、100床の特養ができることは地域貢献だけでなく、新たなスタッフの雇用により地域経済への寄与にもつながると考えます。当院の医療においては、診療の質を常に高く維持するべく、MRIやハイスピード撮影CTなどを積極的に導入。検査だけでなく人間ドックなどでも高度医療機器を活用し、地域の健康にますます貢献していきます。

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