藤倉 博之 院長の独自取材記事
藤倉医院
(北本市/北本駅)
最終更新日:2023/11/16
埼玉県北本市にある「医療法人社団 一期会 藤倉医院」は1975年に開業。2009年に藤倉博之先生が父から院長を引き継ぎ、2021年にリニューアルした。院内は清潔感にあふれ、木の温かみを感じる気持ちの良い空間だ。内科、循環器内科、消化器内科に対応し、訪問診療も行うなど、体の不調に関して幅広い診療の提供をめざす。CTやエックス線をはじめ検査機器が充実していることも魅力の一つだ。藤倉院長がめざすのは、患者と専門病院の“橋渡し”ができるクリニックだという。円滑な医療連携を行うために地域の医師や医療機関と積極的に交流し、信頼関係を築くことを大切にしている。ちょっとしたことでも相談したくなるような、正直で快活な藤倉院長に、診療への想いを聞いた。
(取材日2023年10月13日)
患者と専門病院の“橋渡し”ができるクリニックに
この医院では、どのような診療を行っているのでしょうか。
当院の前身は、1975年に私の父が開院した80床ある病院でした。父は心臓外科の医師だったので、心臓カテーテルなど心臓病の治療を多く行っていました。私は2009年に院長を引き継ぎ、現在は風邪など一般内科の診療はもちろん、生活習慣病、胃腸系、循環器、内分泌疾患など、体の不調に関して幅広く診療しています。患者さんは父の代から通っている年配の方が多いですね。心電図や超音波、内視鏡、エックス線やCTスキャンなどの検査機器も充実しており、精密検査も行っています。近隣のクリニックの先生から、CTによる検査のご依頼をいただくことも多いですね。私は胃の内視鏡検査を担当しています。最近力を入れているのは心不全の診療です。心臓の病気を抱えており、心不全を繰り返す方に対しお薬の調整を行っているほか、入院が必要な方には速やかに医療機関を紹介します。病診連携や診診連携に気を配りながら、診療にあたっています。
診療にあたり、藤倉院長が大切にされているのはどのようなことでしょうか?
話しやすくて相談しやすい雰囲気を感じてもらえるように、威圧感を与えず、笑顔で対応することを心がけています。これは患者さんにも、スタッフにも言えることですね。わかりやすく、丁寧な診療に努めて、患者さんの健康を生涯にわたってお守りする良きパートナーになれるよう、取り組んでいます。
どのようなクリニックでありたいと思っていますか?
私は、患者さんと、それぞれの病気の専門病院や先生との“橋渡し”ができるクリニックでありたいと思っています。患者さんの症状に対し、クリニックでカバーできる範囲は限られていて、重篤な病気の治療や手術が必要な場合は他の病院にお願いせざるを得ません。そういったときに、スムーズに適切な専門病院と連携できるよう、環境づくりを意識して行っています。
地域でのつながりを大切にした医療連携の実現をめざす
良好な連携を図るためには何が大切でしょうか。
私は地域の先生方とのつながりを大切にしており、他の病院やクリニックの先生方と一緒に行う勉強会や懇親会などには積極的に参加するようにしています。懇親会というと、ただの食事会のように聞こえますが、こういった集まりは近隣の病院でどういった診療が行われているのかという状況を知ることができる、非常に貴重な機会です。外来診療を行っていると、当院では適切な対応が難しい症状の患者さんが来院されることもあります。そのようなときに、まったく知らない先生よりも、普段から付き合いのある先生のほうが紹介しやすいですし、患者さんも安心できると思います。相手の先生にも「藤倉先生の頼みなら」と対応してもらえるように、普段から地域の先生方との信頼関係を築けるように心がけています。
近隣の方が相談しやすいクリニックだと感じます。
そうでありたいですね。地域に特化したことであれば、学校医や介護認定審査会への出席、障害のある方が働く作業所での診療など、さまざまな活動も行っています。私自身、小学生の頃から今でも北本市で暮らしていますので、周辺環境のことはだいたいわかっています。例えば、歩行や散歩を取り入れたほうがいい患者さんには、「あの神社に花がきれいに咲いていたから、散歩をしに行ってみたらどうか」「スーパーに行くなら、あえて少し離れたあの店に行ってみたらどうか」と話すこともあるんですよ。日常生活に沿ったアドバイスをお伝えできるという点でも、少なからず相談しやすさを感じていただけるのではないかと思います。
訪問診療にも長年取り組んでおられるそうですね。
ここ10年近く取り組んでいます。もともと通院されていた方がご高齢になり、足腰が弱ったり、認知機能の問題などで通院できなくなったりした患者さんに対応できるよう、訪問診療を行うようになりました。格好良く言えば、「通えなくなった方を最期まで診たいから」という想いです。日頃の健康チェックから緊急時の対応、終末期を迎えた患者さんへのターミナルケアも行っています。訪問看護ステーションと提携しており、訪問看護師さんが定期的に患者さんのご自宅を訪問して、病状報告をしてもらった上で、私が月に1〜2回診療に伺っています。先ほどの患者さんと専門病院への“橋渡し”の話とも重なりますが、施設や訪問看護師、患者さんとその家族としっかりコミュニケーションを取ることが、在宅医療を円滑に行うために非常に大切です。
ちょっとした不調でも気軽に相談を
医師をめざしたきっかけについてお聞かせください。
父が医師だったので、医師という職業はとても身近で親しみ深いものでした。その父の影響を受けたことはもちろんですが、医学の勉強が、すごく興味を感じたことも大きなきっかけでした。医療の道であれば、一生飽きずに関わっていくことができると思い、医師を志しました。川崎医科大学に進学し、卒業後は外科の医師として働いていたんです。内科で開業している先生の中には、もともと外科だった方もいらっしゃるんですよ。川崎医科大学附属病院の外科の医局に所属し、消化器外科や心臓血管外科など、外科全般を回りながら診療にあたっていました。それから内科系に移ろうと思ったのは、広くさまざまな症状を診られることに魅力を感じたからです。10年ほど働いたのち、当院に入りました。
2021年にはクリニックをリニューアルされました。
建物の老朽化がきっかけで、建て替えを行いました。私は父のように特化しているわけではなく、ちょっとした体調不良など、どんな症状でも広く診療できるような、気軽に来院していただけるクリニックをめざしました。以前の建物は鉄筋コンクリート造で冷たい感じがしたので、リニューアルにあたり、建物は木造にして木をたくさん使ったんです。外観は茶色っぽく、院内の床は木目調にし、待合室のソファーを緑色にするなど、温かい雰囲気に仕上げました。私自身も落ち着きますし、患者さんにも居心地良く過ごしていただけるのではないかと思います。
今後の展望と、読者へのメッセージをお願いいたします。
地域に根差したクリニックになっていきたいです。患者さんが訴える体の不調は、基本的に何でも診療しております。わからないことは患者さんにはっきりお伝えした上で、北本市内の先生方のこともよく知っているつもりなので、症状に合った医療機関や先生への紹介をご提案するようにしています。地域のこともよく知っているので、患者さんも安心して話していただけるのではないかと思います。お体のことで何か気になることがあれば、遠慮なくご相談くださいね。