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佐藤 愼一 病院長の独自取材記事

聖隷佐倉市民病院

(佐倉市/京成佐倉駅)

最終更新日:2019/08/28

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京成本線”京成臼井駅“から車で約10分。佐倉市江原台の一角にあるのが「社会福祉法人 聖隷福祉事業団 聖隷佐倉市民病院」だ。受付ロビーは広く、木目を生かしたインテリアが温かい雰囲気を醸し出す。2012年から病院長を務めているのが佐藤愼一先生。佐藤病院長は前身の国立佐倉病院時代のアカデミックな研究姿勢と社会福祉法人聖隷福祉事業団が提供する患者に優しい医療、それぞれの良い所を融合させて専門性の高い医療および地域医療の拠点として機能する病院をめざしている。2013年から笑顔を大切にするスローガンを掲げ「笑顔プロジェクト」を立ち上げた。その一環として職員が別の職務を体験する院内職場間短期留学制度を実施し、スタッフ同士の相互理解に努めている。また、同病院では学会発表を推奨している。「学会を契機に全国から優秀な医師が集まってきています。女性が働きやすいように施設内に保育所も設置しました」と話す佐藤病院長。職員たちが情熱とやりがいを持って働くことが、患者の笑顔につながるのであろう。病院の特徴などについて話をきいた。
(取材日2017年5月17日)

笑顔を大切に高い専門性と地域医療を提供

病院の成り立ちについて教えてください。

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当院は2004年、前身である国立佐倉病院から社会福祉法人聖隷福祉事業団に経営譲渡され、新たに開設しました。旧国立佐倉病院は、政策医療の一つとして腎疾患の治療を目的とし、千葉大学や筑波大学、東京慈恵会医科大学などから腎臓疾患を専門とする医師や研究者が集まり臨床や研究を行っていました。国立病院において初めて腎移植に成功するなど、腎疾患の予防・治療の基幹病院として成果を上げてきたのですが、国の国立病院・療養所の再編成計画によって、旧国立療養所千葉東病院(現:独立行政法人国立病院機構千葉東病院)と統合。その際、病院の存続を願う地域住民からの署名が多く集まり、その請願に応える形で聖隷佐倉市民病院が誕生したのです。前身の病院創設から数えると140年の歴史があります。旧国立佐倉病院のアカデミックな部分と聖隷福祉事業団の患者に優しい医療、これらの良い部分を融合させながら理想の医療をめざしています。

病院の基本理念はどんなことですか。

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基本理念は、隣人愛の精神を持って患者さん本位のより良質な医療を行っていくことです。この「隣人愛」は、簡単に言えば、分け隔てすることのない「おもてなし」の精神だと思います。それをより良く実践するために、2013年に「笑顔で応えていく、笑顔で広げていく」というスローガンを作りました。この言葉には患者さんと職員、職員同士も笑顔で向き合い、笑顔の医療を提供していきたいとの願いがこもっており、具体策として「笑顔プロジェクト」を立ち上げました。その一つに、職員が自分の職場以外の仕事を体験する“院内職場間短期留学制度”があります。例えば、経理業務を行う事務職員が、看護師の病棟業務の一部を体験したり、レントゲン等の撮影業務を行う放射線技師が、事務職員の受付業務を体験したりするのです。こうして別の職場の仕事内容を知ることでお互いの理解が深まり、その結果、より良いチーム医療を提供できるようになると思います。

こちらの病院の強みはどんなことでしょうか。

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旧国立佐倉病院からの伝統である腎疾患に対する医療で、腎生検から治療・腎不全教育・シャント手術・透析導入・通院透析・透析合併症・腎移植にいたるまで、すべての段階に対応しています。当院は学会発表を奨励しているのですが、各学会にて当院を知り腎疾患治療に携わりたいという優秀な医師も全国から集まってきています。さらに、医師はみんな熱心で、腎疾患患者が着実に増加し開院時50床で十分と判断した透析室も昨年度101床まで拡張しました。もう一つの強みは整形外科疾患です。南昌平名誉院長が側弯症の大家として知られることから、日本各地から側弯症患者さんが手術を受けにきています。難易度の高い手術の為、術中にCT撮影ができる機器を導入し、安全性の確保に努めています。ほかに椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などの脊椎疾患や、股関節・肩関節・膝関節・手などの各関節疾患も体制を整え、得意としています。

地域での位置づけと役割についてはどのようにお考えですか。

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当院の健診部門では、予防医療の推進を行っています。佐倉市界隈には健診を行う施設がないということもあり、健康意識の高い地域の方々のニーズに応えるべく、2014年に人間ドック・健診専用の施設をリニューアルオープンしました。さらに、近年話題となっている認知症の検査もできる脳ドックなど、新たなニーズにも応えています。また、急性期を過ぎて自宅に帰るまでの間、もう少し病院でゆっくり過ごせる時間を提供できるよう、2015年に地域包括ケア病棟を開設しました。近隣の大学病院などではなかなか対応できない部分である、内科的治療やリハビリを行うなどゆったりと回復していただきたいと思います。他にも近隣にはない完全個室の緩和ケア病棟や放射線治療など、がん治療の集学的治療ができる体制も整えています。腎疾患や整形疾患など、当病院ならではの専門性の高い医療に加え、地域医療を支えることも重要であると思います。

最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いいたします。

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近年入院患者さんが増えており、特に風邪や肺炎の患者さんが急増する冬場には現在の病床数では対応が難しくなってきているため、新たに新棟を新設し、病床を増やす予定となっています。さらに、手術室やリハビリ室、健診部門の拡張なども予定しており、2018年に着工、2019年に完成予定です。ちなみに、新設にあたり当院敷地内にはまだ遺跡が残っているため、“遺跡調査”を先に行うのも珍しいと思います。今後は、高齢化社会に向けて、必要とされる医療にも力を入れていき、高齢者の方に優しい医療を提供していきたいと思っています。また、当院の強みである伝統と高い専門性とともに、地域に根差した病院として地域のニーズに合った、より良い医療が提供できるよう、常に進化し続けてまいります。

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